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第陸章 兎ヤ露ツ異の堕ショ李ウ都タ棲イ无は…人形篇
第37話 善悪虐殺伝ミサキ
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私の名はミサキ、世界最強の女の子だ。
現在、私とチゥワナはケイオスタワーのエレベーターに乗って最上階に居ると思われるトロイダの元を目指していた…しかし、エレベータは3階で止まってしまった。
まったく…乗り込んで来ようとしたらぶっ殺してやる。
「……?エレベーター…止まっちゃいましたね。」
「面倒くさい事になったわね…しょうがないわ、階段で行きましょう。」
エレベーターを降りると、私達は3階のエリアを見た…此処は…プールか?
3階は室内プールの様で室内には50メートルプールが有った…だが水はドロドロと緑で不気味だ…それに生臭い…なんだこれは、ヘドロか?
【ふふふ…よくぞ来たなミサキ…】
「!?だ、誰!何処に居るの!」
【水ン中だぜ!!ヒーッシャッシャ!!】
その瞬間、ヘドロのプールから飛び出したのは恐竜人間だ!!
生臭いヘドロをまき散らしながら私達の前へと立つ…コイツもトロイダの部下だろう。
(安物のホラー映画に出てきそう…)
【俺の名はネシィマリン!トロイダ6信仰の1人だ…この先は通さねぇぞ。】
「臭いわね…良いわ、やったげる。チゥワナ、端に行ってなさい。」
「頑張ってくださいね。ウチは応援してるので。」
【良い心掛けだな…それとそこの女!お前もぶっ殺す。】
「ヒィィ!!」
「安心しなさい、そんな事はさせないわ。」
ネシィマリンは【へへ!】と笑うとドボン!とプールの中へ入る!
大丈夫か…これ、入っても…いや、私は無事かもしれないけど…気持ち悪いのは嫌だなぁ。
だがそうしないと殺せない!私は白鞘とポーチ、銃を外すと「ぐぬぬ…」と悶えながら片足だけでも浸かってみた…ドロォ…と気色の悪い感触が生温かさと共に伝わる…うぇぇ…
【おっと!気を付けろよ!それは工場排水の27倍の毒素を含んでるぜ!】
「ウソでしょ…じゃあ何でアンタは平気なの!」
【俺様は強く丈夫なリザードマン!お前等人間とは頭と体の違いが違ぇんだよ!】
「わぁー!!止めろ!飛ばすな!」
奴は【それそれ!】と言いながらヘドロをバッチャバッチャと浴びせて来る!
くっそう…こうなったらどうにでもなれ!私は片足だけから一気に全身、プールの中へ入った!!意外と…気持ちが良いかも…ドロドロで温かい…だが深い、不快。
「おっぷ!おっぷ!チックショウ…掛かって来い!!」
【ギーッシャァ!!噛み千切ってやるぜ!!】
「(くそ…身体が重い…だがこのくらい!)うぉおお!!どりゃ!!」
【はっぐぉ!!】
プールの中は非常に動き回りにくい…だが!このくらいならイケる!お茶のPRでドーバー海峡を4往復した時に比べれば…どうって事ない!
私がサメのように泳いでくる奴目掛け、アッパー喰らわせた!
奴は放物線を描きながら打ち上げられ…そのままプールへドバァ!と着水した。
流石に威力には欠ける…
【中々やるな…正直侮ってたぜ…だが!水中では俺の方が早い!】
急に早漏宣言でもしたのかと思ったがそうでは無い!私はバシュンッ!と私の後ろへ泳いで回ると、ガッチリと腕ごと抱きしめた!!く…こんな奴に抱かれるなんて…
【どぉれ…このまま水中へ引きずり込んでやろう…】
「離せッ!!この…まずい!!ごぼぼぼ!!」
ちくしょう…息をしなくても良い体で良かった…もしそうじゃなかったら死んでいた…さて、コイツを離すとするか…
水中は暗く、何も見えないが…奴は私の真後ろに居る…まずはコイツを引き離す!!
ガッチリ掴まれているものの、全身に力を込めれば…このくらい!!
