転生したら弟に激重感情をもたれている

賀美能

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おめでとう

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あれからレイは所構わず私を口説くようになったし嫉妬を隠さなくなった、そのせいで使用人のリザさんにはあらまぁ、お若いですねぇ!と言われたし街でもあれは兄弟同士の禁断の恋!とか何とか噂が立っているらしい。

「兄さん、おはよ、今日も癖っ毛で可愛いね」
「それ褒めてるの?」
「もちろん、癖っ毛な所も好きだし櫛で髪を解くとき絡まりすぎて櫛を折ったところも好きだよ、全部好き」
、、、
レイの褒め言葉のレパートリーはなかなかクセが強いことがある。昨日は私が服を裏返しに着ていたら「兄さんの一人じゃ生きていけなさそうなとこ好きだよ」と言ってきた。もしかして最後に好きとつけたら何言っても褒め言葉になると思っているんだろうか?

「おはようございます、レイさんセリスさん」

「モースタンさんいらしてたんですね。」
レイが私の前に立つ

「ええ、何というか最近以前よりもさらに仲良くなられましたね」
「うん、兄さんから口説いていいって言ってもらったしね」
「いや、そうは言ってないんだけどなぁ」
「照れないでよ、兄さんあの時の兄さんかっこよかったなぁ」

モースタンさんが少し驚いたような顔をする、そして笑いながらこう言う

「ふふっ、私が心配する必要はなかったみたいですね」
「今日はセリスさんにお礼を言いにきたんですよ」
「お礼?」
「そう、あの日私の手を引いてきて下さったお礼です」
「ええ!いやいや別に大したことはしてないですよ!むしろあんな啖呵きったのにやってることは手当てくらいですから」
「いえいえ、お陰で随分気が楽になりましたし実はリザさんの息子さんと付き合うことになって」

エミリーは嬉しそうな照れたような表情で言う

リザさんの息子といえば一度しか会ったことはないが優しそうな好青年だった、素直に原作では報われなかったエミリーが幸せになるのは嬉しい

「それは、おめでとうございます!」
「そうなんだ、おめでとうモースタンさん」
リザさんも嬉しそうな表情をしている
「そっか、じゃあお祝いしなくちゃですね」

私たちは出会った日と同じようにパンケーキを食べながら談笑した。




************

「そろそろお開きですかね、モースタンさん末永くお幸せに」
私は彼女の手を握ってそう言った
「いや、大袈裟ですよまるで結婚するみたいな言い方、、」
そうは言いながらも彼女の目には幸せが見てとれた
レイは私とエミリーの手を離しながら言う。
「ええ、僕も応援してますよ」

レイは嫉妬を隠さなくなった、苦笑いしつつもなんだか平和な今が続けばいいと思った


廊下の向こう側で足音がする、レイも私もリザさんもモースタンさんもこの場にいるしこの屋敷に使用人はリザさんしかいない、背中に変な汗をかくあのこの世の全ての憎悪を煮詰めたような乱暴な足音は紛れもなく母だ。
嫌な予感がする、、、

バンッ

乱暴にドアを開けて姿を現したのはいつの間にか白髪の増えたでも表情からは変わらずあの醜い憎悪を覗かせた母がナイフを持ってそこに立っていた。

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