【R18作品】コォとインの奇怪冒険譚

蛾脳シンコ

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第1部【明暗の大魔導師】編

第42話 「元」光の大魔導師

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俺の名前はコォ…インとイワと共に宿で寝ている冒険者だ。
サミーサ族とは一悶着あったものの、何とか無事にコルスラ密林を抜ける事の出来た俺達はシーザ地方のクルト村までやって来た…しかし、まずは身体を休めようと一晩宿で過ごしてから光の大魔導師を探すことにしたのだが…
俺は寝ぼけたイワに腹部へ肘を入れられ、悶絶しながら起床する事となった。
ベッドじゃ無くて床で寝る布団だからだ…クソう…

「い、イワ!痛い!痛いから!肘を入れるの止めて!」
【んがっ…ご、ごめん…】
「うぅ…最悪の目覚めだぁ…」

昨日の激戦で負った怪我も完全に治っていないのでイワの情弱な肘でも大ダメージを受けてしまう…割と本気で死ぬかと思った…

「ううん…もうなにぃ…朝から…」
「イワに寝首を掻かれるところだったんだよ…」
「えぇ…なにそれ。」

寝起きで使いたくなかったが、腹部を回復させると、シャキッと気分が良くなった。
やっぱり回復魔法は偉大である、中級を教えてもらってよかった…
それはそうと…いよいよ今日は母親である一代前の光の大魔導師を探す…ようやく父さんの呪いを解除できるんだ…此処まで本当に長かった。

「おい、起きろ。今日はもう行くぞ。」
「えぇ…もうちょっとゆっくりしようよ…」
「ダメだ。忘れるなよ?父さんのこと。」
「そうだったそうだった…」

忘れていたのか…と言いたかったが、まぁ良いとして。
イワも起こすと身支度を済ませ、早朝から宿を出て村を見渡す。
此処はクルト村だ、規模は小さいが人はまぁまぁ居る…それに宿などの施設も多い。
さて…人探しとなれば聞くのが一番だが………しまったな、名前を聞いていない。
誰も光の大魔導師の名前を聞いていないのだ、極秘情報なので教えてくれないのも無理は無いが、少々探しにくくなってしまった。

「どうするの?誰に聞くの?」
「村の人を探すんだから村の人でしょ…木を探すのに木には聞かないが。」
【でもなんて?まさかそのまま聞く気。】
「うーん…それも問題だな…」

村の人へ「すいません、光の大魔導師を知りませんか?」なんて聞けるだろうか?
聞けるには聞けるが…隠居してるくらいなので身分は隠しているだろう。
なので村の人は誰も知らないと思う…それに変な事を聞いて怪しまれるかも。
とにかく、探し者は色々知ってそうな人へ聞くのが一番だ!

「とりま詰所にでも行くか。」
「それが良いね。」
【つめしょ?】
「人が一時的に寝泊まりとかする場所…まぁこの場合は衛兵の居るところを指すかな。」

こんな小さい村でも衛兵などは居るので彼らに聞くのが一番良いだろう。
人探しと言えば交番だ、ベタ中のベタ。

「すいません、ちょっと良いですか?」
【おう、なんだ?】

数分歩いて見つけた詰所の中の衛兵へ話しかけてみたが…意外とおっかなそうな人だな…声からして人間では無いない…しかし、声だけで決めるのは失礼だ。
気を取り直して俺は大魔導師の事を聞くことに…ちなみにインとイワは遠くの方でこちらを見ている…行くのがおっかないらしい。

「人を探してるんです。少し特殊な人で…」
【ああ、なんでも聞けや。】
「(よし…言うぞ…)大魔導師会の人なんですけど…」
【大魔導師会?…それって此処に住んでる人の事か?】
「はい、確かに住んでいるハズです。」

そう言っても…返ってきたのは【分からない】という返事であった。
衛兵の人でも知らないなんて…こうなったら村の人へ総当たりで聞くしか…

「どうかしたか?」
【衛兵長、実は…】
「(衛兵長?)」

とにかくここから去ろうとした時、奥から少し歳を取った感じの男がやって来た。
衛兵長らしい…衛兵の魔族は彼へ自分が大魔導師会の人を探していることを説明した。

「うーん…確か…」
「何か知ってるんですか!」
「確かルオッドさんがそうじゃ無かっただろうか…確か彼女は十数年前にこの村へサーバから来たと言っていたな…そして数か月前に彼女と話した時、手紙を持っていた…それには大魔導師会の印が押されていたのをよく覚えている…聞きはしなかったがな。」

「本当ですか!ありがとうございます!」

自分は衛兵長からルオッドという人の情報や住所を聞くと、直ぐに礼を言ってその場を後にした…やった!やったぞ!遂に見つけたんだ!
直ぐにイワとインの元へ戻ると、住所等が聞けたことを報告した。
意外と端っこの方に住んでいるが、家族も居らず、1人だとも。