【なにぃ!?ひ、引き離しやがった!!】
「捕まえたわよ、クソトカゲ。」
【おのれ…】
今度はこっちが奴を捕まえた!!逃がさんと右手で奴の上顎を掴み、左手で肩を掴むと、そのまま横へひん曲げて!!首をへし折る!!…つもりだった…
しかし、バッギャ!と言って折れたのは…奴の上顎…
【がぁぁあああ!!お、俺の上顎がァ!!】
「悪い、返す。」
【居るかぁ!い、痛でぇ!!ぢくじょう…ぶっ殺して…ごぶぁ!!】
「もう何も言わなくて良いわ…痛いのは苦しいでしょう。」
私はゴタゴタと無駄事を喋くる奴の首を両手で持つと、そのまま力任せに握り潰した!首の骨はバギボキと折れ、首は握り潰したせいで取れてしまった。
だが「こんな物はいらん」と投げ捨てると、プールから這い出た…おえぇ、髪までドロドロ…
「ミサキ、ドロドロですけど…」
「服は良いわ…けど、それ以外はどうにもならないわね…」
「アッチの方にシャワールームがあるかと…プールがあるので。」
「じゃ、浴びて来るわ。」
プールが有るなら当然、シャワールームもある…私はシャワーを浴びてサッパリすると、稼働を再開させたエレベーターへ乗り込み、次の階へ向かった。
にしても…まさかトロイダ6信仰とやり合わなきゃ駄目なのだろうか…
負けはしないが一々ボロボロになったりするのが心底面倒くさい、例えるとするならば、ゴミ箱が遠い距離にあり、ゴミを投げても入らなくてわざわざ立って入れ直すって感じだ。
「5階ね…全15階だからマジで全員とやらせるつもりね。」
「ウチは死にたくないんで見てます。」
「それが良いわ。アンタに死なれるとこっちも困る。」
次に止まったのは5階…このフロアはジャングルのように鬱蒼と植物が茂っている……いや、これ本物ではない、よく見たらプラスチック製の観葉植物だ。
土と木だけが本物でそれ以外の葉っぱや茎、ツルは全て偽物。
『よく来やがりましたね…ネシィマリンの奴はしくじりましたか。』
「アンタがこのフロアの敵ね。無駄な御託は良いわ。」
『それが良いでございます。ちなみにオレの名はヴァジトウッズだ。』
私の前に姿を現したのは3メートル級の巨大なロボットだ。
2メートルはある下半身はスカートのようになっていて、胸の辺りに水晶のようなコアがあり、その中には本体と思わしき謎の線虫が浮いている。
手は細いが爪は鋭い…それにこんな生い茂っている場所でも何の干渉も無く動けている。
『死ねい!!』
「おうふぁッ!?あ、危ない…」
流石はロボット…上半身をグルンと回して爪を振るって来た…コイツ、ハイテクロボットのくせにビーム兵器とか使わないのか…ボディに金を使い過ぎたか…
しかし!そんな奴でも斬るのみ!金があれば良いって事では無い!大切なのはスペック!
「…!!き、斬れない!?」
『オレの身体は金剛合金製!化石によって創られたボディ!太古3億年の重みだ!』
「何言ってっか分かんないけど…剣は通じなさそうね。」
『物分かりが良くて助かるぞ!!さっさと散り散りになっちまいな!!』
白鞘を仕舞うと奴は凄まじい速さの斬撃ラッシュを放つ!ギリギリで躱しているが速い!服は斬り裂かれ、観葉植物はバラバラにされる…
金剛合金が何かは分からないが…刃物でダメなら己の拳で殴れば良い!!
斬れないなら打つ!!それが…
「この世の法則だァ!!」
『殴るなんてむぼ…!?ごぁあああ!!』
奴の攻撃の隙を見計らい!懐に忍び込むと右ストレートを突き込んだ!!
右手に鈍い痛みが走るが…気にせず殴り込んだッ!!3億年の重みとやらは少女の拳でベッキベキに凹んで奴は殴り飛ばされる!!
「た、大したことないわね…3億年なんて…私の拳に比べれば3分で砕けるわよ…」
『そんな…これはダイヤモンドの数千倍を誇る硬度だと言うのに…』
「金剛合金だかコンドームだか知らないけど!!ぶっ壊れちまいな!!」
『うわぁぁああ!!や、止めろォ!!』
仰向けに倒れた奴の胸のコアをもぎ取ると、ロボットの方は動かなくなってしまった…一方でコアの中の線虫は慌ただしく泳いでいる…なるほど…これも硬い。
だが!私の拳に勝てるかな!3億年以上の重みを喰らわしてやる!!
左手でコアを掴み、右手で何度も殴る!!めちゃくちゃ痛かったが、気にしない!!
