13 / 45
第3章 ロムズタウンへ潜む聖書篇
第13話 教会でのひと休み
しおりを挟む
私の名はミサキィ!!世界最強の力を持つ者なのだァァ!!
今日はァ!!少しィィィ!!語尾を変えてみたぞォォォォォォォ!!
お戯れはさておき…彫刻を破壊した私は教会へ戻り、聖書の行方を聞くことに。
「やぁミサキ!心配したよ!何日も姿を見せないから。」
「何日も?一体…どのくらい経ったの?私が最後に来てから…」
「えーっと…ちょうど10日だね。そんなに手強かった?」
「ウソでしょ…」
なんだよその浦島現象は…私はくだらないお遊びに10日も無駄にしたわけ?
はぁ…やる気無くすな…それはともかく、彫刻を破壊したことを私は告げた。
「凄いなぁ…あ、シスター呼んで来るよ。」
「ええ、頼んだわ。」
ギサキがシスターを呼びに行っている間…ボロッちい椅子に座って上を見上げた。
本当にこの教会はボロボロだ…上を見上げれば素晴らしい青空が一望できる。
こんなに素晴らしい物件、何処を探しても見つからないだろう。
(もちろん皮肉だ)
「やっほーミサキ!でかしたわ!流石は世界最強の女の子ね。」
「それほどでもあるわ。」
「此処に来たって事は…次の暗示でしょ?」
「ええ、聖書の暗示を持つ者は何処に居るわけ。」
私はシスターと話し合い、聖書の居場所を聞いた。
聖書の暗示を持つ者は強い悪気を放っているらしく、とても強いとのこと。
そして奴が居るのは…
「ロムズタウンね。あそこから気を感じるわ。」
「えぇー…ウソでしょ…最悪の街じゃない。」
「けど、ミサキ。仕事だからちゃんとやれよ。」
「なによ?ギサキってば少し強気じゃない?埋めるわよ?」
「止めておいた方が良いわ、ギサキは強いわよ。」
ギサキは強いと…シスターが直々に言うからには…かなり強いのだろう。
それはさておき、ロムズタウンはこの亡国でも屈指の治安の悪さを誇る街だ。
ここから少し遠い場所にあるが…マフィアと汚職にまみれた街と言えば良いだろう…とにかく犯罪率が高い事で有名である。
「それじゃ……うっ…」
「あらもう行くの?」
「行こうとしたんだけど………お腹が空いて…」
「そう言えばもう夕餉の時間ね。」
もう飛び立とうとした時…私はとんでもない空腹感に襲われた。
そう言えば…10日ぐらい絶食していたことになるんだよね…お腹が空くのも当然か。
「ミサキ、どうせならご飯、食べて行くと良いわ。」
「そうさせてもらうわ。」
「ふふ、じゃあ今日は腕によりをかけて作っちゃおうかな~」
「(またアレかぁ…毎日飽きるんだよなぁ…)」
私は奥に通され、夕食を共にする事となった。
教会の奥の部屋は…少しボロいが、ちゃんとした部屋だ…屋根もある、ベッドも。
うん?待てよ…食事するって事は…ギサキの顔が見れるのか?
あの仮面の下…少し……いや!かなり気になる!
「ジャンジャン作るからドンドン食べてね。」
「………え…」
「な、なにか?ミサキ、何か用?顔に何か付いてる?」
「ギ、ギサキって………女だったの…」
ギサキの仮面の下は…既視感のある顔だった……シスターに似ている!
すごく似ている!しかも女だったのか…
「失礼な!オレは女だよ!ま、まさか…男だと思ってたのか?」
「て、てっきりね…」
「無理も無いわ、ギサキは自分の正体を隠しているもの。」
ギサキとシスターは親子でこの教会で暮らしているらしい…
それにこの逆卍教団の信者はギサキただ1人とも教えてくれた…それ教団なの?
教団ってたくさん信者が居るから成り立つのでは?