「やった!遂に見つけたんだね!」
「ああ!早速行くぞ!」
【わーい!(一応喜んでおこ…)】

直ぐに自分達は村の端っこを目指して走り出す……いや、意外と距離があるな…やっぱり歩いて行くか…別にそんなに急がなくてもいいじゃないか。
まだ今日は始まったばかりなんだから……いや待て、何を俺は浮かれているんだ。
相手が自分達を歓迎してくれるかどうかなんてまだ分かっていないだろう…確か、ガシラドウは「自分以外の大魔導師は歓迎しません。」なんてことを言っていた気がする。
どうしよう…やっぱりちょっと心配になって来て…足取りが重くなるな…

「着いてしまった…」

しかし、いくら遅くとも進んでいることに変わりはない、遂に彼女の家の前まで着いてしまった…こ、この中に…居るのか…

「コォ、ノックしてよ。」
「えぇ!?お、俺が?なんで…い、インが…」
「嫌よ!私は…女だし!コォは男でしょ!」
「関係ないだろ!お前って奴はいつも…」

【………こんちわー!】
「「!?」」

どっちがノックするかの押し付け合いの最中さなか、じれったいと思ったのか、イワがノッカーを使ってコツコツとドアを鳴らす。
固まる俺達、静まる周り、ジッと待つイワ………しかし、数分しても誰も出てくることは無かった。
おかしいと思い、イワは再度3回ドアをノックしたが…誰も出ない。
なんだ?留守なのか?

「ルオッドさんの家に何か用?」
「うぉか!?び、びっくりした……えぇ、まぁ少し用がありまして。」
【此処の人、留守?】
「ええ。」

その時、自分達へ話しかけたのは近所の人と思われる女性。
曰く、今は留守にしている様だ…良かったような、良くない様な…

「いつ帰るか分かりませんかね?」
「それが分からなくてね…数日前から留守にしてるの。」
「そ、そんな…」

だったらしょうがないな…いや、しょうがなくない!どうすれば良いんだ!
居たら居たで緊張するが、居なかったら居ないで問題じゃないか!ちくしょう…
うぅっ…やべ、朝にトイレ行くの忘れてた…緊張がほぐれた事で尿意が急に来たな。
・・・

「イン、悪い。ちょっと便所探してくる!此処に居てくれ!」
【ウチも行く。】
「ちょ!えぇ…まったく…宿で済ませといてよね…」

全く…あの2人は…なんで私が此処で留守番しなきゃいけないわけ?
私はしばらく1人で取り残され…少し考え事をした…それは自分の母親がどんな人間であるかだ…性格は悪いだろうか、コォと似ているのだろうか、私とも。
私の髪色はパパともコォとも似ても似つかないクリーム色…この髪は母親から継いだ物だと思っている。

「あらお嬢ちゃん、私の家に何か用?」
「え?すいません…直ぐに退き……(私の家?)」
「どうかしたのかしら?」
「す、すいません…つかぬ事をお聞きしますが…ルオッドさん?」
「ええ、そうよ。もしかして私に用だったかしら?」

そ、そんな…じゃあこの人が…いや…でも!でも!!おかしいでしょ!
明らかにこの人はパパより年上だよ!って言うか下手したらパパのママぐらいあるよ!いや会った事は無いのだけれども!おばあちゃんじゃん!

「イン!すまんすまん…ちょっと出が悪くて…あれ、この人は?」
「コォ…あの…この人は…」
「うん?コォ…?イン?………!!あ、貴方は!!」

イワと共に戻って来たコォのすっとぼけた顔を見たルオッドは何か…怨霊でも見たかのような恐ろしいものを見る表情へと変わったが…直ぐに元の顔へ戻った。

「貴方達…も、もしかして…タブルスさんのお子さん?」
「うん、そうですけど……あ!もしかして…ルオッド…さん?」
「ええ、そうよ…私がルオッドよ…」
「そ、そうなんですね…ははは…(結構歳、行ってるんだなぁ…)」

しばらく私とコォは薄く笑っていたが……ルオッドに「とりあえず中へ」と言われて私達3人は彼女の家の中へと通された…中は…普通だ、普通の家っぽい。
けど、他人の家なので落ち着かないのは確かである。
テーブルへ座らせられ、自分達は温かいお茶を淹れてもらったのだけど…あんまり笑えるような空気で無いのは火を見るより明らかだった。

「それで…なぜ…私の元へ来たのかしら?」
「それが――」

コォはパパの事を話し、自分達がここまで探しに来たことも説明した。
それでこそ…小説にするなら無駄に40話ほど使ってしまいそうな程に。

「――と言うワケなんです。」
「うーん…そうなの…ね。…最初に言っておくわ、私は貴方達の母親では無いわ。」
「「え!?」」
【(驚いてる…ウチも…)えぇえ!?】

なんでイワ、アンタが一番驚いてんのよ…と言いたかったがそれを飲み込み。
大人しくルオッドの話を聞くことにした。

「タブルスさんは断片的にしか教えてくれなかったのね。貴方達の母親は1代前の光の大魔導師の私では無く…」

「だ、誰なの?」
「………初代光の大魔導師よ。」
「「…は?」」
【(みんな、は?ってなってる…)……はぁ?】

そりゃ、は?とも言いたくなるに決まっている!このおばさん頭おかしいんじゃないの?だって大魔導師会が作られたのは気が遠くなるほど昔!
初代、光の大魔導師が生きていたなら余裕で年齢は千単位!
人間の平均寿命を考えたらそんなのおかしくて笑え…ない、うん…笑えない。