始めはゴッ…ゴッ…と鈍い音が鳴っていたが…次第にピシッ!とヒビが入り…
「ハァッ!!」
『キューン…』
トドメに重めの一発をぶち込むと、水晶は2つに砕け、中から線虫と生温い液体が溢れ…線虫は死んだ。
一応、確認のために何度も踏みつけ…グチャグチャにしておいた。
これで確実に死んだだろう。
私はチゥワナを連れ、再稼働したエレベーターへ乗り込み次の階へと向かった…
「7階…と。何よ、さっきとは打って変わってまっさらね。」
「ケイオスタワーに常識を求めるのはどうかと思います。」
7階のフロアは先ほどの観葉植物ジャングルとは真逆の荒野と言うか砂漠だ。
フロアの全体が広いのはこの階を見ればよく分かる…なんたって家具も壁も無いのだから…あるのは砂丘と木片だけ…カラッカラに乾いているが、ちっとも熱く無いので頭がバグりそう。
チゥワナに「エレベーターに居ろ」と伝え、私は単身で砂丘の中へ足を踏み入れた…砂の上は歩きにくいから嫌いだ、サハラに行った時も死ぬほどムカついた。
「さっさと姿を現せッ!!こっちは忙しんじゃい!!」
【おいおい、そんなに急ぐ…なよ!!】
「出たわね。これまた気持ちの悪い奴が…」
【俺にキモイだなんて照れるぜ。】
砂の中から飛び出して来たのはトカゲと胎児を足して2で割ったような奴だ。
全身が醜い皮膚病に侵されているのか、ガサガサで血が滲んでいる。
大きさも小さい、私の腰ぐらいまでだ。
【俺の名はパブラヨーテ…トロイダ6信仰の1人だ…あの2人はしくじったか…】
「ええ、ちょっと悪いけどアッチの方を向いててくれない?」
【え?良いぞ、どのくらい向いてれば良いんだ。】
「そうね……うーん…一生。」
私はゆっくりと抜刀すると、後ろか奴を縦に斬り裂いた!!
ザバッシュッ!!と血を噴き出し、パブラヨーテはそのまま死亡…私の勝利。
もうこうなりゃ面倒くさい、無駄な御託を並べて戦うより、出合頭に斬ってしまおう。
うん、それが良い…今後の階もこの方針で行くか…
【9階に来たな我の名はカパタガワ!さっさと死ギャアァア!!】
「うるさいカッパだこと。」
「えぇ…早すぎますよ…」
【この先は通さないわよ。アタシはナスニオミングス、此処で死ッキャァ!?】
「本当に容赦ないですね…」
「じゃあ一々無駄な事をして戦えっての?」
【コノ先ハ通サン!私ノ名ハ、アリアス51!第48番惑星カラ…アクォス!!】
「ふぅ…これで6体全員、やったわね。」
「残るはトロイダただ1人だけです。」
・・・
まぁ、なんやかんやでトロイダ6信仰をブチ殺した私は最上階の15階へとやって来た。
この階は社長室…もちろん社長は…
「ワッタシでぇーす!!」
「やっぱりね…会いに来たわよ。トロイダ。」
「ふっふん♪ワタシも貴女に会いたかったわ!……ん?アンタは…」
「ようやく…会えましたね…」
チゥワナと共に夜景を一望できる社長室へ来ると私はトロイダとようやく対面した。
しかし、チゥワナの顔を見た奴は恐ろしい物でも見るかのような表情へと変わる…
「な、なぜお前が此処に…」
「ウチを追い出した罰は重いですよ…トロイダ…いいえ、ワタシ。」
「トロイダ、観念しなさい。こいつと融合するのよ。」
「バカなこと言わないで!コイツは!!」
トロイダが何かを言い終わる前にチゥワナは彼女へ突っ込み…眩い光で部屋は照らされた!!や、やったか!?もしかして私、なにもしないで終われる!
だと良いんだけど…上手く行ったのかしら…
あっという間に終わったな…なんだ今回はテンポもクソも無いじゃないか。
光が収まると…トロイダがそこに居た。
「……あぁ…感じる1つになったのを。」
「チゥワナ?上手く行った?」
「ミサキ、上手く行きましたよ。全てがね…」
「だったら私を元の世界に帰してくれる?」
「良いですよ。」
彼女が「ハァ!」と力むと、緑色の裂け目が生まれ…その中には十三番街が写し出されている…良かった何事も無く帰れそうだ…はぁ…疲れた…
「じゃあ一緒に行くわよ。」
「………どーっしよっかなぁ…」
「は?約束でしょ?一つになったら殺されるって。」
「ミサキ、ワタシは今…溢れるパワーを感じるの…それは何故か分かる?ワタシの中で善に対する抑止力が生まれたからよ。」
「…は?」
裂け目は消え失せ、トロイダは高笑いして今の自分を褒めちぎった…
何かヤバイ…コイツ…私を返す気はおろか…生かしておく気すら無いと思われる。
善に対する抑止力と言っていたな…確かチゥワナは抑止力と言っていた………!だが何に対するものとは言っていない!もしチゥワナが善に対する抑止力と言うのなら…
それはコイツに善行を行わせるのを阻ませるということだ!