この2人はよく分からないな本当に。
「さぁ出来たわよ、2人共、全部食べてね?」
「うっ…これって…ピラフ?」
「炒飯だよ。シスターの十八番…ほぼ毎日これ…」
「味は良いんだから。」
「あ、味は…?」
シスターが中央の大皿へ盛ったのは大量の炒飯だ…多すぎる。
だが…お腹は空いているのでありがたい。
シスターはフライパンを持ってキッチンに戻り、もっと作り始めた。
「ギサキはよく食べるからね…ミサキもそうでしょ?」
「まぁね。いつもは少なくしてるけど、良く食う方よ。」
味はまぁ…イケる、何と言うか…家で簡単に作った炒飯って感じだ。
具も卵とネギと蒲鉾だけだし。
・・・
「はぁ…食べた食べた…ご馳走様。」
「シスター、ごちそうさまでした。」
「ミサキ、今日は泊って行くと良いわ。」
「そうさせてもらうわ。もうこんなに暗いし。」
食事を終えて外を見てみれば…かなり暗くなっていた。
流石にこんな暗がりの中を飛べるほど自分は夜目がきかない。
少し気は引けるが…此処で一泊するかぁ…節約にもなるだろう。
「じゃあミサキ、真ん中と右端、左端、どっちがいい?」
「はぁ?真ん中?右?」
「ベッドよ、1つしか無いから。3人で寝るのよ。」
「えぇ!!こんな奴と寝たくないですよシスター!」
「失礼ね…」
それはこっちのセリフだ!と返したいが……他に布団も無いらしい。
もうこうなったら一旦、家に帰って寝た方が良いかもしれない。
そんなに遠くないから飛べないことは無いが…うーん…
「じゃあ、ミサキは右端ね。」
「やっぱりこうなるワケ…」
私はしょうがないと、この女達と寝ることにした。
何が悲しくて女2人と寝なくてはいけないのだろうか…初の同衾相手が同性って最悪かも…
「ミサキが隣で寝るなんて悪夢だよ…」
「じゃあなんで真ん中を選んだワケ?」
「オレはいつも、真ん中って決めてるんでね。」
しかしまぁ…寝る私も私だが…自分と一緒に寝るコイツ等もコイツ等だ。
だが、そんな事気にしないの?なんて言ったらバカにされるに決まっている。
『えぇ?ミサキってそんな事意識するの?キッモーイ!』と2人に嘲笑される図が簡単に想像できる…
少し癪だが…このまま寝るか…だけど誰かと寝るのって…少し懐かしい。
・・・
「ふぁ~…(割と爆睡した気がする…不覚ね)」
「ミサキ、顔を洗うんだったら外の水道を使えよ。」
「へいへい。」
久しぶりの快眠と言ったところか…きっと寝具が良かったからだ。
顔を洗いに外の水道へ行き、冷たい水で顔を洗い、うがいをするとキリッと目が覚めた。
そのまま部屋に戻ろうかと思ったのだが…ふと気になる物が…
教会の奥にはもう1部屋ある…生活する部屋とは違う…金属の扉の部屋が。
気になったので開けようとしたが…開かない、鍵が掛かっている。
「ミサキ?何をしているの?」
「うわぁぁあ!!ちょ、ちょっと気になっただけよ…」
「この部屋はダメよ。とーっても大切な部屋なの。」
「わ、悪かったわ…」
私に話しかけて来たシスターはとても恐ろしい顔をしていた…
昨日とは違う気迫を感じる…こ、怖い!この私が…恐怖を感じている!明確に!?こんな奴相手に…く、悔しい…
「朝食はパンとご飯…どっちがいい?」
「(その顔のまま聞いて来ないで…)遠慮しとくわ…」
「あらそう…もう行くのね。」
全身に冷や汗が溢れて止まらない…私は1コンマでも早く、この女の近くに居たくなくなったので…もう行くことにした…やはりこの女は警戒しておくべきだ。
それにしても…あの部屋は何だったのだろうか…
「ミサキ、もう行くんだな。頑張れよ。」
「言われなくてもね。最善は尽くさせてもらうわ。」
「行く前にコレ、渡しとくね。シスターが持っとけってさ。」
「何よコレ?拳銃?…古い物ね…」
ギサキが渡して来たのは中折れ式の単発式拳銃だ。
一体こんなもの何処で発掘したのだろうか?ソ連崩壊並みに古いよ。
私は拳銃を見回し…何となく銃口をギサキの方へ向けてみた。
「おいおい!!シャレにならないよ!止めてよ!」
「何よ?別に弾が入ってるワケじゃないでしょ?ホラ……あ。」
「あぎゃ!?」
私は弾丸が入っているなんて思わなくて、ギサキ向けて発砲してしまった。
ドギャン!!と音がして、ギサキは仰向けに倒れてしまった…弾丸は彼女の腹部に穴を開けて…いない。
「いったぁ~…何すんだよ!!」
「アンタ…中々強いのね…」
「もう!!これでも喰らえ!バカ!!」
「ちょ…!」
ギサキは私目掛けて、手の平を向けた…何となくマズいと察した私はとっさの判断で横へ躱すと、ギサキの手からは凄まじい衝撃波が放たれ、奥の岩を粉々に破壊した!
