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第1部【明暗の大魔導師】編
第10話 衛兵長と城塞都市
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「ねぇ…コォ……ねぇ…起きて?……起きろ!!」
「ウゲェ!!がはぁ!!ごっほ…にゃ、なんだ…」
俺の名前はコォ…インと共に寝ていた冒険者だけど…腹部に激しい打撃を受けて目が覚めた…目の前には…天井?あれ…外で寝ていたハズだけど…
それにゴッタゴッタと揺れている…なんだ?
「もう…やっと起きた…」
「よぉ、起きたか。お寝坊さん。」
「ふぁぁ~ザリィさん…此処、何処っすか…」
「馬車ン中。」
馬車…乗ったこと無いが、コレがそうなのか…揺れるんだな…
顔を擦りながら話を聞いたが、あの後引き取りの人が来て、ビーミスで取引をするので一緒に行くらしい…よく見りゃザリィの隣には縛られたプリコが座っていた。
何かを伝えたいらしいが、口に布を噛ませられているのでフガフガとしか聞こえない。
「ちょっと待ってください……これって…牢屋ですか?」
【ああ、どうやら馬車は1台しか借りられなかったらしい。】
『無茶言うな、俺達だってこれ借りんのに苦労したんだ。』
外から別の男の声も聞こえる…馬車を操っている人か?
牢屋には俺、イン、ザリィ、ベンガ、ジャックン、プリコがギュウギュウ詰めだ…俺を起こしたのはインだな…何も殴らなくても…
「はぁーあ…暇だなぁ…ジャックン、何か面白いこと言え。」
【黙れ。】
「ハッハッハ!!……あーおもしれ。」
「ちょっと待て…イン、何故俺を起こしたんだ?」
「暇だったから。」
そんな理由で起こしたのか…ザリィの話を聞くにまだまだ先は長そうだ…それに!馬車って結構遅いんだ…これは先が長くなりそうだ。
「おい、上の奴!」
『………なんだ?』
「しっこしたい、止めてくれ。」
『ダメだ、遅れる。』
「良いのか?中で漏らせば大目玉喰らうのはお前等だぞ。」
『ッチ……40秒でしっこしな。』
看守と思わしき男は『おい』と誰かに言うと場馬車はピタリと止まった。
そして扉がガチャガチャと10秒ほど音を立てると、開かれる…
「出したい奴は出ろ、次は無いからな。」
「サンキュー、ジャックンも来る?」
【ああ。一応出しておこう。】
「俺もしときます!」
この先、長くなりそうなので今のうちに出し切っておくことにした。
インは「乗る前に出した」と言ったので来なかった…良かった…ここら辺は平坦なので女性は落ち着いてトイレが出来ないだろう…まぁ男もそうだが。
父さんから散々、トイレは出来るだけ家でしろと言われていたが…実は結構山の中でも立ちションしていた…だって開放感と爽快感が桁違いなのだから。
(大はどうしてもという時以外は家でしてたけど)
「おい、お前はしないのか?」
「誰がするか。お前等全員病気になっても知らんぞ。」
「聞いた2人共?病気だってよ。」
【きっと野ションの爽快感を知らないんだな。】
「もしかしたらなったことがあるのかもしれませんよ。」
「聞こえてるぞお前等!チ○ポをぶった斬られたくなかったらさっさとしろ!」
下品な言葉で俺達を叱りつけるのはガチガチの鎧を着た人だ…兜を被っているので顔は見えないが成りと言葉遣いからして男だろう。
それとは別に馬車を操る者もいる…顔は…服が邪魔で見えないな。
黒いローブを着ているけど暑く無いのかな?
