100均で始まる恋もある

三森のらん

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9.酒のつまみ、再び

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 崇さんの家の玄関に入ってすぐ、レジ袋は三和土にカサリと落ちた。
 僕たちは玄関先だというのに、互いの身体を求め合った。
 噛みつくように唇を奪い、僅かな時間も惜しくて、服を脱がされていくのすらもどかしく感じる。意識は僕の舌を絡めとろうとする崇さんのそれにもってかれながら、肌を直に崇さんに触れられて、これから愛されることへの期待で身体が震えた。
 薄暗い玄関の冷え切った空気の中、白い息と、甘く喘ぐ声。ちゅくちゅくと淫らな水音。崇さんの大きな手に翻弄されながら、僕はただただ、快楽の海の中に溺れていく。

「あっ、あっ、んあっ……」
「ほら、声、抑えて……外に聞こえるかもしれない……っ」

 僕の目の前は冷たい玄関のドア。グチグチと前も弄られながら、後ろからガンガンと突き上げてくる。崇さんの熱い息と余裕の意地悪なセリフに、羞恥心が燃え上がる。無意識に中がキュンと締まる。僕は声を押さえようと右手で口元を隠す。

「んっ、んん」
「んっ……何、もしかして、テルくんっ、誰かに聞かれたい趣味でもあるの」

 僕の耳元で、そう囁く、意地悪な崇さん。ずんずんくる腰の激しい動きは止まらなくて、僕自身も夢中で腰を動かしてしまう。間断なく喘ぐ声も止めることができない。
 反論したくても、それすら、する余裕なんかない。
 押さえてた右手もすぐに離れ、両手でドアにしがみつく。だらしなく口が開いて、口の端から唾液が零れる。目の前が、チカチカしてきて、ドアに縋ってないと、自力でなんか立ってられない。これで四十代なんて、絶対、嘘だ。

「あんっ、はっ、崇っ、さっ……んんっ」
「んっ、んんっ、何」

 僕の腰をグイッと強く掴むから、僕は自然とお尻を突き出すように、背中を反らしてしまう。

「あっ、あっ、イ、イっちゃっ……イッ、ん、んあっ」

 崇さんのが、中をぐちゃぐちゃと突き上げる速度が上がっていく。互いの肉のぶつかる音が、玄関に響く。僕は怖いくらいの快感を逃がしたくて、何かを掴みたいのに、玄関ドアは冷たく拒絶する。

「フッ、いいよっ、イって」

 耳元でそう言い終わったと同時に、僕の襟足に崇さんが噛みついた。

「んっ、んっ、はっ、ああぁぁぁっ!」

 痛みの認識と熱を吐き出した快楽。僕の中が崇さんのモノから全てを搾り取ろうとでもするかのように締まっていく。それに反応したかのように、崇さんのラストスパートのような激しい腰の動きに、ただひたすら身体が揺さぶられ続ける。

「や、やだ、ダメぇ、と、止まってぇ……!」

 だけど、僕の声は崇さんには届かないのか、その動きは止まらない。

「クッ!」

 崇さんの微かな声が聞こえ、僕の中で崇さんのモノがビクビクと熱いものを放った。

「あああっ、中っ、熱い……」

 ギュウッと背中から崇さんに抱きしめられながら、僕は幸福感で胸の中もいっぱいになった。
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