「アンタ、裏切る気?」
「裏切る気なんて…ふふふ…ねぇミサキ、ワタシの部下にならない?」
「断る。私は捨て駒がお似合いよ。誰かにひれ伏すなんてごめんよ。」
「そう…だったら死ね。」
「!?」
その瞬間、タワー中が揺れ!!ビシィ!!とヒビが入る!!直ぐに窓ガラスを割り、飛んで外に出ると…ケイオスタワーはバラバラに崩れ去ってしまった。
奴め…一体どうやって…瞬間的に壊したんだ…
「ようミサキ、大変そうだな。」
「誰よ…こんな時にって……ア、アンタは…」
「忘れたなんて言わせねぇよ?」
私の横に並んで浮かんでいたのは…以前、トロイダと一緒に居たチサキと言う奴だった…そうか、コイツもトロイダとつるんでいたな…
何をしに来たんだと思ったのも束の間!チサキは私を殴り落とした!!
急な事だったので私は対応できずに地面へ強打する!!
「私がお前の敵だってこと…忘れてたの?」
「がっふ!な、なにを…」
「チサキ、ご苦労。いやぁ…参ったわね、ワタシともあろう者が一瞬でもアイツに乗っ取られるなんて…もう平気よ。」
トロイダは先ほどの怪しい感じとは違い、以前にヘラヘラ顔に戻っていた。
チゥワナは…いとも簡単に吸い取られてしまった様だ。
あのザコ…本当に役立たずだったな…
「チサキ、一応アンタの妹なのよ。手加減しなさいな。」
「無理言うな。それにこんなクズ、妹じゃねぇ。どうせ私の事なんて忘れてる。」
「な、何言って…私が妹って…え?」
「ほら見ろ。」
「やっぱり改造ってノーリスクとは言えないのね。」
コイツ等…何言ってやがる…私が妹だと?バカな事を…早く身体を動かしてコイツ等に反撃しないと…だが!そんな事したら…戻れるのだろうか…
トロイダを殺したら私は戻れないかもしれない…それだけは絶対に嫌だ!
何としてでも帰る!そして殺す!!
「おっと立つなよ。もっと食い込むことになるんだぞ?地面に。」
「けど…よく考えたら改造順で言えばミサキの方が姉よね?」
「もう良いだろ!さっさと殺すぞ!私じゃコイツに勝てん。」
「お前等…さっきから何言ってやがる!分かるように言え!!」
そう言うとトロイダは「ふっふん…」と笑い、チサキに私を持ち上げさせた。
片手で持ち上げられた私だが…さっきのお返しに一発顔面にぶち込むと、チサキは殴り飛ばされ、奥のビルを貫通してそのまま飛んで行ってしまった。
「ふふふ…ミサキ、貴女を元の世界に帰してあげる。けど約束して。」
「な、何をよ…」
「もうワタシ達の邪魔はしないって。」
「無理よ。どうせアンタは殺す。じゃないと仕事は終わらない。」
「暗示ね…んもう、気が付かなかったの?チゥワナもワタシなのよ?彼女を殺せば良かったじゃない。ちょっと待ってて…」
トロイダは緑の亀裂を生じさせると、そこからチゥワナを取り出した。
奴の話を聞いたところによると…コイツは私の考えた通り、善行に対する抑止力であり、トロイダの中へ入りこんで乗っ取る事を計画していたそうだ。
当の本人はこんなのがあるとマズいと思い、隔離していたらしい。
「へへへ…ど、どうも…」
「ハァァァッ!!」
「あっぎゃ!?あ、頭が…割れて…い、痛い…」
チゥワナ目掛け、私はチョップを叩き込むと、頭が割れて血がビュウビュウ噴き出して来た…トロイダ本体の頭も出血している。
「もっと続けて。意外としぶといわよ。」
「も、もう止めてください!すみません!許してください!!」
「黙れッ!!このド腐れ女!!」
「がぎゃ!!」
今度は回し蹴りを首の位置に思いっきりぶち込むと、チゥワナの首はバラバラに砕け散った…それを見た本体は「すごーい!」とパチパチ拍手をした。
懐から紙を取り出し…見てみれば…色は付いた…六芒星の一角、人形に部分に薄く紫色が付いた…よし、これにて祭事道具の暗示、全て回収完了。
「さぁ、もうお帰り。」
「………まだよ。」
「もう…今度はなに?ワタシの部下になりたいの?もうごめんよ。」
「違う。チサキが姉ってどういう事なの…」
「あぁそれね。簡単よ、そのまま…ミサキの姉がチサキなの。」
私に姉妹なんて居たのだろうか…だがコイツの言う事は妙に信憑性が高い。
「私は何者なの?一体誰なの?」
「貴女はミサキ、善とも悪とも着かずに全てを虐殺する者…それは多くの者に語り継がれているわ。」
「…」
「言うなれば…善悪虐殺伝ミサキ…って感じね。」
トロイダはそう言うと私の足元に亀裂を作って元の世界へと送り込んだ…
善悪虐殺伝ミサキ…悪くないわね、善も悪も無い…私はそれで良い強ければ良い。
そしてトロイダ…アイツは何時か必ず殺す、絶対に…ぶっ殺す。
地の果てでも追いかけてやる…絶対に!!