お、恐ろしい特技を持っている…まるでドラ○ンボールね…
そして…音を聞きつけたシスターがやって来たことにより、私達は説教を喰らった。
人に向かって無暗に拳銃や波動砲を撃たないこと…と。
ついでに説明も。
「ミサキ、それは魔法の銃よ。」
「これが?どの辺が魔法なワケ?」
「弾丸が尽きないの。威力は普通だけど…重宝すると思うわ。」
「ふーん…有難く使わせてもらうわ。それじゃ!」
私は銃を懐に仕舞うと、白鞘も携えてその場から勢いよく、飛び立った!
今日は天気が良いから気持ちが良い!ミサイルやガーゴイルが来ないことを祈るのみね…
【おいテメェ!!見つけたぞ!】
「ッチ…言ってる傍から…アンタはこの前のガーゴイルね?」
【この前はよくもやってくれたな!!】
「(やったのは私じゃないでしょ…)良いわ、相手してあげる。」
空を飛んでいると、やって来たのはこの前、バードストライクされたガーゴイル…逆恨みにも程があると言った感じだが…相手をしてあげよう。
銃の威力も試せるので丁度いい…
【くたばれ!!】
「炎系の魔法ね、ありきたりって感じ。」
ガーゴイルは火球を生み出し、私の方へ投げつけて来た!躱すのは造作も無い事だが…火球は私の近くでボンッ!爆発して、服と肌を焦がす!
このまま反撃しなければ、直ぐに丸焼きになってしまう!
そうはならんと、拳銃を抜いて奴へ照準を合わせ…
「(当たれ!!)」
【あうぉ!?コイツ…銃を…】
「あら、自慢の羽に穴が開いたわよ?」
【チクショウ…ぶっ殺す!!】
今度は爪を立てて、こちらへ襲い掛かって来た!しかし…拳銃を左手に持ち替え、右手で刀を抜いて、相手を直ぐに弾いた!
ギィィン!と音を立て、互いは一定の距離を開けて睨み合う…
【こんの…クッソアマがァァァァ!!】
「よっしゃ!!来い!!」
両の爪を鋭く立て、飛んできたガーゴイルの両手を刀で串刺しにして封じた!
そして空いた腹部へ弾丸を4発撃ちこむ!
【がはぁ!?は、腹が…あぁぁああ…】
「さながら撃墜ね…腕にステッカーでも張ろうかしら。」
ガーゴイルは気を失ってそのまま池へと落ちて行く。
そしてドボンと着水…その辺の魚が群がり始めた…生きたまま食われるよりかはマシかな…だけどアイツも今日死ぬとは思わなかっただろう。
少し可哀想だが…勝負を持ち掛けられたのなら、受けるのみ。
「ふぅ…さてと…急ぎましょうかね。」
私はそれを確認すると、少し遠い場所のロムズタウン目掛けてカッ飛んだ。
次の街では面倒くさい事に巻き込まれなければ良いが…期待はしないでおこう。
つづく
今日はァ!!少しィィィ!!語尾を変えてみたぞォォォォォォォ!!
