転生したら弟に激重感情をもたれている

賀美能

文字の大きさ
8 / 17

嫉妬

しおりを挟む
「そろそろお開きだね。レイ、もう遅いからモースタンさんのこと家まで送ってよ」

エミリーがギョッとした様子で僕を見つめる

「いえいえ、一人で帰れますよ!」
「ここら辺は街灯も多いし、人通りも少なくないのでモースタンさんがそう言うならそれでいいと思うけど、ね、どうする兄さん」
これで二人の仲が深まればと思ったのだが二人はあまり気乗りしない様子だ
「でも、女性を一人で帰らせるのは少し、、、」
「それでも、レイさんと二人で帰るのは、、」

初対面なのに二人きりで帰るのは流石に気まずいだろうか?目線がとかまじまじととかいってたからレイの方はちゃんとエミリーに気がありそうだけど、エミリーの方はあまりそういうふうに見えない。マンガの方ではエミリーの方は最初からレイに惹かれていたイメージなのだが私がいることで変わってしまったのだろうか?
レイの方も街の女の子に話しかけられた時もそうだったが今日は特に口数が少なかった気がする、案外女の子にはシャイなのだろうか?それなら

「じゃあ私も一緒に送ります。それでどうですか?モースタンさん」
「わかりました、、ありがとうございます」


************
帰り道はより一層レイの様子が変だ、恋がそうさせるのか?

「ここまでで大丈夫です、今日はお食事に誘っていただきありがとうございました」
「いえいえ、またいつでも遊びに来てくださいね。それではお気をつけてお帰りくださいモースタンさん」
「ええ、さよなら」
「さよならモースタンさん」

レイは彼女の後ろ姿が消えた後も彼女の歩いていた方向をしばらく見つめていた。
今日気づいたのだがレイはきっと好きな女の子の前ではなかなかうまく言葉を伝えられないし奥手なタイプなのだ、何度か何か言いたそうにしてはくちをつぐんでいたし、エミリーに毛布を渡す時も彼女の手が触れるとビクッとしていたし、弟のうぶな一面を見て私はさらに弟を幸せにしてあげようと決心した。

************
家に帰るなりレイはいつになく興奮した様子で私の目をじっと見つめてこういった
「兄さんはモースタンさんのこと好きなの?」
少し様子がおかしいなと思っていたらなんだそんな可愛らしい心配をしていたのか!そんなことはないしむしろ二人の恋を応援したいのだと言おうと思ったが年頃の少年らしい弟の様子に少しいたずら心が芽生える
「ふふ、どうだろうねー秘密にしておこうかなぁ」
揶揄うようにレイの顔を覗き込む

《バンっ!》

鈍い音が耳のすぐ横から聞こえたかと思うとレイがすぐ目の前にいた。


「レイ?」


冗談か何かかと思って、顔を上げる、その顔には微塵も期待していた笑顔や揶揄っている雰囲気はなく恐怖すら感じられるほど無表情だ。目に光がない。壁に打ち付けられた手を依然として放す気がないらしく手の伸ばされている方とは逆の方から逃げようとすると強い力で肩を掴まれて思わず眉間に皺がよる。
しばらくしてようやく俗に言う壁ドンというものをされているのだと気づく。
掴まれた手を剥がそうとしてもどこにそんな力があるのか全く敵わない。


「兄さん、僕は真剣に聞いてるんだよ誤魔化さないでよ」

「モースタンのこと?」

「それ以外に何があるの?兄さん今日いつもより楽しそうにしてたね特にモースタンさんが家に来るって決まった時とか、」
いつものものとは違う低く感情のない声に鳥肌がたつ
「モースタンさんのことは好きじゃないよ、、だから放して!さっきのは冗談だよごめん」
「そう、安心したよ」

さっきまでの勢いが嘘だったかのようにパッと手が離される、まだ心臓がバクバクと必死に生きようと鼓動を上げている。死ぬかと思った。当の本人はごめんねとだけ言って何事もなかったように部屋に戻っていった。
エミリーの死後自殺を考えるくらいなのだからきっと愛は重い方だとは思っていたがまさかこれほどとは。そういえば視線の話でエミリーは私じゃなくて貴方をと言っていた気がする。途中で中断されてしまったがそれはもしかしたらレイから私に向けられる嫉妬の目線の話だったのかもしれない。
これからどうしようか?


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~

マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。 王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。 というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。 この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

父と息子、婿と花嫁

ななな
BL
 花嫁になって欲しい、父親になって欲しい 。すれ違う二人の思い ーー ヤンデレおじさん × 大学生    大学生の俺は、両親が残した借金苦から風俗店で働いていた。そんな俺に熱を上げる、一人の中年男。  どう足掻いてもおじさんに囚われちゃう、可愛い男の子の話。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる

桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」 首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。 レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。 ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。 逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。 マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。 そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。 近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン

【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』

バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。  そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。   最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m

処理中です...