「ふぅ…スッキリした…街まではまだ遠いな…」
【夜までに着くと良いな。】
「まだ真昼ですよね?」
ビーミスはかなり近くなったが…それでもまだ遠い。
夜までには着くと良いと言っているがまだ真昼間だ…お日様も真上に位置している。
「おい!何を駄弁っている!早く乗れ!」
「はいはい、騎士様は時間に厳しいんだな。」
「当たり前だ!時間を守る事は基本だ!基本も出来ない奴が偉くなれるか!」
「偉いんですね。」
「早く乗れ!本当にぶった斬るぞ!」
騎士と言うのも始めて見たが、おっかないなぁ…
自分達は馬車に乗り込むと鍵をまたガチャガチャと掛けられた。
ザリィに聞いたが…あの騎士は有名な人らしい。
ビーミス要塞都市の兵を連ねる兵長…名前はクネ…スパルタ教育を施す鬼教官で戦にも出陣したらしい…やっぱりそのせいか、貫禄と威圧感がある。
「兵長かぁ…カッコいいなぁ…」
「だってよ、良かったな。」
『…当たり前だ。』
・・・
あの後…インが吐き気を催したり、ザリィのおしゃべりに付き合わされたプリコが発狂して騒いだりしたが…何とかビーミスへと到着した。
外に出てみれば…空の色はすっかり暗くなっていた…
「はぁー!!ケツが痛てぇな…」
「出て来いプリコ、貴様はこの後乗り継ぎだ。」
「この人、何処に連れて行っちゃうんですか?」
「コブサラ国の街だ。」
「へぇ…あそこって盗人の指を斬り落とすんだよな?だったらお前は…」
【んぐー!!ぐぐん!!ぐぐぐぐぐ!!】
クネはジタバタと暴れるプリコの腹部に拳を突き込ませ、一瞬で黙らせた。
そして引き摺りながら近くの建物まで行く…あそこは衛兵云々の建物だろう。
自分達も報酬を受け取るために向かうが…人が多い…なんだ、街ってのは人口密度が凄く高いと聞いたが…此処までとは…
インも少し怯えている。
「おい、コイツを翌朝の港行きの馬車に乗せてやれ。」
「了解しました。オラ!こっち来い!」
【ンギギギ!!】
「さて…お前等の報酬だな。こっちに来い。」
建物内は多くの衛兵がうろついている…これだけ居ると頼もしいより…威圧感で怖い。
自分達は奥のクネの部屋まで付いて行った。
「ほら、懸賞金5000に生け捕り上乗せ1000で6000、もってけ。」
「待ってました!いやぁ!!良いねぇ!都は羽振りが良くて!」
「受け取ったならさっさと消えろ。さもないとしょっ引くぞ。」
「へいへい、言われなくても行きますよ。」
外へ出た自分達はザリィからの報酬の分け前を貰った。
自分達の報酬は2500ドルだ…一気に財布が潤う!こんだけ重いと気分が浮かれる…とても気持ちが良いものだな。
「お前等これからどうするんだ?」
「俺達は一泊して明日の朝に大魔導師会の支部へ行きたいと思います。」
「そうか。だったら今晩の食事と宿は奢るぜ。」
昨日の宿の事も含め、晩御飯と宿を奢ってくれると言った…気前が良い!
ここはお言葉に甘えておこう…この先、何が起きるかは分からない。
宿を取ると、5人で飲食店へと入店した…どうしよう、レストランなんて初だ…
店内はガヤガヤしてるし、色んな匂いがする…ちょっと楽しい。
(意外に自分と同じくらいの人も居る)
「これと、これと…あとこれと…」
【酒も頼んどけ。喉が渇いてしょうがない。】
「へいへい。」
ザリィが適当に料理を注文している間に思ったが…ジャックンはどうやって飲食を行うのだろうか?頭が箱なので口は無いし、目も無い。
もしかして上の方を開いてその中に?でもそれって収納だよな…
【ん?俺の箱に何か付いてるか?】
「いえ…どうやってご飯を食べるのかな…と思いまして。」
【俺は物をたまにしか食わない、水分だけで生きていけるが…飲食はここからするんだ。】
ジャックンは人間で言うと口がある部分を手でポリポリ掻くと、パカッと一部分が四角く取れた…中は見えないが穴のようになっている…アレが口?
少し恐ろしいけど…不思議だ…だってあの箱の中身は無限に広がる宇宙のようになっている…食べたらその中に吸収されるのか?それともそこから入れると胃に行くとか?
