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7.オーナメント
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2、3日して、小島が頼んでいるバイトの女の子から、声をかけられた。
「あの濱田さんなんですけど」
急いで会議室へ向かおうとしていた時だっただけに、俺は顔を強張らせてしまったのかもしれない。彼女は一瞬、怖がっているように見えた。怒ってるわけではないんだが、タイミングが悪かった。
「ああ、どうだった?」
「あ、す、すみません。あの、大学で会えました。元気そうでした」
「あ、そう。ありがとう」
俺はなんとか笑顔を作って、彼女にそう答えると、ノートパソコンを抱えて会議室へ向かう。今日は、本社から取締役が来ることもあり、小笠原とともに現状の報告と、今後の対策について話をしなければならなかった。少なからず、面倒な話になるのは目に見えていた。
彼女のおかげで、濱田くんが元気なのを知ることが出来たのはよかったけれど、だったら、彼はバイトを辞めてしまったのだろうか。一瞬、彼の泣き顔が頭に浮かぶ。
このまま答えもせずに、放っておいていいんだろうか。
「お、山本、伊崎さん、来てるぞ」
「ああ、すまん」
俺は小笠原の後を追い、会議室へと向かった。
会議は、予想通り時間がかかり、終わった頃には、フロアはほとんど残っている者はいなかった。
「伊崎さん、これから本社に戻るらしい」
「マジか」
俺と小笠原は、それぞれ自分の席に戻ると、メールのチェックや、提出されている書類に目を通し始める。
「なぁ、山本」
「ん?」
今日中に返信の必要そうなメールはなさそうだ。書類も明日でもいいだろう。パソコンに表示されてる時刻を見ると、もう百均の店は閉店している時間だ。濱田くんがいたとしても、確認することはできない。
「お前、最近、大丈夫か?」
小笠原がパソコンの画面を見ながら声をかけてきた。
「え? 大丈夫って、何が」
「いや、よくため息をついてるみたいだからさ。何か心配ごとでもあるなら、相談にのるぞ?」
傍に座っている遠藤なら、まだしも、まさか、小笠原にまで気にされるとは思ってもいなかった。そんなにも、ため息をしょっちゅうついていたのか、と改めて気づかされる。
「いや、大丈夫だ」
「本当か?」
くるっと椅子を回転させて、俺の方に身体を向ける小笠原。本気で心配してくれているのは、その表情でもわかる。さおりと静流を亡くした俺を、ずっと気にかけてくれていた当時を思い出す。あの頃は、何かというと飲みにいっては、互いに何も言わずに一緒に時間を過ごしたものだった。
「ああ。大丈夫だ」
俺は、安心させるように、微笑んでみせた。
これだけ、周囲が気に掛けるくらいに、ため息をつくのは、濱田くんのことを思っている時だけ。これはもう、俺自身も、彼のことを気になる存在であると思っているからではないか。
そう自覚したら、どうしても、彼に会わなくてはいけない、と思った。
「あの濱田さんなんですけど」
急いで会議室へ向かおうとしていた時だっただけに、俺は顔を強張らせてしまったのかもしれない。彼女は一瞬、怖がっているように見えた。怒ってるわけではないんだが、タイミングが悪かった。
「ああ、どうだった?」
「あ、す、すみません。あの、大学で会えました。元気そうでした」
「あ、そう。ありがとう」
俺はなんとか笑顔を作って、彼女にそう答えると、ノートパソコンを抱えて会議室へ向かう。今日は、本社から取締役が来ることもあり、小笠原とともに現状の報告と、今後の対策について話をしなければならなかった。少なからず、面倒な話になるのは目に見えていた。
彼女のおかげで、濱田くんが元気なのを知ることが出来たのはよかったけれど、だったら、彼はバイトを辞めてしまったのだろうか。一瞬、彼の泣き顔が頭に浮かぶ。
このまま答えもせずに、放っておいていいんだろうか。
「お、山本、伊崎さん、来てるぞ」
「ああ、すまん」
俺は小笠原の後を追い、会議室へと向かった。
会議は、予想通り時間がかかり、終わった頃には、フロアはほとんど残っている者はいなかった。
「伊崎さん、これから本社に戻るらしい」
「マジか」
俺と小笠原は、それぞれ自分の席に戻ると、メールのチェックや、提出されている書類に目を通し始める。
「なぁ、山本」
「ん?」
今日中に返信の必要そうなメールはなさそうだ。書類も明日でもいいだろう。パソコンに表示されてる時刻を見ると、もう百均の店は閉店している時間だ。濱田くんがいたとしても、確認することはできない。
「お前、最近、大丈夫か?」
小笠原がパソコンの画面を見ながら声をかけてきた。
「え? 大丈夫って、何が」
「いや、よくため息をついてるみたいだからさ。何か心配ごとでもあるなら、相談にのるぞ?」
傍に座っている遠藤なら、まだしも、まさか、小笠原にまで気にされるとは思ってもいなかった。そんなにも、ため息をしょっちゅうついていたのか、と改めて気づかされる。
「いや、大丈夫だ」
「本当か?」
くるっと椅子を回転させて、俺の方に身体を向ける小笠原。本気で心配してくれているのは、その表情でもわかる。さおりと静流を亡くした俺を、ずっと気にかけてくれていた当時を思い出す。あの頃は、何かというと飲みにいっては、互いに何も言わずに一緒に時間を過ごしたものだった。
「ああ。大丈夫だ」
俺は、安心させるように、微笑んでみせた。
これだけ、周囲が気に掛けるくらいに、ため息をつくのは、濱田くんのことを思っている時だけ。これはもう、俺自身も、彼のことを気になる存在であると思っているからではないか。
そう自覚したら、どうしても、彼に会わなくてはいけない、と思った。
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