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目標への道と...
心躍る時間
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授業が終われば、部活の時間が始まる。
僕らはそれまでの時間も、精一杯使って、文化祭用の音楽の方針を練った。
昼休みも、授業の合間の時間も使って、できうる限りの時間を作曲の準備に当てた。
それには、大事な理由がある。
作曲をするときは、全員が集まってするわけではない。
昔みたいに、少しずつ弾いて確かめながら作曲するのではなく、パソコンのソフトを使って作る。
その際に必要なのは、一人か二人だけなので、ほかの人の意見は反映されにくい。
だから、早くから全員の意見を集めておくことで、全員が納得できる音楽を作るのが目的だ。
最後は、あの二人の手腕にかかっているんだけど。
授業がすべて終わって、部活の時間が始まると、クラスが急に活発になった。
とはいっても、僕らみたいに何かに向かって動いている人は少ない。
ほとんどの人は、夏の大会とかに向けているため、今はまだまだやる気になっていない。
それに、クラスの出し物も、全然進んでいない。
まだスタートさえしていないような状況だ。
そんな中から、僕と水上さんだけがいち早く抜けだした。
早く僕の家に行って、作曲を進めたいんだ。
山縣には悪いけど、今日は部内の調整会に出てもらうから、クラスで待ってもらってる。
後で合流する予定だから、優しい山縣は了承してくれた。
学校を出る前に、いったん諒一のクラスを見に行ったけど、まだホームルームの最中だった。
だから、僕は水上さんを連れて、二人だけで学校を出ることになった。
二人きりで行動していると、やっぱり意識してしまって、ちょっとあたふたしちゃう。
水上さんのひょんとした行動の一つ一つが、心を奪われそうになりながら動いてる。
一緒に下駄箱まで行くと、各々の靴を取り出した。
いつもだったら、足を地面に勢いよくたたきつければ履けるのに、なんでか力んじゃってできない。
仕方なく僕は、靴紐歩ほどいてから結びなおすことにしたけど、それにも時間がかかった。
水上さんに準備できたって視線で送ると、水上さんの白い睡蓮のような笑顔が咲いた。
可憐と呼ぶにふさわしいあの顔に、僕の視線は奪われたまま、なかなか戻ってこなかった。
それでもと、強引に視線を外して校門に向かった。
水上さんが正門の方に踵を返した時に、僕の顔に水上さんの長い髪が当たってチクチクした。
正門を出てから、駅までの徒歩の道の間、僕はずっと水上さんに聞きたかったことを聞いてみることにした。
リュックから適当な紙とペンを取り出して、質問を書いて渡した。
「水上さんって手話で話せるの?」
耳が聞こえない人が手話を使うというのは、珍しくないことだ。
だから、水上さんも手話を使えるのかもしれない。
そしたら、今みたいにわざわざ紙を取り出さなくても話せるから便利になるはずだと思った。
けど、水上さんから帰ってきた返事は、僕の予想と違った。
「私は手話は使えないんだ
本当は練習するつもりだったんだけど、覚えるのがめんどくさかったし、タブレット使えば問題ないし」
とのことだった。
なんか、真面目そうな水上さんらしくない返事だと思った。
でも、それこそ声が聞こえないとかだったら教えてもらうんじゃないかな。
まあ、人の事情に深入りするのは、いいことではないし、自分にだって隠したいことがあるからね。
それから、僕らは一緒に電車に乗った。
女子と二人で乗る電車っていうのは、あんまり経験したことがない。
でも、電車の中だと話すこともなくて、外の景色を見ているだけで目的地に着く。
眺めていたのは、気が付けば外の景色から、君の横顔になっていたのかもしれない。
やっぱり、手話とみたいな伝達方法がないと緊張しちゃう。
僕が手話を使えるわけではないけど、こういう時に困ってしまうんだ。
現状僕は今、すごい難しい状況だ。
次の駅で降りなきゃいけないのに、それを伝える方法が分からない。
いつもみたいに、二人の間にタブレットがあるわけでもないし、すぐに出せる紙とペンがあるわけでもない。
でも、学校の中ってわけじゃないから、変なジェスチャーを披露するわけにもいかない。
あたふたしていた僕に、水上さんはタブレットを差し出してくれた。
しかも、そこには文字が書かれていた。
「次の駅で降りるんだよね?」
水上さんが覚えていてくれたことが本当に助かった。
僕は、電車が次の駅に着くまで時間があることを確認してから、返事を書いた。
「次の駅で合ってるよ
覚えておいてくれてありがとう」
それを見た水上さんは、何かを書こうとしてから、タブレットをしまった。
もうすぐ電車が次の駅に作って表示されたから。
僕も荷物を背負って扉の方に向かうと、タイミングよくドアが開いた。
そこで、僕は電車を降りようとしてから、水上さんの方を振り返ると、水上さんがいとごみから抜け出せないでいた。