つづく(まだ最終回じゃないよ)
現在、私とチゥワナはケイオスタワーのエレベーターに乗って最上階に居ると思われるトロイダの元を目指していた…しかし、エレベータは3階で止まってしまった。
まったく…乗り込んで来ようとしたらぶっ殺してやる。
「……?エレベーター…止まっちゃいましたね。」
「面倒くさい事になったわね…しょうがないわ、階段で行きましょう。」
エレベーターを降りると、私達は3階のエリアを見た…此処は…プールか?
3階は室内プールの様で室内には50メートルプールが有った…だが水はドロドロと緑で不気味だ…それに生臭い…なんだこれは、ヘドロか?
【ふふふ…よくぞ来たなミサキ…】
「!?だ、誰!何処に居るの!」
【水ン中だぜ!!ヒーッシャッシャ!!】
その瞬間、ヘドロのプールから飛び出したのは恐竜人間だ!!
生臭いヘドロをまき散らしながら私達の前へと立つ…コイツもトロイダの部下だろう。
(安物のホラー映画に出てきそう…)
【俺の名はネシィマリン!トロイダ6信仰の1人だ…この先は通さねぇぞ。】
「臭いわね…良いわ、やったげる。チゥワナ、端に行ってなさい。」
「頑張ってくださいね。ウチは応援してるので。」
【良い心掛けだな…それとそこの女!お前もぶっ殺す。】
「ヒィィ!!」
「安心しなさい、そんな事はさせないわ。」
ネシィマリンは【へへ!】と笑うとドボン!とプールの中へ入る!
大丈夫か…これ、入っても…いや、私は無事かもしれないけど…気持ち悪いのは嫌だなぁ。
だがそうしないと殺せない!私は白鞘とポーチ、銃を外すと「ぐぬぬ…」と悶えながら片足だけでも浸かってみた…ドロォ…と気色の悪い感触が生温かさと共に伝わる…うぇぇ…
【おっと!気を付けろよ!それは工場排水の27倍の毒素を含んでるぜ!】
「ウソでしょ…じゃあ何でアンタは平気なの!」
【俺様は強く丈夫なリザードマン!お前等人間とは頭と体の違いが違ぇんだよ!】
「わぁー!!止めろ!飛ばすな!」
奴は【それそれ!】と言いながらヘドロをバッチャバッチャと浴びせて来る!
くっそう…こうなったらどうにでもなれ!私は片足だけから一気に全身、プールの中へ入った!!意外と…気持ちが良いかも…ドロドロで温かい…だが深い、不快。
「おっぷ!おっぷ!チックショウ…掛かって来い!!」
【ギーッシャァ!!噛み千切ってやるぜ!!】
「(くそ…身体が重い…だがこのくらい!)うぉおお!!どりゃ!!」
【はっぐぉ!!】
プールの中は非常に動き回りにくい…だが!このくらいならイケる!お茶のPRでドーバー海峡を4往復した時に比べれば…どうって事ない!
私がサメのように泳いでくる奴目掛け、アッパー喰らわせた!
奴は放物線を描きながら打ち上げられ…そのままプールへドバァ!と着水した。
流石に威力には欠ける…
【中々やるな…正直侮ってたぜ…だが!水中では俺の方が早い!】
急に早漏宣言でもしたのかと思ったがそうでは無い!私はバシュンッ!と私の後ろへ泳いで回ると、ガッチリと腕ごと抱きしめた!!く…こんな奴に抱かれるなんて…
【どぉれ…このまま水中へ引きずり込んでやろう…】
「離せッ!!この…まずい!!ごぼぼぼ!!」
ちくしょう…息をしなくても良い体で良かった…もしそうじゃなかったら死んでいた…さて、コイツを離すとするか…
水中は暗く、何も見えないが…奴は私の真後ろに居る…まずはコイツを引き離す!!
ガッチリ掴まれているものの、全身に力を込めれば…このくらい!!
