【R18作品】コォとインの奇怪冒険譚

蛾脳シンコ

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第1部【明暗の大魔導師】編

第20話 聖職者が人道を反するとき

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俺の名前はコォ…敵と睨み合う冒険者だ!
現在の状況をザッと纏めると…夕方、敵、逃走不可…だ。
分かんなかった人は前回を見てくれ!それでも分からないなら1話から!それでも理解できなかったら謝る!
ともかく…コイツとの戦いは避けられなさそうだ。
相手は女性の聖職者だが、何か…不吉なオーラみたいな物を感じる。

「イワ、隠れていろ…そしてイン、戦う準備をしろ。」
【は、はいぃ!】「分かった…」

「侵入者め…死ね!!」
「来た!!」

相手の武器は自分と同じメイス!形も結構似ている!
奴はメイスをこちらへ振り下ろす!しかし、自分も自分の武器で防ぐと…カチャカチャと押し合いが始まった…な、なんて力だ…
それに…この人、よく見たら行方不明者の1人!コリンパイだ!

「アウラァ!!」
「は、弾いた!?マズい!!」
「死ねぇ!」

相手の力は半端では無く、自分のメイスを弾いてガードを破るとその隙に思いっきり振り上げる!マズイ!アレを喰らったらただでは済まない!
一撃で死ぬかもしれない!!

「火球ッ!ハァァ!!」
「あづぅッ!?お、おのれ…」
「良いぞ!イン!…今だッ!!」
「し、しま…うぐぃああ…」

だが、インがギリギリのところで相手の顔面へ火球を撃ち込むことによって難を逃れた…そして透かさず!相手のがら空きになった腹部へメイスの柄をめり込ませる!
コリンパイは口から吐瀉物を吐きながら後ろへ後ずさった…これでもダウンしないとは…幾分か前の奴等より強力なようだ。
(それでも彼女の顔面には醜い火傷が出来たが…)

「がはぁ!!ちくしょう……オラァ!!」
「な!?ヤァア!!」

コリンパイは後ずさった後、持っていたメイスを俺に向かって投げつけて来たが、間一髪でバジン!!と弾き返し、左の崖へ落ちて行った…
す、すごいな俺…今の弾き返せるなんて…我ながら偉いぞ!
これで相手の武器は無くなった!一気にこちらの優勢!…と言いたいが!

「ハァアアア!!」
「な、なんだ!?ま、眩しい!!」

相手は力むと、全身から眩い光を放つ!!な、なにをした…いや…これは!
光が晴れる頃には、コリンパイの全身は禍々しい魔力によって覆われ、肌は黒ずみ…もはや魔族のような姿へと変わっていた…
前に聞いた事がある…魔教の教えにある魔法の中には…全身の魔力を滾らせ、魔族のような姿になるが一時的に魔力がかなり増幅するという魔法があると…
だ、だけど…その代わり、体力を激しく消耗するとも…これが…そうなのか?
(ところで今日、何回魔って言うんだろう…しつこいよね)

「どうだ!!このみなぎるパワー…貴様等ゴミを一瞬で片付けてやる!!」
「性格や喋り方まで変わっている…」

【(だ、大丈夫…ウチはゴミに入ってない…)】
「3人共…山と共に散れッ!!」
【(入ってるぅう!!)】

相手は右腕に氷を纏わり付かせ、左腕にギラギラ光る電流を巻く…
電流と氷…何をする気だ…

「そぉれ!!貫かれろ!!」
「ツララが!(避けられない!受けるしか!!)ぐぅああ!!」
「はっはっは!深く刺さったな!冷たいトゲが!」

コリンパイは道腕をブンッ!と振り回すと、ペーパーナイフほどのツララが数本、こちらへ向かって飛んで来る!
避けられないと判断し、腕でガードしたが…いとも簡単にツララは腕と脚に刺さる!
そう言えば…昔、ツララが足に刺さって大怪我をしたことがあったな…いくら氷とは言え、尖った針!刺さるのは当たり前だ!

「コォ!この…くぅう…雹球!!」
「甘いわ!バレチトン!」
「わ、私の魔法が…」
「甘い甘い…魔法とは科学に近い…それを踏まえてみろ…」

インは奴に向かって雹球を撃ち込んだが、それが届く前に相手は電気魔法を唱えて雹球にぶつける!球はバッシィン!!と弾け、破片が辺りに飛び散る…
氷は急に熱すると爆発する…というのを何かで聞いた事がある!
痛い…破片が当たって痛いし…ツララも痛い!