謎は尽きない。
「それにしても…大魔導師会を尋ねるなんてよっぽどの事だよな?」
「ええ、そうですね。かなり一大事です。」
【そうか…此処のは誰が支部長してんだっけな…】
「ビーミスは確かゲンナっていう人が支部長だった気がするけど。」
ベンガが言うにはこの街の大魔導師会支部の支部長は記憶が正しければゲンナという女性らしい…曰く、今代の大魔導師の娘で、若者。
「何の大魔導師の娘だ?美人なら…まぁ見に行ってやっても良いかな。」
「確か…還の大魔導師だった気がする。」
「還の大魔導師…ですか?」
「なんだ?知らないのか?」
大魔導師会は8人でそのうちの2人が影と光というのは知っているが…後は知らなかった…この際だから聞いておくことにした。
知らないなんて失礼過ぎるし、覚えておかなくてはいけない。
「大魔導師会には8人の大魔導師…それぞれが対になっているんだ。」
「対に?」
「そう!例えば…」
還の大魔導師と対になっているのは生の大魔導師、そして他には底の大魔導師と天の大魔導師、厄と対になるのは幸だ。
そして残る1つは…影と光…父さんの話が本当なら父さんと母さん…だ。
ちなみにこの中でリーダーを気取っているのは底の大魔導師とも聞いた。
(まるで大魔導師のバーゲンセールだな、言語崩壊しそう)
「と言った感じだが…旅人の話なんて聞くだろうか…」
「推薦状を貰ったので大丈夫です。」
【推薦状?お前等…一体何者なんだ?何処かの国の使いか?】
「いえ…ただの冒険者の双子です。」
【そうか…(コイツ等双子だったのか…)】
何回も言うが目的は父さんの呪いを解け、母である光の大魔導師を見つける事だ。
情報が聞けると良いが…大魔導師ってのは何処に居るんだ?支部があるって事はこの街には居ない?という事は…本部に居るのか?
だが自分が探しているのは1代前の光の大魔導師だ…見つかると良いが…
「まぁ良いや。飯でも食おうぜ、考え事をすると不味くなる。」
「そ、そうですね…」
話をしているうちに色々な食事が運ばれて来た…こんな量を見るのは初めてだ。
インは少し顔を顰めている…それは…味が濃い料理が多いからだ。
だがちゃんとサラダやスープ、パンなどは有るので大丈夫そうだ…匂いがちょっとキツイのだろう。
味は…濃い、凄く濃い…滅茶苦茶濃い…けど皆は美味しいと普通に食べている…コレが人間の好む本来の味なのだろうか…インが食べたら鼻血を出しそうだ。
・・・
「んじゃ、俺達はこれでお別れだな。また会おうぜ、縁があったら。」
「ありがとうございます。お達者で。」
【検討を祈る。】「じゃーねー!」
食事を済ませると、ザリィ達は忙しそうに次の目的地へと行ってしまった。
休まないのだろうか…それより、荷物はちゃんとジャックンから返してもらった…預かっていてくれた様だ…便利だなぁ。
「コォ…明日…行くんだよね?支部に…」
「そうだな。だから今日は早く寝ておけ。」
「もし…もしさ、何の情報も無かったら…どうするの?」
「俺は旅を続ける、インは戻った方が良い、危険だ。」
「そ、そう…かも…ね。」
情報があっても無くても一応はインを家に戻そうと思う…サーマさんが面倒を見てくれると言うし、安全だろう。
遂に明日…第一目標の大魔導師会支部に行くことになるのか…
緊張するな…ベンガの話によるとゲンナという人は美しい人らしい。
美しい人とはどんな人だろうか…パリング村の宿屋の人は…うん、滅茶苦茶綺麗だったなぁ…それに比べるとインって…やっぱり美しくない…かも。
(良いのか…?妹に対してそんな事を感じて…?)
つづく(短くてごめん)
・・・
キャラクタープロフィール6
名前:ベンガ(オス) 身長:169㎝ 瞳の色:黄色 髪色:桃色
誕生日:2月5日 星座:カッコ座 血液型:AB 人種:化け猫(魔族)
好物:茹でササミ 趣味:日向ぼっこ 職業:賞金稼ぎ、ペット
二つ名:地獄の飼い猫 懸賞金:5300ドル 手配地域:裏世界
『ベンガはザリィ達の飼い猫兼サンドバッグである。ザリィ自身も認めたくないと思っているが一応仲間として認識されている。出会い、旅をする理由共に不明だが本人は楽天的に思っている模様。よく仲間から(1人を除いて)辛辣な言葉を掛けられたり、囮にされたりしている。』
「ウゲェ!!がはぁ!!ごっほ…にゃ、なんだ…」
俺の名前はコォ…インと共に寝ていた冒険者だけど…腹部に激しい打撃を受けて目が覚めた…目の前には…天井?あれ…外で寝ていたハズだけど…
それにゴッタゴッタと揺れている…なんだ?