【なにぃ!?ひ、引き離しやがった!!】
「捕まえたわよ、クソトカゲ。」
【おのれ…】
今度はこっちが奴を捕まえた!!逃がさんと右手で奴の上顎を掴み、左手で肩を掴むと、そのまま横へひん曲げて!!首をへし折る!!…つもりだった…
しかし、バッギャ!と言って折れたのは…奴の上顎…
【がぁぁあああ!!お、俺の上顎がァ!!】
「悪い、返す。」
【居るかぁ!い、痛でぇ!!ぢくじょう…ぶっ殺して…ごぶぁ!!】
「もう何も言わなくて良いわ…痛いのは苦しいでしょう。」
私はゴタゴタと無駄事を喋くる奴の首を両手で持つと、そのまま力任せに握り潰した!首の骨はバギボキと折れ、首は握り潰したせいで取れてしまった。
だが「こんな物はいらん」と投げ捨てると、プールから這い出た…おえぇ、髪までドロドロ…
「ミサキ、ドロドロですけど…」
「服は良いわ…けど、それ以外はどうにもならないわね…」
「アッチの方にシャワールームがあるかと…プールがあるので。」
「じゃ、浴びて来るわ。」
プールが有るなら当然、シャワールームもある…私はシャワーを浴びてサッパリすると、稼働を再開させたエレベーターへ乗り込み、次の階へ向かった。
にしても…まさかトロイダ6信仰とやり合わなきゃ駄目なのだろうか…
負けはしないが一々ボロボロになったりするのが心底面倒くさい、例えるとするならば、ゴミ箱が遠い距離にあり、ゴミを投げても入らなくてわざわざ立って入れ直すって感じだ。
「5階ね…全15階だからマジで全員とやらせるつもりね。」
「ウチは死にたくないんで見てます。」
「それが良いわ。アンタに死なれるとこっちも困る。」
次に止まったのは5階…このフロアはジャングルのように鬱蒼と植物が茂っている……いや、これ本物ではない、よく見たらプラスチック製の観葉植物だ。
土と木だけが本物でそれ以外の葉っぱや茎、ツルは全て偽物。
『よく来やがりましたね…ネシィマリンの奴はしくじりましたか。』
「アンタがこのフロアの敵ね。無駄な御託は良いわ。」
『それが良いでございます。ちなみにオレの名はヴァジトウッズだ。』
私の前に姿を現したのは3メートル級の巨大なロボットだ。
2メートルはある下半身はスカートのようになっていて、胸の辺りに水晶のようなコアがあり、その中には本体と思わしき謎の線虫が浮いている。
手は細いが爪は鋭い…それにこんな生い茂っている場所でも何の干渉も無く動けている。
『死ねい!!』
「おうふぁッ!?あ、危ない…」
流石はロボット…上半身をグルンと回して爪を振るって来た…コイツ、ハイテクロボットのくせにビーム兵器とか使わないのか…ボディに金を使い過ぎたか…
しかし!そんな奴でも斬るのみ!金があれば良いって事では無い!大切なのはスペック!
「…!!き、斬れない!?」
『オレの身体は金剛合金製!化石によって創られたボディ!太古3億年の重みだ!』
「何言ってっか分かんないけど…剣は通じなさそうね。」
『物分かりが良くて助かるぞ!!さっさと散り散りになっちまいな!!』
白鞘を仕舞うと奴は凄まじい速さの斬撃ラッシュを放つ!ギリギリで躱しているが速い!服は斬り裂かれ、観葉植物はバラバラにされる…
金剛合金が何かは分からないが…刃物でダメなら己の拳で殴れば良い!!
斬れないなら打つ!!それが…
「この世の法則だァ!!」
『殴るなんてむぼ…!?ごぁあああ!!』
奴の攻撃の隙を見計らい!懐に忍び込むと右ストレートを突き込んだ!!
右手に鈍い痛みが走るが…気にせず殴り込んだッ!!3億年の重みとやらは少女の拳でベッキベキに凹んで奴は殴り飛ばされる!!
「た、大したことないわね…3億年なんて…私の拳に比べれば3分で砕けるわよ…」
『そんな…これはダイヤモンドの数千倍を誇る硬度だと言うのに…』
「金剛合金だかコンドームだか知らないけど!!ぶっ壊れちまいな!!」
『うわぁぁああ!!や、止めろォ!!』
仰向けに倒れた奴の胸のコアをもぎ取ると、ロボットの方は動かなくなってしまった…一方でコアの中の線虫は慌ただしく泳いでいる…なるほど…これも硬い。
だが!私の拳に勝てるかな!3億年以上の重みを喰らわしてやる!!
左手でコアを掴み、右手で何度も殴る!!めちゃくちゃ痛かったが、気にしない!!