お戯れはさておき…彫刻を破壊した私は教会へ戻り、聖書の行方を聞くことに。
「やぁミサキ!心配したよ!何日も姿を見せないから。」
「何日も?一体…どのくらい経ったの?私が最後に来てから…」
「えーっと…ちょうど10日だね。そんなに手強かった?」
「ウソでしょ…」
なんだよその浦島現象は…私はくだらないお遊びに10日も無駄にしたわけ?
はぁ…やる気無くすな…それはともかく、彫刻を破壊したことを私は告げた。
「凄いなぁ…あ、シスター呼んで来るよ。」
「ええ、頼んだわ。」
ギサキがシスターを呼びに行っている間…ボロッちい椅子に座って上を見上げた。
本当にこの教会はボロボロだ…上を見上げれば素晴らしい青空が一望できる。
こんなに素晴らしい物件、何処を探しても見つからないだろう。
(もちろん皮肉だ)
「やっほーミサキ!でかしたわ!流石は世界最強の女の子ね。」
「それほどでもあるわ。」
「此処に来たって事は…次の暗示でしょ?」
「ええ、聖書の暗示を持つ者は何処に居るわけ。」
私はシスターと話し合い、聖書の居場所を聞いた。
聖書の暗示を持つ者は強い悪気を放っているらしく、とても強いとのこと。
そして奴が居るのは…
「ロムズタウンね。あそこから気を感じるわ。」
「えぇー…ウソでしょ…最悪の街じゃない。」
「けど、ミサキ。仕事だからちゃんとやれよ。」
「なによ?ギサキってば少し強気じゃない?埋めるわよ?」
「止めておいた方が良いわ、ギサキは強いわよ。」
ギサキは強いと…シスターが直々に言うからには…かなり強いのだろう。
それはさておき、ロムズタウンはこの亡国でも屈指の治安の悪さを誇る街だ。
ここから少し遠い場所にあるが…マフィアと汚職にまみれた街と言えば良いだろう…とにかく犯罪率が高い事で有名である。
「それじゃ……うっ…」
「あらもう行くの?」
「行こうとしたんだけど………お腹が空いて…」
「そう言えばもう夕餉の時間ね。」
もう飛び立とうとした時…私はとんでもない空腹感に襲われた。
そう言えば…10日ぐらい絶食していたことになるんだよね…お腹が空くのも当然か。
「ミサキ、どうせならご飯、食べて行くと良いわ。」
「そうさせてもらうわ。」
「ふふ、じゃあ今日は腕によりをかけて作っちゃおうかな~」
「(またアレかぁ…毎日飽きるんだよなぁ…)」
私は奥に通され、夕食を共にする事となった。
教会の奥の部屋は…少しボロいが、ちゃんとした部屋だ…屋根もある、ベッドも。
うん?待てよ…食事するって事は…ギサキの顔が見れるのか?
あの仮面の下…少し……いや!かなり気になる!
「ジャンジャン作るからドンドン食べてね。」
「………え…」
「な、なにか?ミサキ、何か用?顔に何か付いてる?」
「ギ、ギサキって………女だったの…」
ギサキの仮面の下は…既視感のある顔だった……シスターに似ている!
すごく似ている!しかも女だったのか…
「失礼な!オレは女だよ!ま、まさか…男だと思ってたのか?」
「て、てっきりね…」
「無理も無いわ、ギサキは自分の正体を隠しているもの。」
ギサキとシスターは親子でこの教会で暮らしているらしい…
それにこの逆卍教団の信者はギサキただ1人とも教えてくれた…それ教団なの?
教団ってたくさん信者が居るから成り立つのでは?