僕は、急いで水上さんの手を握ると、優しく強く引っ張った。
多分車掌さんが気がついてくれたんだと思うけど、僕らが電車を降りるには十分な時間の間ドアは開いていた。
駅のホームに出ると、水上さんはタブレットを取り出して何やら文字を書いて僕に渡した。
そこに書かれていたのは
「助けてくれてありがとう
かっこよかったよ」
だった。
そこで僕は、水上さんの手を握ってしまったことに気が付いて、自分の手を握ったり開いたりした。
かすかに残る水上さんの、女子らしい華奢な右手の感触を、何度も神経で反芻した。
ふと見てみると、なんだかんだで僕の手もまだまだ弱くて柔らかいことに気が付いた。
子供のまま、なんてやだな。
それから、はたと気が付いて水上さんへの返信を書いた。
「もっと早く気が付いてあげられたらよかったんだけどね
それじゃあ、これからはひたすら歩こうか」
と書いて渡した。
水上さんは、何故かちょっとだけ切なげな表情をした。
僕には、なぜ彼女がそんな表情をするのか理解できなかった。
だから、僕には前を向いて進むしかできなかった。
改札を出た後も、家に着くまでにはある程度の時間がある。
だから、水上さんに聞きたいことが何かないかちょっと考えてみた。
それから、一つだけ思い出したように聞いてみた。
そのために、水上さんがリュックにしまわずに、抱えているタブレットを借りた。
「僕らのバンドの色のことなんだけど、色の混ざりって何で決まってるの?」
僕の感性的には、色の混ざりは人によって決まっている。
人それぞれに色がある感じに思えるんだ。
それが、水上さんと一緒かどうかを聞きたいんだ。
水上さんは一瞬迷った表情をしてから、その答えを僕によこした。
「良く出てくる音の色かな
後は人それぞれの雰囲気もあるけど」
そういえば、水上さんには、音に色がついて見えるんだった。
僕みたいな、普通の人からしたら羨ましい能力だ。
質問攻めで悪い気がするんだけど、水上さんにもう一つだけ質問してみた。
「僕と水上さんを色にするなら何色?」
すると、何の迷いもなく水上さんは返事を書いてくれた。
「私は白だけど、周りに影響されて水色っぽい感じ
君は少しだけ黒いけど、まだ白いって感じかな
何で決まっているのか私にはわからないんだけどね」
水上さんが白で僕が灰色。
その色が何で決まっているのか、水上さんにはわからないらしいけど、僕には大体の見当はつく。
だって、諒一たちと僕の違いなんて多分ひとつしかないから。
気が付けば僕らは家の前についていたので、それ以上話すことはできなかった。
僕らはそれまでの時間も、精一杯使って、文化祭用の音楽の方針を練った。
昼休みも、授業の合間の時間も使って、できうる限りの時間を作曲の準備に当てた。
それには、大事な理由がある。
作曲をするときは、全員が集まってするわけではない。
昔みたいに、少しずつ弾いて確かめながら作曲するのではなく、パソコンのソフトを使って作る。
その際に必要なのは、一人か二人だけなので、ほかの人の意見は反映されにくい。
だから、早くから全員の意見を集めておくことで、全員が納得できる音楽を作るのが目的だ。
最後は、あの二人の手腕にかかっているんだけど。
授業がすべて終わって、部活の時間が始まると、クラスが急に活発になった。
とはいっても、僕らみたいに何かに向かって動いている人は少ない。
ほとんどの人は、夏の大会とかに向けているため、今はまだまだやる気になっていない。
それに、クラスの出し物も、全然進んでいない。
まだスタートさえしていないような状況だ。
そんな中から、僕と水上さんだけがいち早く抜けだした。
早く僕の家に行って、作曲を進めたいんだ。
山縣には悪いけど、今日は部内の調整会に出てもらうから、クラスで待ってもらってる。
後で合流する予定だから、優しい山縣は了承してくれた。
学校を出る前に、いったん諒一のクラスを見に行ったけど、まだホームルームの最中だった。
だから、僕は水上さんを連れて、二人だけで学校を出ることになった。
二人きりで行動していると、やっぱり意識してしまって、ちょっとあたふたしちゃう。
水上さんのひょんとした行動の一つ一つが、心を奪われそうになりながら動いてる。
一緒に下駄箱まで行くと、各々の靴を取り出した。
いつもだったら、足を地面に勢いよくたたきつければ履けるのに、なんでか力んじゃってできない。
仕方なく僕は、靴紐歩ほどいてから結びなおすことにしたけど、それにも時間がかかった。
水上さんに準備できたって視線で送ると、水上さんの白い睡蓮のような笑顔が咲いた。
可憐と呼ぶにふさわしいあの顔に、僕の視線は奪われたまま、なかなか戻ってこなかった。
それでもと、強引に視線を外して校門に向かった。
水上さんが正門の方に踵を返した時に、僕の顔に水上さんの長い髪が当たってチクチクした。
正門を出てから、駅までの徒歩の道の間、僕はずっと水上さんに聞きたかったことを聞いてみることにした。
