【R18作品】コォとインの奇怪冒険譚

蛾脳シンコ

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第1部【明暗の大魔導師】編

第43話 強襲!魔影団幹部!

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俺の名前はコォ…色々あった冒険者だ。
自分達3人は遂に捜し求めていた1代前の光の大魔導師ルオッドを見つけ出した…しかし彼女は俺達の母親ではない。
自分達の母親は初代光の大魔導師であるエビィグと言う女性…彼女は永遠の命を手に入れる代わりに大魔導師会を追放され、ザモン古代牢へ囚われている。
彼女を…俺達は解放しに行く…それは他でもない…だ。

「イン、イワ…聞いてくれ…今から行う事は…国よりも力を持つ者への反逆行為だ…もしそれに加担すれば…俺だけじゃ無くてお前等も大罪人となる…降りるなら今のうちに…」

「コォ?言わないと分かんないワケ?」
【ウチ達は付いて行くよ、それが仲間だよ。】
「…すまない、本当に。」

と言う事で、俺達3人でザモンの谷へ向かう!!前にルオッドへお礼を言っておこう。
彼女は事実を教えてくれ、谷の位置も教えてくれた。
それに泊めてくれたし、ご飯もご馳走になったし、お弁当も貰っちゃった。

「申し訳ございません、ルオッドさん。」
「気にしないで、それが最期の食事にならないことを祈っておくから。」
「おばあちゃん、ありがとうね。」【ありがとね。】
「はいはい。私は大魔導師会の人が来ても知らんぷりしますからね。」
「そうしてください、私も貴女の事は話しません。」

そう言い残し、自分達はザモンの谷への道のりを歩み始めた…結構近いので今日中には着くだろう、お生憎の小雨だが、このくらいの雨ならどうって事ない。
防水の上着があってよかったぁ…これが上質な絹とかであったら勿体なくてびしょ濡れになるところだ。

「コォ、思ったんだけどさ…バレなかったら良いんじゃない?」
「は?なんだよ、急に…?」
「ほら、大魔導師会の事よ。もしママを出したのがバレたら敵だけど、バレなかったら大丈夫だよね?」

「うーん…簡単に言うけどな、きっとバレるぞ。」

俺が思うに、何か特殊な魔法が張り巡らせられていて、入った瞬間にバレる!感じがする…もしそうじゃ無かったらザル過ぎない?
しかし、インが言うようにバレなかったら最高だ。
敵対はしない、父さんは治る…全員笑顔のハッピーエンド!けど…本当にそうなるのだろうか。

「やっぱり……はぁ…嫌だなぁ、ガシラドウさんと敵対するの…」
「ズラッソやゲンナ様とも敵対するな…ズラッソとは友達になれたのに残念だ。」
【だれそれ。】

大魔導師会支部のゲンナとズラッソ、ついでにクネとも敵対はするだろう。
彼女等は全員、アチラ側なのだから…少し複雑な気分だ……いやいや!俺は…成し遂げるぞ!何が何でもやり切ってやる!
俺達は進んで行くことに…

【待ちな。】
「うん?何か用で…す…か……って、魔影団だな!」
「こんな所にも!この状況で来るなんて…」

声を掛けられ、振り返ると…そこに居たのは魔影団のローブを着た者が1人…敵だろう。
全く…ツイていない、今からだと言うべきなのに…
それとコイツは幹部だな、金の装飾が入っている。

「失せろ、俺達は今忙しいんだ。」
【黙れ!どいつもこいつも殺しやがって…よくもセンスターとメイトを…】
「センスターとメイト…?」

センスター…はアレだ!船で最初に挑んで来て死んだ奴だ!そしてメイトはサミーサ族に生首を狩られた刺客か…どうやら俺達が殺したと勘違いしているらしいな。

「あの2人を殺したのは俺達じゃねぇ。」
「そうよ、アイツ等が勝手に死んだのよ…私達は命までは奪ってない。」
【分かったらさっさと行って。】
【くっ…よくもそんな戯言を易々と……散れッ!!】