この2人はよく分からないな本当に。
「さぁ出来たわよ、2人共、全部食べてね?」
「うっ…これって…ピラフ?」
「炒飯だよ。シスターの十八番…ほぼ毎日これ…」
「味は良いんだから。」
「あ、味は…?」
シスターが中央の大皿へ盛ったのは大量の炒飯だ…多すぎる。
だが…お腹は空いているのでありがたい。
シスターはフライパンを持ってキッチンに戻り、もっと作り始めた。
「ギサキはよく食べるからね…ミサキもそうでしょ?」
「まぁね。いつもは少なくしてるけど、良く食う方よ。」
味はまぁ…イケる、何と言うか…家で簡単に作った炒飯って感じだ。
具も卵とネギと蒲鉾だけだし。
・・・
「はぁ…食べた食べた…ご馳走様。」
「シスター、ごちそうさまでした。」
「ミサキ、今日は泊って行くと良いわ。」
「そうさせてもらうわ。もうこんなに暗いし。」
食事を終えて外を見てみれば…かなり暗くなっていた。
流石にこんな暗がりの中を飛べるほど自分は夜目がきかない。
少し気は引けるが…此処で一泊するかぁ…節約にもなるだろう。
「じゃあミサキ、真ん中と右端、左端、どっちがいい?」
「はぁ?真ん中?右?」
「ベッドよ、1つしか無いから。3人で寝るのよ。」
「えぇ!!こんな奴と寝たくないですよシスター!」
「失礼ね…」
それはこっちのセリフだ!と返したいが……他に布団も無いらしい。
もうこうなったら一旦、家に帰って寝た方が良いかもしれない。
そんなに遠くないから飛べないことは無いが…うーん…
「じゃあ、ミサキは右端ね。」
「やっぱりこうなるワケ…」
私はしょうがないと、この女達と寝ることにした。
何が悲しくて女2人と寝なくてはいけないのだろうか…初の同衾相手が同性って最悪かも…
「ミサキが隣で寝るなんて悪夢だよ…」
「じゃあなんで真ん中を選んだワケ?」
「オレはいつも、真ん中って決めてるんでね。」
しかしまぁ…寝る私も私だが…自分と一緒に寝るコイツ等もコイツ等だ。
だが、そんな事気にしないの?なんて言ったらバカにされるに決まっている。
『えぇ?ミサキってそんな事意識するの?キッモーイ!』と2人に嘲笑される図が簡単に想像できる…
少し癪だが…このまま寝るか…だけど誰かと寝るのって…少し懐かしい。
・・・
「ふぁ~…(割と爆睡した気がする…不覚ね)」
「ミサキ、顔を洗うんだったら外の水道を使えよ。」
「へいへい。」
久しぶりの快眠と言ったところか…きっと寝具が良かったからだ。
顔を洗いに外の水道へ行き、冷たい水で顔を洗い、うがいをするとキリッと目が覚めた。
そのまま部屋に戻ろうかと思ったのだが…ふと気になる物が…
教会の奥にはもう1部屋ある…生活する部屋とは違う…金属の扉の部屋が。
気になったので開けようとしたが…開かない、鍵が掛かっている。
「ミサキ?何をしているの?」
「うわぁぁあ!!ちょ、ちょっと気になっただけよ…」
「この部屋はダメよ。とーっても大切な部屋なの。」
「わ、悪かったわ…」
私に話しかけて来たシスターはとても恐ろしい顔をしていた…
昨日とは違う気迫を感じる…こ、怖い!この私が…恐怖を感じている!明確に!?こんな奴相手に…く、悔しい…
「朝食はパンとご飯…どっちがいい?」
「(その顔のまま聞いて来ないで…)遠慮しとくわ…」
「あらそう…もう行くのね。」
全身に冷や汗が溢れて止まらない…私は1コンマでも早く、この女の近くに居たくなくなったので…もう行くことにした…やはりこの女は警戒しておくべきだ。
それにしても…あの部屋は何だったのだろうか…
「ミサキ、もう行くんだな。頑張れよ。」
「言われなくてもね。最善は尽くさせてもらうわ。」
「行く前にコレ、渡しとくね。シスターが持っとけってさ。」
「何よコレ?拳銃?…古い物ね…」
ギサキが渡して来たのは中折れ式の単発式拳銃だ。
一体こんなもの何処で発掘したのだろうか?ソ連崩壊並みに古いよ。
私は拳銃を見回し…何となく銃口をギサキの方へ向けてみた。
「おいおい!!シャレにならないよ!止めてよ!」
「何よ?別に弾が入ってるワケじゃないでしょ?ホラ……あ。」
「あぎゃ!?」
私は弾丸が入っているなんて思わなくて、ギサキ向けて発砲してしまった。
ドギャン!!と音がして、ギサキは仰向けに倒れてしまった…弾丸は彼女の腹部に穴を開けて…いない。
「いったぁ~…何すんだよ!!」
「アンタ…中々強いのね…」
「もう!!これでも喰らえ!バカ!!」
「ちょ…!」
ギサキは私目掛けて、手の平を向けた…何となくマズいと察した私はとっさの判断で横へ躱すと、ギサキの手からは凄まじい衝撃波が放たれ、奥の岩を粉々に破壊した!