始めはゴッ…ゴッ…と鈍い音が鳴っていたが…次第にピシッ!とヒビが入り…
「ハァッ!!」
『キューン…』
トドメに重めの一発をぶち込むと、水晶は2つに砕け、中から線虫と生温い液体が溢れ…線虫は死んだ。
一応、確認のために何度も踏みつけ…グチャグチャにしておいた。
これで確実に死んだだろう。
私はチゥワナを連れ、再稼働したエレベーターへ乗り込み次の階へと向かった…
「7階…と。何よ、さっきとは打って変わってまっさらね。」
「ケイオスタワーに常識を求めるのはどうかと思います。」
7階のフロアは先ほどの観葉植物ジャングルとは真逆の荒野と言うか砂漠だ。
フロアの全体が広いのはこの階を見ればよく分かる…なんたって家具も壁も無いのだから…あるのは砂丘と木片だけ…カラッカラに乾いているが、ちっとも熱く無いので頭がバグりそう。
チゥワナに「エレベーターに居ろ」と伝え、私は単身で砂丘の中へ足を踏み入れた…砂の上は歩きにくいから嫌いだ、サハラに行った時も死ぬほどムカついた。
「さっさと姿を現せッ!!こっちは忙しんじゃい!!」
【おいおい、そんなに急ぐ…なよ!!】
「出たわね。これまた気持ちの悪い奴が…」
【俺にキモイだなんて照れるぜ。】
砂の中から飛び出して来たのはトカゲと胎児を足して2で割ったような奴だ。
全身が醜い皮膚病に侵されているのか、ガサガサで血が滲んでいる。
大きさも小さい、私の腰ぐらいまでだ。
【俺の名はパブラヨーテ…トロイダ6信仰の1人だ…あの2人はしくじったか…】
「ええ、ちょっと悪いけどアッチの方を向いててくれない?」
【え?良いぞ、どのくらい向いてれば良いんだ。】
「そうね……うーん…一生。」
私はゆっくりと抜刀すると、後ろか奴を縦に斬り裂いた!!
ザバッシュッ!!と血を噴き出し、パブラヨーテはそのまま死亡…私の勝利。
もうこうなりゃ面倒くさい、無駄な御託を並べて戦うより、出合頭に斬ってしまおう。
うん、それが良い…今後の階もこの方針で行くか…
【9階に来たな我の名はカパタガワ!さっさと死ギャアァア!!】
「うるさいカッパだこと。」
「えぇ…早すぎますよ…」
【この先は通さないわよ。アタシはナスニオミングス、此処で死ッキャァ!?】
「本当に容赦ないですね…」
「じゃあ一々無駄な事をして戦えっての?」
【コノ先ハ通サン!私ノ名ハ、アリアス51!第48番惑星カラ…アクォス!!】
「ふぅ…これで6体全員、やったわね。」
「残るはトロイダただ1人だけです。」
・・・
まぁ、なんやかんやでトロイダ6信仰をブチ殺した私は最上階の15階へとやって来た。
この階は社長室…もちろん社長は…
「ワッタシでぇーす!!」
「やっぱりね…会いに来たわよ。トロイダ。」
「ふっふん♪ワタシも貴女に会いたかったわ!……ん?アンタは…」
「ようやく…会えましたね…」
チゥワナと共に夜景を一望できる社長室へ来ると私はトロイダとようやく対面した。
しかし、チゥワナの顔を見た奴は恐ろしい物でも見るかのような表情へと変わる…
「な、なぜお前が此処に…」
「ウチを追い出した罰は重いですよ…トロイダ…いいえ、ワタシ。」
「トロイダ、観念しなさい。こいつと融合するのよ。」
「バカなこと言わないで!コイツは!!」
トロイダが何かを言い終わる前にチゥワナは彼女へ突っ込み…眩い光で部屋は照らされた!!や、やったか!?もしかして私、なにもしないで終われる!
だと良いんだけど…上手く行ったのかしら…
あっという間に終わったな…なんだ今回はテンポもクソも無いじゃないか。
光が収まると…トロイダがそこに居た。
「……あぁ…感じる1つになったのを。」
「チゥワナ?上手く行った?」
「ミサキ、上手く行きましたよ。全てがね…」
「だったら私を元の世界に帰してくれる?」
「良いですよ。」
彼女が「ハァ!」と力むと、緑色の裂け目が生まれ…その中には十三番街が写し出されている…良かった何事も無く帰れそうだ…はぁ…疲れた…
「じゃあ一緒に行くわよ。」
「………どーっしよっかなぁ…」
「は?約束でしょ?一つになったら殺されるって。」
「ミサキ、ワタシは今…溢れるパワーを感じるの…それは何故か分かる?ワタシの中で善に対する抑止力が生まれたからよ。」
「…は?」
裂け目は消え失せ、トロイダは高笑いして今の自分を褒めちぎった…
何かヤバイ…コイツ…私を返す気はおろか…生かしておく気すら無いと思われる。
善に対する抑止力と言っていたな…確かチゥワナは抑止力と言っていた………!だが何に対するものとは言っていない!もしチゥワナが善に対する抑止力と言うのなら…
それはコイツに善行を行わせるのを阻ませるということだ!
「アンタ、裏切る気?」
「裏切る気なんて…ふふふ…ねぇミサキ、ワタシの部下にならない?」
「断る。私は捨て駒がお似合いよ。誰かにひれ伏すなんてごめんよ。」
「そう…だったら死ね。」
「!?」
その瞬間、タワー中が揺れ!!ビシィ!!とヒビが入る!!直ぐに窓ガラスを割り、飛んで外に出ると…ケイオスタワーはバラバラに崩れ去ってしまった。
奴め…一体どうやって…瞬間的に壊したんだ…
「ようミサキ、大変そうだな。」
「誰よ…こんな時にって……ア、アンタは…」
「忘れたなんて言わせねぇよ?」
私の横に並んで浮かんでいたのは…以前、トロイダと一緒に居たチサキと言う奴だった…そうか、コイツもトロイダとつるんでいたな…
何をしに来たんだと思ったのも束の間!チサキは私を殴り落とした!!