リュックから適当な紙とペンを取り出して、質問を書いて渡した。
「水上さんって手話で話せるの?」
耳が聞こえない人が手話を使うというのは、珍しくないことだ。
だから、水上さんも手話を使えるのかもしれない。
そしたら、今みたいにわざわざ紙を取り出さなくても話せるから便利になるはずだと思った。
けど、水上さんから帰ってきた返事は、僕の予想と違った。
「私は手話は使えないんだ
本当は練習するつもりだったんだけど、覚えるのがめんどくさかったし、タブレット使えば問題ないし」
とのことだった。
なんか、真面目そうな水上さんらしくない返事だと思った。
でも、それこそ声が聞こえないとかだったら教えてもらうんじゃないかな。
まあ、人の事情に深入りするのは、いいことではないし、自分にだって隠したいことがあるからね。
それから、僕らは一緒に電車に乗った。
女子と二人で乗る電車っていうのは、あんまり経験したことがない。
でも、電車の中だと話すこともなくて、外の景色を見ているだけで目的地に着く。
眺めていたのは、気が付けば外の景色から、君の横顔になっていたのかもしれない。
やっぱり、手話とみたいな伝達方法がないと緊張しちゃう。
僕が手話を使えるわけではないけど、こういう時に困ってしまうんだ。
現状僕は今、すごい難しい状況だ。
次の駅で降りなきゃいけないのに、それを伝える方法が分からない。
いつもみたいに、二人の間にタブレットがあるわけでもないし、すぐに出せる紙とペンがあるわけでもない。
でも、学校の中ってわけじゃないから、変なジェスチャーを披露するわけにもいかない。
あたふたしていた僕に、水上さんはタブレットを差し出してくれた。
しかも、そこには文字が書かれていた。
「次の駅で降りるんだよね?」
水上さんが覚えていてくれたことが本当に助かった。
僕は、電車が次の駅に着くまで時間があることを確認してから、返事を書いた。
「次の駅で合ってるよ
覚えておいてくれてありがとう」
それを見た水上さんは、何かを書こうとしてから、タブレットをしまった。
もうすぐ電車が次の駅に作って表示されたから。
僕も荷物を背負って扉の方に向かうと、タイミングよくドアが開いた。
そこで、僕は電車を降りようとしてから、水上さんの方を振り返ると、水上さんがいとごみから抜け出せないでいた。
僕は、急いで水上さんの手を握ると、優しく強く引っ張った。
多分車掌さんが気がついてくれたんだと思うけど、僕らが電車を降りるには十分な時間の間ドアは開いていた。
駅のホームに出ると、水上さんはタブレットを取り出して何やら文字を書いて僕に渡した。
そこに書かれていたのは
「助けてくれてありがとう
かっこよかったよ」
だった。
そこで僕は、水上さんの手を握ってしまったことに気が付いて、自分の手を握ったり開いたりした。
かすかに残る水上さんの、女子らしい華奢な右手の感触を、何度も神経で反芻した。
ふと見てみると、なんだかんだで僕の手もまだまだ弱くて柔らかいことに気が付いた。
子供のまま、なんてやだな。
それから、はたと気が付いて水上さんへの返信を書いた。
「もっと早く気が付いてあげられたらよかったんだけどね
それじゃあ、これからはひたすら歩こうか」
と書いて渡した。
水上さんは、何故かちょっとだけ切なげな表情をした。
僕には、なぜ彼女がそんな表情をするのか理解できなかった。
だから、僕には前を向いて進むしかできなかった。
改札を出た後も、家に着くまでにはある程度の時間がある。
だから、水上さんに聞きたいことが何かないかちょっと考えてみた。
それから、一つだけ思い出したように聞いてみた。
そのために、水上さんがリュックにしまわずに、抱えているタブレットを借りた。
「僕らのバンドの色のことなんだけど、色の混ざりって何で決まってるの?」
僕の感性的には、色の混ざりは人によって決まっている。
人それぞれに色がある感じに思えるんだ。
それが、水上さんと一緒かどうかを聞きたいんだ。
水上さんは一瞬迷った表情をしてから、その答えを僕によこした。
「良く出てくる音の色かな
後は人それぞれの雰囲気もあるけど」
そういえば、水上さんには、音に色がついて見えるんだった。
僕みたいな、普通の人からしたら羨ましい能力だ。
質問攻めで悪い気がするんだけど、水上さんにもう一つだけ質問してみた。
「僕と水上さんを色にするなら何色?」
すると、何の迷いもなく水上さんは返事を書いてくれた。
「私は白だけど、周りに影響されて水色っぽい感じ
君は少しだけ黒いけど、まだ白いって感じかな
何で決まっているのか私にはわからないんだけどね」
水上さんが白で僕が灰色。
その色が何で決まっているのか、水上さんにはわからないらしいけど、僕には大体の見当はつく。
だって、諒一たちと僕の違いなんて多分ひとつしかないから。
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