「くっそー!!うぐぃいい…はぁ!!」
「ほう…抜くか…こうするとどうかな?」
「何を!?ぎぃいいい!?ぐあああああ!!」

腕に刺さった少し赤いツララを2本ほど、引き抜いた時…奴は刺さったツララへ電気を流し込む!!
全身が激痛と共にバチバチと音を立て!焼け焦げ…嫌な匂いが鼻を突く!
あっという間に自分は焦げ焦げの瀕死にされてしまった…お、驚いた…世の中にはこんなに実力差という物があったなんて…

「ははははは!!もう終わりか!どぉれ…最期ぐらい、直ぐに死なせ…」
「タニポ・インジャ!!」
「何を唱え…うぐぅああああああ!!??」
「…?あ、あれ…傷が…おわぁ!?」

インがタニポ・インジャを唱えたおかげで自分の傷は無くなり、軽い胸やけ程度に収まった…しかし!当の怪我を移されたコリンパイは…

「あぐあぁああ!?(魔法を解除しなければ…)」
「ひ、酷い…」

全身が焦げ、腕と脚に空いた穴からは血がビュービューと噴き出している…
まずい!このままでは死んでしまう…だが…あの傷は流石に治せない…どうすればいいんだ…もう見殺しにするしかないのか…

「よくも…よくも…やってくれたな!!このクソガキャァ!!」
「や、やめろ!近付くな!!」
「コォ!どいて!やっぱりトドメを!!」

全身がボロボロになっても…それでも奴はこちらへにじり寄る…まだ戦うのか…そこまで身が焦げ、骨が見えてしまうような肌でも。
何が彼女をそうさせるのか…分からない、分からない!
だが、相手は突如として横の茂みへ突っ込むと、中からイワを連れて出た。

「な、何をする気だ!イワを離せ!」
「私はただでは…死なんぞ…このクズを殺して一緒に死んでやる!!」
「聖職者として…本当に道を捨ててしまったのか…」
「ひゃはははは!そんなもの!人間が創り出したエゴ!幻想に過ぎない!!」
「………雹球!!」
「あが!?」

笑う奴の顔面へインは無慈悲にも雹球を撃ち込んだ。
そしてコリンパイが完全に怯んでいる隙にイワを引き離すと………もう、駄目だ。
俺は奴を崖へ突き飛ばした…

「うわぁああああああぁぁぁぁぁぁぁ………」

「はぁ…はぁ…い、イワ…怪我は無いか?」
【う、うん…】

突き落とされたコリンパイはそのまま落下して行き…
ドッパァァアン!!と地面へ打ち付けられた…下までかなりの高低差がある、水も植物と言った衝撃を和らげる物は無いので……死んだだろう。
殺した…もう自分は戻る事の出来ない道を歩んでしまったのだ。
直ぐに自分達は逃げるようにその場を後にした…
・・・

「はぁ…はぁ…はぁ…ちくしょう…あの侵入者め…よくも私をここまで…」

よくも私を谷底に突き落としてくれたな…頭を打ったせいで下半身が動かないじゃない…絶対に見つけ出してぶっ殺してやる!!

「………」
「!!ネ、ネストロ…助かった、手を貸してくれ…」

クソ…コイツ、いつの間に私の前に立ってたんだ…?だがそんな事より!
助かった…チカ様の元まで運んでもらおう…治療してもらわないと…

「あぁ…良いぞ。」
「あ、ありがとう…」
「だが…お前が死ぬ…という事に手を貸してやると言う意味だがな!!」
「な!?うぐぁぁああああ!!」

甘かった…一度ミスを犯した者にチャンスなど無かった。
ネストロは私の右手を踏みにじると、右手へ力を溜めた…はは…殺す気だ…
ちくしょう!!やっと!やっと…自分の居場所を見つけられた思ったのに!!
こんな最期があってたまるか!嫌だぁ!死にたくな

「邪魔者は消し去った……さて、アイツ等の後を追うか…」

・・・

「ふぁぁ~…眠い…」
「もう休むか?俺は今晩…寝れる気がしない…」
「そうする…(もう気にしなくて良いのに…)」

ちくしょう…殺してしまった…間接的にじゃない…直接殺したんだ。
なんだよこの胸のざわめき…罪悪感ってヤツなのか…胸が圧迫されるようで息苦しい…やべぇよ…俺、捕まっちゃうのかな…
殺したんだし当たり前だよな…いくら襲って来たと言っても、相手に必要以上に負傷を負わせた挙句に崖から突き落として殺害…地獄行きは免れないだろう。

「…イワ?キミは寝ないの?」
【ウチは良い…あの、コォ…さっきはありがとう…】
「助けた事?別に…当たり前の事だよ、気にしないで。」
【だけど、誰かに助けられたのって…初めてで…】

イワはずっと独りぼっちで暮らしていた…誰の助けも借りずに、そして借りられずに…それでも彼女は殺人をしていないと言った…俺って一体…

【食べないのに殺すのはダメだよ…意味無いよ…】
「そうだよな…今からでも戻って下に降りて…食べに行こうかな…」
【でも…でも!ああするしか無かったならしょうがないよ!】

情けねぇな…イワにでさえ慰められるなんて…でも…嬉しいや。
やっぱり連れて行きたいな…でも巻き込むのはダメだよな…やはり安全な場所に着いたら彼女は置いて行こう、それが良い。