「!?危ない!!避けろ!!」

相手は両手へ禍々しいオーラを纏うと、両腕をこちらへ向け、黒い波動をこちらへ発射する!!
ズボァッと地面は抉れ、破片が辺りに飛び散る!
自分達は咄嗟に左右へ散って躱したが…もし直撃していたら一瞬でバラバラに吹き飛ばされていただろう…なんて奴だ…

「おい!何も急にする事ぁねぇだろ!話を聞けよ!」
「そ、そうよ!本当に殺したのは私達じゃないわ!(間接的にはなるのかな)」
【黙れ!運良く躱せたようだが!次はそうはいかんぞ!!】
「ええい!名を名乗れ!!言わねぇと書きにくい!」
【エグィだ…冥途の土産に知っとけやぁ!!】

そう言ってエグィは片手で先ほどと同じ黒い波動を俺側へ発射する!
身体を横に反って躱した、伸ばした肩の上を波動が過ぎ去り、奥の岩を引き飛ばす音が耳に入る…や、やばい…片手だと早すぎる…

「はぁ…はぁ…あ、危ない…」
【次は…もっと下を狙って撃とうか!!抉れろ!!】
「雷球!!」

次の波動砲が発射される前にインは雷球を放つ!しかし、相手も黒い魔球をぶつけ相殺する…インの雷球ですら相殺するとは…

【甘い!それが攻撃のつもりか!!今度は貴様等2人共…消し去ってくれる!!】
【うぉおおおお!!喰らえッ!】

相手が何か凄そうな魔力を溜め始めたのでこちらもスネレイズを溜めたのだが…
イワがその時、後ろから爪を立てて相手へ襲い掛かる!しかし!
いとも簡単に遠くへ蹴り飛ばされてしまい、そのまま伸びてしまった……イワ…しかし!こちらもスネレイズを準備していた!

【手間を取らせやがって……ッ!?がふ!!こ、これは…スネレイズ…】
「安心しな、急所は外したぜ。」
「ハァァアアア!!雷球!!」
【な!?ぐわぁああああ!!くは!お前等…】

スネレイズは相手の右腕を貫通して穴を空け、その隙にインが溜めた雷球が相手の全身を騒がしい閃光で包む!
悲しい事に、俺達は戦闘が上手くなっている気がする…
しかし、相手も幹部だ…あの雷球をマトモに喰らっておいてまだ立っている。
それどころか大きな火球を作り上げている!こ、こいつ!!

【俺の火球は貴様等ゴミ共を焼却するのには十分すぎるぞ!】
「おのれ!!大地ごと燃やす気か!!」
「くっ……火球!!」
【無駄だ!俺の火球に貴様如きの火球が敵うはずがないだろう!!】

インの火球は勢いは良かったものの、相手のにぶつかると吸収されるようにボフンッ!と消えた…しかもこれで大火球じゃ無いのだから恐ろしい。
マズいぞ…下手にエグィへ攻撃すると大変な事になりそうだ…だが!

【遺伝子すらも燃えて無くなれ!!ハァアアア!!】
「ちくしょう!!本当に飛ばしやがった!!ちくしょう!!」
「コォ!2人の火球で何とか押し返すかないわ!ありったけ強力な物を作って!」

インの言う通りに自分は下手くそなりにありったけの魔力を注ぎ、グラグラと溶岩のように燃え滾る火球を作り上げた…熱く無いのが不思議だ。
そして、インも強力な…自分のよりも暑苦しい火球を生み出す!
準備万端だ…これを!!喰らわせてやる!!

「「火球ッ!!」」
【な、なにが火球だ…そんなもの…増えただけのゴミだ…な、なにぃ!?】
「すごい!形を保って押し返そうとしている!イケるわ!!」
【な、なんのこれしき!!ちくしょうがぁああああ!!】

2人で放った火球は1つの大きな火球となり、相手とジリジリと押し合いを始める!
だがしかし、相手は本気を出したのか…声と一緒に魔力を振り絞り、火球を強力にしていく!!ま、まずい…あれだけ強力な物じゃ押し返される……そうだ!
アレを使えば…クソう!腕よ!燃えて無くなる勢いで頑張ってくれ!!