急な事だったので私は対応できずに地面へ強打する!!
「私がお前の敵だってこと…忘れてたの?」
「がっふ!な、なにを…」
「チサキ、ご苦労。いやぁ…参ったわね、ワタシともあろう者が一瞬でもアイツに乗っ取られるなんて…もう平気よ。」
トロイダは先ほどの怪しい感じとは違い、以前にヘラヘラ顔に戻っていた。
チゥワナは…いとも簡単に吸い取られてしまった様だ。
あのザコ…本当に役立たずだったな…
「チサキ、一応アンタの妹なのよ。手加減しなさいな。」
「無理言うな。それにこんなクズ、妹じゃねぇ。どうせ私の事なんて忘れてる。」
「な、何言って…私が妹って…え?」
「ほら見ろ。」
「やっぱり改造ってノーリスクとは言えないのね。」
コイツ等…何言ってやがる…私が妹だと?バカな事を…早く身体を動かしてコイツ等に反撃しないと…だが!そんな事したら…戻れるのだろうか…
トロイダを殺したら私は戻れないかもしれない…それだけは絶対に嫌だ!
何としてでも帰る!そして殺す!!
「おっと立つなよ。もっと食い込むことになるんだぞ?地面に。」
「けど…よく考えたら改造順で言えばミサキの方が姉よね?」
「もう良いだろ!さっさと殺すぞ!私じゃコイツに勝てん。」
「お前等…さっきから何言ってやがる!分かるように言え!!」
そう言うとトロイダは「ふっふん…」と笑い、チサキに私を持ち上げさせた。
片手で持ち上げられた私だが…さっきのお返しに一発顔面にぶち込むと、チサキは殴り飛ばされ、奥のビルを貫通してそのまま飛んで行ってしまった。
「ふふふ…ミサキ、貴女を元の世界に帰してあげる。けど約束して。」
「な、何をよ…」
「もうワタシ達の邪魔はしないって。」
「無理よ。どうせアンタは殺す。じゃないと仕事は終わらない。」
「暗示ね…んもう、気が付かなかったの?チゥワナもワタシなのよ?彼女を殺せば良かったじゃない。ちょっと待ってて…」
トロイダは緑の亀裂を生じさせると、そこからチゥワナを取り出した。
奴の話を聞いたところによると…コイツは私の考えた通り、善行に対する抑止力であり、トロイダの中へ入りこんで乗っ取る事を計画していたそうだ。
当の本人はこんなのがあるとマズいと思い、隔離していたらしい。
「へへへ…ど、どうも…」
「ハァァァッ!!」
「あっぎゃ!?あ、頭が…割れて…い、痛い…」
チゥワナ目掛け、私はチョップを叩き込むと、頭が割れて血がビュウビュウ噴き出して来た…トロイダ本体の頭も出血している。
「もっと続けて。意外としぶといわよ。」
「も、もう止めてください!すみません!許してください!!」
「黙れッ!!このド腐れ女!!」
「がぎゃ!!」
今度は回し蹴りを首の位置に思いっきりぶち込むと、チゥワナの首はバラバラに砕け散った…それを見た本体は「すごーい!」とパチパチ拍手をした。
懐から紙を取り出し…見てみれば…色は付いた…六芒星の一角、人形に部分に薄く紫色が付いた…よし、これにて祭事道具の暗示、全て回収完了。
「さぁ、もうお帰り。」
「………まだよ。」
「もう…今度はなに?ワタシの部下になりたいの?もうごめんよ。」
「違う。チサキが姉ってどういう事なの…」
「あぁそれね。簡単よ、そのまま…ミサキの姉がチサキなの。」
私に姉妹なんて居たのだろうか…だがコイツの言う事は妙に信憑性が高い。
「私は何者なの?一体誰なの?」
「貴女はミサキ、善とも悪とも着かずに全てを虐殺する者…それは多くの者に語り継がれているわ。」
「…」
「言うなれば…善悪虐殺伝ミサキ…って感じね。」
トロイダはそう言うと私の足元に亀裂を作って元の世界へと送り込んだ…
善悪虐殺伝ミサキ…悪くないわね、善も悪も無い…私はそれで良い強ければ良い。
そしてトロイダ…アイツは何時か必ず殺す、絶対に…ぶっ殺す。
地の果てでも追いかけてやる…絶対に!!
つづく(まだ最終回じゃないよ)
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