「もう…やっと起きた…」
「よぉ、起きたか。お寝坊さん。」
「ふぁぁ~ザリィさん…此処、何処っすか…」
「馬車ン中。」
馬車…乗ったこと無いが、コレがそうなのか…揺れるんだな…
顔を擦りながら話を聞いたが、あの後引き取りの人が来て、ビーミスで取引をするので一緒に行くらしい…よく見りゃザリィの隣には縛られたプリコが座っていた。
何かを伝えたいらしいが、口に布を噛ませられているのでフガフガとしか聞こえない。
「ちょっと待ってください……これって…牢屋ですか?」
【ああ、どうやら馬車は1台しか借りられなかったらしい。】
『無茶言うな、俺達だってこれ借りんのに苦労したんだ。』
外から別の男の声も聞こえる…馬車を操っている人か?
牢屋には俺、イン、ザリィ、ベンガ、ジャックン、プリコがギュウギュウ詰めだ…俺を起こしたのはインだな…何も殴らなくても…
「はぁーあ…暇だなぁ…ジャックン、何か面白いこと言え。」
【黙れ。】
「ハッハッハ!!……あーおもしれ。」
「ちょっと待て…イン、何故俺を起こしたんだ?」
「暇だったから。」
そんな理由で起こしたのか…ザリィの話を聞くにまだまだ先は長そうだ…それに!馬車って結構遅いんだ…これは先が長くなりそうだ。
「おい、上の奴!」
『………なんだ?』
「しっこしたい、止めてくれ。」
『ダメだ、遅れる。』
「良いのか?中で漏らせば大目玉喰らうのはお前等だぞ。」
『ッチ……40秒でしっこしな。』
看守と思わしき男は『おい』と誰かに言うと場馬車はピタリと止まった。
そして扉がガチャガチャと10秒ほど音を立てると、開かれる…
「出したい奴は出ろ、次は無いからな。」
「サンキュー、ジャックンも来る?」
【ああ。一応出しておこう。】
「俺もしときます!」
この先、長くなりそうなので今のうちに出し切っておくことにした。
インは「乗る前に出した」と言ったので来なかった…良かった…ここら辺は平坦なので女性は落ち着いてトイレが出来ないだろう…まぁ男もそうだが。
父さんから散々、トイレは出来るだけ家でしろと言われていたが…実は結構山の中でも立ちションしていた…だって開放感と爽快感が桁違いなのだから。
(大はどうしてもという時以外は家でしてたけど)
「おい、お前はしないのか?」
「誰がするか。お前等全員病気になっても知らんぞ。」
「聞いた2人共?病気だってよ。」
【きっと野ションの爽快感を知らないんだな。】
「もしかしたらなったことがあるのかもしれませんよ。」
「聞こえてるぞお前等!チ○ポをぶった斬られたくなかったらさっさとしろ!」
下品な言葉で俺達を叱りつけるのはガチガチの鎧を着た人だ…兜を被っているので顔は見えないが成りと言葉遣いからして男だろう。
それとは別に馬車を操る者もいる…顔は…服が邪魔で見えないな。
黒いローブを着ているけど暑く無いのかな?
