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ACT3 ローマは一日にして成らず、そう言った先人まじすげー3
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今日のレッスンもハードだった。
ぐったり疲れたけど、嫌な疲れではなくて、きっと多分、人生に二度目ぐらい真剣に音楽やってる気がしてる。
『Breathless 息ができない
たとえ地球が止まっても この思いは消せない
大地が光を求めるように あなたを求める
Stranger 彷徨う思い
たとえ命がついえても この心は留まり
月が闇で輝くように あなたを照らす』
俺とあおいは、自社ビルのロビーでタクシーを待ちながら、さっきからどこかに電話をかけている大沢さんを尻目に、二人で【Breathless】を唄っていた。
レッスン終わりに、あのマーボさんが目を丸くして
「あたなたたちって・・・もしかして、すごく相性いいのかしらね?
今日が初めての音合わせとは思えないほど、絶妙なハーモニー・・・・
これならいけそうね、オーケストラでも!」
そう言っていたことは、案外当たっているのかもしれない。
「てっちゃん今音外した!」
「すまん知ってた・・・・w」
唄いやめて、そんな会話をしつつ、妙に近い場所であおいは満面の笑顔を俺に見せた。
「思った以上に、これは仕上がり早くなりそうだねw
デモオケはすぐ上げてくれるってマーボさん言ってたし、出来上がり楽しみだね!」
「この曲良い曲だよな~歌詞はあおいが作ったの?」
俺はそう聞きつつ、禁煙中でなんとなく口寂しくなるんで、ミンティアをポケットから出して、2粒口に放り込む。
「そうだよ!でもねぇ・・・いつも手直しされちゃう!
言葉にインパクトないんだってさww」
そう言いながらも、あおいはさしてそれを気に止めてる様子もなかった。
俺は思わず笑った。
「言葉にインパクトがないねwwなるほどww」
「そういえばさ、あたし、てっちゃんのバンドの曲、きぃちゃんに聞かせてもらったんだ」
「おお!まじかw」
「うんうん、てっちゃんてさ、なんか良い歌詞書くよね?」
「そうかな?」
「そうだよ!
ねぇ、てっちゃん・・・?」
「なんだよw」
「これからさ・・・色々、一緒に頑張ってこう?
あたし・・・・なんか、てっちゃんがいると、妙に安心しちゃうんだよね・・・」
あおいはそう言うと、少しうつむき加減になって、ぎゅっと俺のジャンパーの袖を掴んだ。
「なんだよそれwそれは人気アーティストの言葉じゃなくないか?
どしたのおまえ?w」
「・・・今夜はそんな気分なの!」
あおいはちょっとだけ拗ねたような表情になって、何故か俺の背中に自分の背中を押し付けて寄りかかってくる。
その時ちょうど、電話していた大沢さんが戻ってきた。
「Marin、タクシーきたよ!
明日は朝からファッション誌の表紙撮影だから、9時には迎えにいくんで起きててね!」
あおいは、ふぅっと大きく息を吐いて、俺の背中から自分の背中を離した。
「あーあ、行かなくちゃ・・・なんだかシンデレラな気分」
その言葉に俺は思わず笑った。
「はははwシンデレラとかww
あおい、案外乙女なのなww」
「なによぉ、あたしは元から乙女です!もぉ!」
そんなことを言いながら、あおいはにっこり笑って、ぴょんっと跳ねるように俺の前に立つと、そのまま大きく腕を伸ばして俺の首に抱き着いてくる。
俺は驚いて、目を丸くした。
「!?」
「てっちゃん、一緒に歌うのすっごく楽しかった・・・っ
次に会うの・・・楽しみにしてるねっ!
あたしもいっぱい練習しとくから、てっちゃんもサボっちゃダメだよ!」
抱きついてきたあおいの体を受け止めると、ふんわりと香って来る香水の匂い。
その香りが、妙に男の本能をくすぐる感じで、余計にどきっとしてしまう。
元からあおいはアーテぃストで、凡人にはない謎の引き寄せオーラを持ってるから、やたらめったらどきどきした。
先日、家に帰ったら何故かきなこがいた訳だが・・・
あの日、一緒に同じベッドで寝たのがあおいだったら・・・
多分、きっと、余計なことしてたな・・・とか、ついそんなことを考えた。
そんな男の本能的な部分をくすぐったあおいは、一度ぎゅーっと俺を抱きしめてから、またにっこり笑って体を離した。
「またね!」
「おおう」
大沢さんに促され、あおいは自動ドアに向かって早足で歩いていく。
俺はその背中を、なんとなく追いかけながら、やはり自動ドアを出た。
あおいを乗せたタクシーが、銀座の喧騒に消えていく。
駅に向かって歩きながら、俺はそのタクシーを見送った。
その時・・・
人通りの中に、やはり、俺と同じ方向を見ながら、スマホを構えて立ち尽くすサラリーマン風の男を見つけた。
あおいが乗ったタクシーを撮影してるようにも見える・・・
「なんだ、あいつ・・・?」
俺はそう思ったが、まぁいいか・・・と、駅に向かって歩き出した。
今日のレッスンもハードだった。
ぐったり疲れたけど、嫌な疲れではなくて、きっと多分、人生に二度目ぐらい真剣に音楽やってる気がしてる。
『Breathless 息ができない
たとえ地球が止まっても この思いは消せない
大地が光を求めるように あなたを求める
Stranger 彷徨う思い
たとえ命がついえても この心は留まり
月が闇で輝くように あなたを照らす』
俺とあおいは、自社ビルのロビーでタクシーを待ちながら、さっきからどこかに電話をかけている大沢さんを尻目に、二人で【Breathless】を唄っていた。
レッスン終わりに、あのマーボさんが目を丸くして
「あたなたたちって・・・もしかして、すごく相性いいのかしらね?