お、恐ろしい特技を持っている…まるでドラ○ンボールね…
そして…音を聞きつけたシスターがやって来たことにより、私達は説教を喰らった。
人に向かって無暗に拳銃や波動砲を撃たないこと…と。
ついでに説明も。
「ミサキ、それは魔法の銃よ。」
「これが?どの辺が魔法なワケ?」
「弾丸が尽きないの。威力は普通だけど…重宝すると思うわ。」
「ふーん…有難く使わせてもらうわ。それじゃ!」
私は銃を懐に仕舞うと、白鞘も携えてその場から勢いよく、飛び立った!
今日は天気が良いから気持ちが良い!ミサイルやガーゴイルが来ないことを祈るのみね…
【おいテメェ!!見つけたぞ!】
「ッチ…言ってる傍から…アンタはこの前のガーゴイルね?」
【この前はよくもやってくれたな!!】
「(やったのは私じゃないでしょ…)良いわ、相手してあげる。」
空を飛んでいると、やって来たのはこの前、バードストライクされたガーゴイル…逆恨みにも程があると言った感じだが…相手をしてあげよう。
銃の威力も試せるので丁度いい…
【くたばれ!!】
「炎系の魔法ね、ありきたりって感じ。」
ガーゴイルは火球を生み出し、私の方へ投げつけて来た!躱すのは造作も無い事だが…火球は私の近くでボンッ!爆発して、服と肌を焦がす!
このまま反撃しなければ、直ぐに丸焼きになってしまう!
そうはならんと、拳銃を抜いて奴へ照準を合わせ…
「(当たれ!!)」
【あうぉ!?コイツ…銃を…】
「あら、自慢の羽に穴が開いたわよ?」
【チクショウ…ぶっ殺す!!】
今度は爪を立てて、こちらへ襲い掛かって来た!しかし…拳銃を左手に持ち替え、右手で刀を抜いて、相手を直ぐに弾いた!
ギィィン!と音を立て、互いは一定の距離を開けて睨み合う…
【こんの…クッソアマがァァァァ!!】
「よっしゃ!!来い!!」
両の爪を鋭く立て、飛んできたガーゴイルの両手を刀で串刺しにして封じた!
そして空いた腹部へ弾丸を4発撃ちこむ!
【がはぁ!?は、腹が…あぁぁああ…】
「さながら撃墜ね…腕にステッカーでも張ろうかしら。」
ガーゴイルは気を失ってそのまま池へと落ちて行く。
そしてドボンと着水…その辺の魚が群がり始めた…生きたまま食われるよりかはマシかな…だけどアイツも今日死ぬとは思わなかっただろう。
少し可哀想だが…勝負を持ち掛けられたのなら、受けるのみ。
「ふぅ…さてと…急ぎましょうかね。」
私はそれを確認すると、少し遠い場所のロムズタウン目掛けてカッ飛んだ。
次の街では面倒くさい事に巻き込まれなければ良いが…期待はしないでおこう。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる