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~序節~

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 鍵たる者よ、時は満ちた
 さぁ、行くがいい
 例え、それが愛する者であっても
 そなたは、その者の心臓を、朱(あか)き刃で貫くがいい
 それが、そなたの使命
 そなたが背負いし、そなたが役目

 やがて、紅蓮の炎は、地と天を焼き尽くし、全てを闇に変える
 その前に、そなたは、あの者の命を絶たねばならない
 
 鍵たる者よ・・・・
 今、時は満ちた
 真実の眼で見つめるがいい
 
 炎はやがて、静寂の地に還る
 静寂の地に還す標は、そなた自身

 さぁ、行くがいい
 そなたを導きし者が、真実の炎神であっても
 決して躊躇うなかれ


 鍵たる者よ・・・・・
 
 心根強き、美しき者よ・・・・・


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