「ハァアアア!!イン!早く俺の後ろへ来い!!早くッ!!」
「わ、わかった…けど…何を…」
「この前編み出した新技だ!!魔熱波!!」
【火球を握り潰し…(あれは…テトモルトの技…!まさか…)】
「直接押し返してやるぅッ!!」

火球を握り潰し、炎を纏った右腕の手首を左腕で構えるように持ち…火球に向かって炎の波動を発射する魔熱波だ!!このまま魔法の力で押し返してやる!!
ブボァア!!と勢いよく放たれた炎の波は火球を直接押す!
(今日、何回火球って書くんだろう…)

「押し切れぇ!!」
【くっそーーっ!!お、押される…ウギャァアアアアッ!!?】

押し返された火球はブォオッとエグィの元まで飛んで行き彼を巻き込もうとする…しかし!直前で自分が熱波を操り、ギリギリで巻き込まない様にしたが…
それでも掠っただけであのザマだ…何という威力の技だろうか。
そのまま上へ飛んで行った2つの火球はやがて空で融合すると…そのまま大爆発を起こして消え去った…ふ、ふぅ…中々ハードな奴だったぜ。

「はぁ…はぁ…や、やったぜ…」
「あ、あれって…集落でやってた技…」
「まぁな…とりあえず、怪我は無いな?」
「うん。けどイワが…あとアイツも生きてる。」

とりあえず先にイワを治療して…まだ起きないな。
次にエグィを治療してやりたいが……これは酷いな…上半身の左半分が頭も含めて焼け焦げている…目も皮膚も元には戻らないだろうな…でも一応、出来るだけ治療しておこう。

【ぐぅう…はぁ!な、なにを…している…】
「動くな。邪魔になる。」

治療中、ある程度は回復出来たところでエグィは意識を取り戻した。
なんて奴だよ、この状況でも目を覚ますなんて…やはり魔族は頑丈だな。

【治療しているのか…や、止めろ!敵からの施しは受けん!殺せ!】
「喋るな、満足に喋れない状態だろう。」
【殺せ!がは!こ、殺せ!!俺を殺せよ!!】
「黙れよ!!お前の価値観で人に殺しをさせるんじゃねぇよ!!」
【ぐっ…】
「死にたかったら自分で死ね!俺は殺したくないだけだ!お前が何処で死のうと関係ないが俺は無意味な殺しだけはしない。」

そう言うと相手は黙った様にそのまま大人しく治療を受けた…皮膚や目は駄目であったが、それ以外は一応、立てるまでには回復した。
しばらくすれば歩けるようになるだろう。
後は死にたきゃ何処かに身投げでもしろ!…と言いたかったが、本当にしたら嫌なので心に留めておく。

「じゃあな。」

それを言い残し、イワを左肩に担ぐとインと共にザモンの谷を目指して歩き始めた。
もうこの場所には…用は無い。
・・・

【クソ…俺は…俺は何を…敵の施しを受けて…のうのうと生きているなんて…】
「そうだな、お前は生きるに相応しく無いな。」
【!?て、テトモルト…】

ちょいとばかし良い情報を耳に入れたので、ザモンの谷へ向かう途中によく見知った顔を見つけた…情けない奴だな、何があったと言うんだ。
まさか野良の魔物にでもやられたのか?

「情けないねぇ、俺の事をエグィさんがこのザマとは…」
【だ、黙れ…コォだ…コォとインが此処に居たんだ…】
「なに…コォが居るのか…」

ちくしょうアイツめ…まさかまた会う事になるとはな…
と言う事は、エグィのクソッタレはあの2人にやられたと言うワケか…アイツ等も強くなっている様だな…とりあえず!まずは事情聴取だ!
コイツには吐いてもらうぞ!ありったけの情報を!!

「何処だ!どっちに行ったんだコォは!!」
【い、一時間ほど前に…ザモン…谷の方だ…】
「ッチ…やっぱりアイツ等、古代牢の事を聞きつけやがったな…」
【頼む…手を貸してくれ…立ち上がろうとしても…身体がいてぇんだ…】
「断る。」

そう言って右手へ火球を作り出す…コイツは見飽きただろうが、俺のはシャレにならん威力だ…なにせ、コイツの5倍は強いんだからな。
あの日以来、無敗の俺を破ったアイツ等…特にコォが許せなかった…
これは俺の憎しみの炎だ!アイツにも!それ以外にも浴びせてやる!!