【戦う時のコォ…カッコ良かったよ…】
「カッコイイ…かぁ…」

そんな事言われたこと無いな…とても凛々しくなった気分だ…カッコイイ人ってのはこういう気分なのか…
あと気のせいか…イワの距離感がおかしい気がする…近くない?
寒いんだったら上着を出すけど…

「……あー!!もう!信じらんない!」
「い、イン!どうかしたのか?」
「普通、私が寝てる横でイチャイチャするとかあり得ない!キモイ!」
「イチャイチャ?」
【スパイスが入ったお茶?】
「それはチャイ!!」

インは起きると、並んで座っている自分達へガミガミと怒り始めた。
こういうところは父さんに似てるけど…

「あのね!出会って1日でなんて早すぎるの!コォ、騙されてるよ!」
「だ、騙されてる?」
「コイツはコォの懐に入って何かするに違いないよ!」
【ウチ、そんな事しない、というかその手があったか…】

イン…やっぱりちょっと恋愛ものの本の読み過ぎだ…イワがそんな事をするわけ無いだろう…多分、おそらく…根拠は無いけど。
それでもイワはそんな事しないって信じている!

「やっぱり生かしておけない…火球で焼け焦がすしか…」
【や、やめて!コォ…助けて…】
「イン!止めろよ!何も燃やさなくたっていいだろ!」
「ひっどーい!私よりソイツを選ぶの!?」

選ぶって…そんなオーバーな…俺は誰を選ぶとかそんなんじゃない…

「もうコォなんて知らない!せいぜいソイツを守ってれば良いわ!」
「何言ってんだよ!インだって守るに決まってんだろ!」
「そ、そんな事言っても許さないから…ソイツは信用できない!もう寝る!」
「そうかい!おやすみ!」
「うん!おやすみ!」
【良い夢見てね。】
「余計なお世話!」

そう言ってインは不貞寝してしまった…妬いてるのだろうか?だとしたらなんか…そっちの方が…キモくない?
けどこんな事を言い返したら火球をぶち込まれるかもしれない。
黙っておこう…いのちだいじに…

「イワ、ちょっと頼んだ。用を足してくる。」
【よーたす?】
「トイレってこと。」
【なるほど…分かった分かった。】

なんで一々説明しないといけないのか…まぁ良い、さっさと出して来てしまおう。
排尿回数多くとも、野ションに勝るものは無いね。
人間は自然が一番、トレイなんて自然じゃない。

「ふぅ…出た出た…」
【ちゃんと水気を切らないと。】
「そうだね………うわぁ!?こ、此処で何してんの…」

な、なんだ…いつの間に自分の横に居たんだ?気配をちっとも感じなかった…
まるで蛇が這うように俺の横に立っていた。

【やっぱり男はそれ付いてる。】
「あ、ああ!や、やめ…握っちゃダメ…」
【ごめん…】
「デリケートなんだよ…それに…ばっちいから。」
【男ってばっちいの付けてるの?】
「…認めたくはないけどね。」

人のブツを簡単に触るとは…それにしても…なんだろうさっきの感触は…
気持ちが悪く、ゾクゾクと全身が震え立った…自分で触ってもああはならない。
やっぱり敏感な部分なのだろう…父さんのヤツとは形が違うけど。

「何しに来たんだ?インを1人にしちゃダメだよ。」
【ごめんって…ウチもおしっこしに来ただけ。】
「そうか…だったらもう行くから。」
【見ないの?】
「見ない!」

誰が悲しくて他人のおしっこを見なくてはいけないのだろうか。
昔に見飽きたよ…インの奴、寝る前に水を飲み過ぎるなって言ったのに…何回も深夜に起こして…ちょっとムカついて来たな。
後ろでジョロジョロ音がする中、自分はインの寝る場所まで戻った。
ちょっと薪が少なくなって来たな…そこら辺で拾うか。
明日には山から出られれば良いのだが…

つづく
・・・
魔族と人間の共存について
著者:シフィー教授(文明学者)

『まず最初に書くが人間と魔族の完璧なる共存は…かなり難しい。互いは互いを傷つけ合う理由をいつも探しているからだ。まず人間は高い知性を持っている、これを使って魔族と自分達をどうやって遠ざけるかを考えている。次に魔族…強い体を持っているが知恵遅れ。魔族らは人間に近付く方法をいつも考えている…こう言ったように互いは互いを尊重し合えることが出来ないのだ。一部の地域では魔族狩りが行われ、これは非常に重い問題として捉えられている…魔族間との戦争の引き金になる可能性が高いからだ。そうなればどちらも壊滅的な被害を被るに違いないだろう。もし魔族と人間の間で強い絆が生まれるその時は…3つ目の勢力が現れた時だろう。』

『互いの人権を尊重し合い、より良い社会を作りましょう。共存運動連合一同より』
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