今日が初めての音合わせとは思えないほど、絶妙なハーモニー・・・・
これならいけそうね、オーケストラでも!」
そう言っていたことは、案外当たっているのかもしれない。
「てっちゃん今音外した!」
「すまん知ってた・・・・w」
唄いやめて、そんな会話をしつつ、妙に近い場所であおいは満面の笑顔を俺に見せた。
「思った以上に、これは仕上がり早くなりそうだねw
デモオケはすぐ上げてくれるってマーボさん言ってたし、出来上がり楽しみだね!」
「この曲良い曲だよな~歌詞はあおいが作ったの?」
俺はそう聞きつつ、禁煙中でなんとなく口寂しくなるんで、ミンティアをポケットから出して、2粒口に放り込む。
「そうだよ!でもねぇ・・・いつも手直しされちゃう!
言葉にインパクトないんだってさww」
そう言いながらも、あおいはさしてそれを気に止めてる様子もなかった。
俺は思わず笑った。
「言葉にインパクトがないねwwなるほどww」
「そういえばさ、あたし、てっちゃんのバンドの曲、きぃちゃんに聞かせてもらったんだ」
「おお!まじかw」
「うんうん、てっちゃんてさ、なんか良い歌詞書くよね?」
「そうかな?」
「そうだよ!
ねぇ、てっちゃん・・・?」
「なんだよw」
「これからさ・・・色々、一緒に頑張ってこう?
あたし・・・・なんか、てっちゃんがいると、妙に安心しちゃうんだよね・・・」
あおいはそう言うと、少しうつむき加減になって、ぎゅっと俺のジャンパーの袖を掴んだ。
「なんだよそれwそれは人気アーティストの言葉じゃなくないか?
どしたのおまえ?w」
「・・・今夜はそんな気分なの!」
あおいはちょっとだけ拗ねたような表情になって、何故か俺の背中に自分の背中を押し付けて寄りかかってくる。
その時ちょうど、電話していた大沢さんが戻ってきた。
「Marin、タクシーきたよ!
明日は朝からファッション誌の表紙撮影だから、9時には迎えにいくんで起きててね!」
あおいは、ふぅっと大きく息を吐いて、俺の背中から自分の背中を離した。
「あーあ、行かなくちゃ・・・なんだかシンデレラな気分」
その言葉に俺は思わず笑った。
「はははwシンデレラとかww
あおい、案外乙女なのなww」
「なによぉ、あたしは元から乙女です!もぉ!」
そんなことを言いながら、あおいはにっこり笑って、ぴょんっと跳ねるように俺の前に立つと、そのまま大きく腕を伸ばして俺の首に抱き着いてくる。
俺は驚いて、目を丸くした。
「!?」
「てっちゃん、一緒に歌うのすっごく楽しかった・・・っ
次に会うの・・・楽しみにしてるねっ!
あたしもいっぱい練習しとくから、てっちゃんもサボっちゃダメだよ!」
抱きついてきたあおいの体を受け止めると、ふんわりと香って来る香水の匂い。
その香りが、妙に男の本能をくすぐる感じで、余計にどきっとしてしまう。
元からあおいはアーテぃストで、凡人にはない謎の引き寄せオーラを持ってるから、やたらめったらどきどきした。
先日、家に帰ったら何故かきなこがいた訳だが・・・
あの日、一緒に同じベッドで寝たのがあおいだったら・・・
多分、きっと、余計なことしてたな・・・とか、ついそんなことを考えた。
そんな男の本能的な部分をくすぐったあおいは、一度ぎゅーっと俺を抱きしめてから、またにっこり笑って体を離した。
「またね!」
「おおう」
大沢さんに促され、あおいは自動ドアに向かって早足で歩いていく。
俺はその背中を、なんとなく追いかけながら、やはり自動ドアを出た。
あおいを乗せたタクシーが、銀座の喧騒に消えていく。
駅に向かって歩きながら、俺はそのタクシーを見送った。
その時・・・
人通りの中に、やはり、俺と同じ方向を見ながら、スマホを構えて立ち尽くすサラリーマン風の男を見つけた。
あおいが乗ったタクシーを撮影してるようにも見える・・・
「なんだ、あいつ・・・?」
俺はそう思ったが、まぁいいか・・・と、駅に向かって歩き出した。
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