「ふぅ…スッキリした…街まではまだ遠いな…」
【夜までに着くと良いな。】
「まだ真昼ですよね?」
ビーミスはかなり近くなったが…それでもまだ遠い。
夜までには着くと良いと言っているがまだ真昼間だ…お日様も真上に位置している。
「おい!何を駄弁っている!早く乗れ!」
「はいはい、騎士様は時間に厳しいんだな。」
「当たり前だ!時間を守る事は基本だ!基本も出来ない奴が偉くなれるか!」
「偉いんですね。」
「早く乗れ!本当にぶった斬るぞ!」
騎士と言うのも始めて見たが、おっかないなぁ…
自分達は馬車に乗り込むと鍵をまたガチャガチャと掛けられた。
ザリィに聞いたが…あの騎士は有名な人らしい。
ビーミス要塞都市の兵を連ねる兵長…名前はクネ…スパルタ教育を施す鬼教官で戦にも出陣したらしい…やっぱりそのせいか、貫禄と威圧感がある。
「兵長かぁ…カッコいいなぁ…」
「だってよ、良かったな。」
『…当たり前だ。』
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あの後…インが吐き気を催したり、ザリィのおしゃべりに付き合わされたプリコが発狂して騒いだりしたが…何とかビーミスへと到着した。
外に出てみれば…空の色はすっかり暗くなっていた…
「はぁー!!ケツが痛てぇな…」
「出て来いプリコ、貴様はこの後乗り継ぎだ。」
「この人、何処に連れて行っちゃうんですか?」
「コブサラ国の街だ。」
「へぇ…あそこって盗人の指を斬り落とすんだよな?だったらお前は…」
【んぐー!!ぐぐん!!ぐぐぐぐぐ!!】
クネはジタバタと暴れるプリコの腹部に拳を突き込ませ、一瞬で黙らせた。
そして引き摺りながら近くの建物まで行く…あそこは衛兵云々の建物だろう。
自分達も報酬を受け取るために向かうが…人が多い…なんだ、街ってのは人口密度が凄く高いと聞いたが…此処までとは…
インも少し怯えている。
「おい、コイツを翌朝の港行きの馬車に乗せてやれ。」
「了解しました。オラ!こっち来い!」
【ンギギギ!!】
「さて…お前等の報酬だな。こっちに来い。」
建物内は多くの衛兵がうろついている…これだけ居ると頼もしいより…威圧感で怖い。
自分達は奥のクネの部屋まで付いて行った。
「ほら、懸賞金5000に生け捕り上乗せ1000で6000、もってけ。」
「待ってました!いやぁ!!良いねぇ!都は羽振りが良くて!」
「受け取ったならさっさと消えろ。さもないとしょっ引くぞ。」
「へいへい、言われなくても行きますよ。」
外へ出た自分達はザリィからの報酬の分け前を貰った。
自分達の報酬は2500ドルだ…一気に財布が潤う!こんだけ重いと気分が浮かれる…とても気持ちが良いものだな。
「お前等これからどうするんだ?」
「俺達は一泊して明日の朝に大魔導師会の支部へ行きたいと思います。」
「そうか。だったら今晩の食事と宿は奢るぜ。」
昨日の宿の事も含め、晩御飯と宿を奢ってくれると言った…気前が良い!
ここはお言葉に甘えておこう…この先、何が起きるかは分からない。
宿を取ると、5人で飲食店へと入店した…どうしよう、レストランなんて初だ…
店内はガヤガヤしてるし、色んな匂いがする…ちょっと楽しい。
(意外に自分と同じくらいの人も居る)
「これと、これと…あとこれと…」
【酒も頼んどけ。喉が渇いてしょうがない。】
「へいへい。」
ザリィが適当に料理を注文している間に思ったが…ジャックンはどうやって飲食を行うのだろうか?頭が箱なので口は無いし、目も無い。
もしかして上の方を開いてその中に?でもそれって収納だよな…
【ん?俺の箱に何か付いてるか?】
「いえ…どうやってご飯を食べるのかな…と思いまして。」
【俺は物をたまにしか食わない、水分だけで生きていけるが…飲食はここからするんだ。】
ジャックンは人間で言うと口がある部分を手でポリポリ掻くと、パカッと一部分が四角く取れた…中は見えないが穴のようになっている…アレが口?
少し恐ろしいけど…不思議だ…だってあの箱の中身は無限に広がる宇宙のようになっている…食べたらその中に吸収されるのか?それともそこから入れると胃に行くとか?