【や、やめろ!!俺を殺す気か!!頼む!仲間だろ!!】
「仲間?仲間ってのは力が強いのを良い事に他人を凌辱するのか?ハッキリ言うが、俺は強いぜ。お前がとイチャイチャしている間に貴様への憎しみも込めて鍛錬を積んでいたからな!!」

【魔影団を…う、裏切る気か…仲間殺しは3度までと言われただろう!】
「冥途の土産に教えてやるよ。俺はもう…魔影団なんてどうでも良いんだぜ。」
【なッ!?き、貴様…】

俺はもう魔影団や造魔影なんてものに興味は無い!個人でコォに恨みを晴らし!一族の屈辱を晴らす!それが今の俺だ!

【ま、待て!俺もお前の計画に協力する…だから…】
「そりゃいいな…実に丁度いい。」
【そ、そうだろう!!だ、だから!!】
「俺の今の計画は…貴様を殺す事だからな!!死ね!!」
【やめてくれぇええええ!!】



【おやめなさい。】
【「!?」】

奴の顔面へ火球をぶち込んでやろうとした瞬間、後ろから折るという勢いで右腕を掴まれた…振り返ってみれば…居たのは参謀長…

【エグィ、。身内で争いは駄目ですよ。】
【参謀長様…】
「さ、参謀長…何故ここに…」
【心配になって見に来ました。2人共…今のは聞かなかったことにするので争いを止めてください。】

「う、うるせぇ!!俺は!!」
【やめろ】
「ぐっ…」

参謀長の低い声は俺の背骨を冷たい手で掴むように恐怖心を煽る…
コイツは正体が分からない分、実力も不明だ…ボスの次に強いと言う事は分かっているが、自分との実力の差がどれほどかは分からない。
なので…しょうがねぇ、ここは勘弁してやるか。

「ッチ…命拾いしたな…」
【よくぞ耐えました。さて…エグィ、様態の方は?】
【す、すみません…こんなザマで立てません…】
【優秀な貴方をここまで追い込むとは…私も興味が湧いてきましたね…】

そう言いながら上級の回復魔法で参謀長はエグィの野郎を回復させやがった。
怪我が怪我なので濃く痕は残っているが、それでもピンと立っている。

「俺は行くぞ。コォ達を殺しに先回りしてるぞ。」
【了解しました。ボスとお父様には報告しておきましょう。病み上がりで出て行ったのを心配していたので終わったら顔を見せてあげてくださいね。】

「黙れ!さっさと何処かに消えろ!」
【そうさせてもらいます。エグィ、こちらへ。】
【はい………フッ…】
「ぐぅう…!!」

エグィは奴と転送魔法で消える寸前ににやりと笑ってこちらを見た…ちくしょう!
あの野郎は絶対にいつか殺してやる!男のくせに野郎に対して媚びを売るとは情けねぇ奴だ…今に見てろよ…
そしてコォ…先回りして貴様を待っててやろう…

「行先は…ザモン古代牢だ!!」

そう言って俺は転送魔法でその場から去り、誰もいなくなった地には風が吹いた。

つづく
・・・
キャラクタープロフィール
名前:キッカ(男?) 身長:173㎝ 目の色:茶色 髪色:こげ茶色
誕生日:5月18日 星座:チマキ座 血液型:0型(ゼロ) 人種:ダニーグ人
好物:チョコウエハース 趣味:料理 職業:野盗(まさに無職)
二つ名:藪目ヤブメ 懸賞金:6000ドル 手配地域:ダニーグ大陸全土

『キッカはよく居そうなタイプの野盗である。ザットルとは幼馴染であり、2人共特に何も考えずに過ごした結果、2人仲良く野盗へと落ちぶれた。とある事件を境に人を抱くのに異様なほど警戒するクセが付いてしまった。元弓兵であるが故に賞金稼ぎからは警戒されているが、金額の割にマイナーである。おそらく男。』
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