「私が頭のイカれたポンチ野郎って思うかもしれないけど、本当の事なのよ。初代の光の大魔導師、エビィグは初代の一員でありながら大魔導師会を追放されたのよ。」

「つ、追放?なぜですか?何かしたんですか…」
「大魔導師会の掟である…魔法の悪用をしたの…」
「悪用?なにしたっての?人殺し?詐欺?」

しかし、彼女は首を縦に振らない…殺人でも詐欺でも窃盗でも何でもない。
魔法の中でも最悪中の最悪に入る禁句の魔法を使ったらしい…その名も今では語られない程に廃れた魔法…それは…

「永遠の命を手に入れる魔法…彼女は永遠の命と引き換えに追放されたの。」
「永遠の命…そうか!だから初代でも…でも…なぜ父さんは…」
「そしてタブルスは……いや…そ、それだけは言えない…何があってもこれだけは言ってはならないとタブルスから言われているの…ごめんなさい…」

なぜパパがその女と知り合い、自分達が生まれたのかは教えてくれなかったが…それでも自分の母親がヤバい人間だと言う事は分かった。
もしかしてパパは年上が好きなのかな…もしかしたらこの人も…いや、無いか。

「それと…私じゃ無理よ…強力な呪いは解けない…もう老いてるもの…」
「そ、そうですか…だったら…」
「エビィグは何処に居るの?彼女は生きてるんでしょ?」
「……彼女は…囚われている…古代の牢獄に…」

ルオッド曰く、エビィグはザモンの谷と言われる此処から結構近い場所の谷の底の底…ザモン古代牢に監禁されているらしい。
谷の底の古代密林には古代魔族を始めとした凶悪な魔物が多数うろつき、古代牢の中にも看守達が何年間もエビィグを見張っていると…そんな…

「誰も責めやしないわ。全てを忘れて…一から…」
「俺は行きますよ、そのザモンの谷とやらに。」
「コォ…」
「そんな!無茶よ!あそこに居るのは魔物の中でも上位よ!死にに行くようなものよ!」

「無茶でも何でも良い!此処まで来たんだ!俺は行くぞ!」
「じゃ、じゃあ私も…影魔法なら負けないもん。」
【ウチも成り行きだけど行くかな。」
「しょ、正気じゃない…」

正気じゃなくても、無茶でも良いじゃん…別に死ぬと決まったわけじゃない。
今回の旅では数え切れない程の苦難と戦闘があった…今更魔族が相手では片腹痛い。
それにいざと言う時は影魔法がある…そのくらい!私がベチョベチョにしてやる!

「けど!……はぁ…ダメね…タブルスさんに似ているわ、頑固なところが…」
「やっぱりそうですかね…」
「こうなった以上、私は止めない。行きたければ行きなさい。」
「はい!行かせてもらいます!…けど、何処ですか、谷って。」

いくら行くと言っても…場所を知らなければどうする事も出来ない。
ルオッドはコォの地図を貸りると、ペンで道のりなどを書いてくれた。
この距離なら半日で行ける…やばい、私ってドンドン旅に慣れて来てる…
悲しいなぁ…けど、貴重な体験だよね。

「今日は此処で休んで、明日行くと良いわ…はぁ…全く無茶を…」
「なんかすいません…」
「それにしても思わなかったわ…3つ子だったなんて。」
「いえ…イワは魔族でして…」
「ま、魔族!?まさか…エビィグは…」
「そうじゃなくてですね!!」

誤解を解くのに2分かかった私達であった…それはともかく!
まだ旅は終わっていない…次の目的地はザモンの谷のザモン古代牢。
果たして…無事に私達は旅を終えれるのだろうか…心配だよ。

つづく(雑でごめんなさい)
・・・
キャラクタープロフィール
名前:ザットル(男) 身長:189㎝ 瞳の色:黒 髪色:茶色
誕生日:2月14日 星座:カッコ座 血液型:B型 人種:ダニーグ人
好物:チョコケーキ 趣味:チョメチョメ 職業:盗賊(要するに無職)
二つ名:脱走兵 懸賞金:3500ドル 手配地域:ダニーグ大陸全土

『ザットルはカカオ山に住んでいた今は亡き盗賊である。とある所で兵士をしていたが賃金の低さにうんざりし、幼馴染のキッカと共に脱走、以後は野盗として暮らすことに。めっちゃ序盤に出たキャラクターでなんで今更?と言うかもしれないが、もう作者は書くことが無いのだ、許して。』
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