謎は尽きない。
「それにしても…大魔導師会を尋ねるなんてよっぽどの事だよな?」
「ええ、そうですね。かなり一大事です。」
【そうか…此処のは誰が支部長してんだっけな…】
「ビーミスは確かゲンナっていう人が支部長だった気がするけど。」
ベンガが言うにはこの街の大魔導師会支部の支部長は記憶が正しければゲンナという女性らしい…曰く、今代の大魔導師の娘で、若者。
「何の大魔導師の娘だ?美人なら…まぁ見に行ってやっても良いかな。」
「確か…還の大魔導師だった気がする。」
「還の大魔導師…ですか?」
「なんだ?知らないのか?」
大魔導師会は8人でそのうちの2人が影と光というのは知っているが…後は知らなかった…この際だから聞いておくことにした。
知らないなんて失礼過ぎるし、覚えておかなくてはいけない。
「大魔導師会には8人の大魔導師…それぞれが対になっているんだ。」
「対に?」
「そう!例えば…」
還の大魔導師と対になっているのは生の大魔導師、そして他には底の大魔導師と天の大魔導師、厄と対になるのは幸だ。
そして残る1つは…影と光…父さんの話が本当なら父さんと母さん…だ。
ちなみにこの中でリーダーを気取っているのは底の大魔導師とも聞いた。
(まるで大魔導師のバーゲンセールだな、言語崩壊しそう)
「と言った感じだが…旅人の話なんて聞くだろうか…」
「推薦状を貰ったので大丈夫です。」
【推薦状?お前等…一体何者なんだ?何処かの国の使いか?】
「いえ…ただの冒険者の双子です。」
【そうか…(コイツ等双子だったのか…)】
何回も言うが目的は父さんの呪いを解け、母である光の大魔導師を見つける事だ。
情報が聞けると良いが…大魔導師ってのは何処に居るんだ?支部があるって事はこの街には居ない?という事は…本部に居るのか?
だが自分が探しているのは1代前の光の大魔導師だ…見つかると良いが…
「まぁ良いや。飯でも食おうぜ、考え事をすると不味くなる。」
「そ、そうですね…」
話をしているうちに色々な食事が運ばれて来た…こんな量を見るのは初めてだ。
インは少し顔を顰めている…それは…味が濃い料理が多いからだ。
だがちゃんとサラダやスープ、パンなどは有るので大丈夫そうだ…匂いがちょっとキツイのだろう。
味は…濃い、凄く濃い…滅茶苦茶濃い…けど皆は美味しいと普通に食べている…コレが人間の好む本来の味なのだろうか…インが食べたら鼻血を出しそうだ。
・・・
「んじゃ、俺達はこれでお別れだな。また会おうぜ、縁があったら。」
「ありがとうございます。お達者で。」
【検討を祈る。】「じゃーねー!」
食事を済ませると、ザリィ達は忙しそうに次の目的地へと行ってしまった。
休まないのだろうか…それより、荷物はちゃんとジャックンから返してもらった…預かっていてくれた様だ…便利だなぁ。
「コォ…明日…行くんだよね?支部に…」
「そうだな。だから今日は早く寝ておけ。」
「もし…もしさ、何の情報も無かったら…どうするの?」
「俺は旅を続ける、インは戻った方が良い、危険だ。」
「そ、そう…かも…ね。」
情報があっても無くても一応はインを家に戻そうと思う…サーマさんが面倒を見てくれると言うし、安全だろう。
遂に明日…第一目標の大魔導師会支部に行くことになるのか…
緊張するな…ベンガの話によるとゲンナという人は美しい人らしい。
美しい人とはどんな人だろうか…パリング村の宿屋の人は…うん、滅茶苦茶綺麗だったなぁ…それに比べるとインって…やっぱり美しくない…かも。
(良いのか…?妹に対してそんな事を感じて…?)
つづく(短くてごめん)
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キャラクタープロフィール6
名前:ベンガ(オス) 身長:169㎝ 瞳の色:黄色 髪色:桃色
誕生日:2月5日 星座:カッコ座 血液型:AB 人種:化け猫(魔族)
好物:茹でササミ 趣味:日向ぼっこ 職業:賞金稼ぎ、ペット
二つ名:地獄の飼い猫 懸賞金:5300ドル 手配地域:裏世界
『ベンガはザリィ達の飼い猫兼サンドバッグである。ザリィ自身も認めたくないと思っているが一応仲間として認識されている。出会い、旅をする理由共に不明だが本人は楽天的に思っている模様。よく仲間から(1人を除いて)辛辣な言葉を掛けられたり、囮にされたりしている。』
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