βがコンプレックスな俺はなんとしてもΩになりたい

蟹江カルマ

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 サノユーはさらに奥へ指を押し込んだ。
 
「っ!!」
 
 俺よりは太さのあるサノユーの指が、根元まではいった。

「あともう一本、だね」

 そう言いながら、サノユーはゆっくりと抜き差しをする。
 押して、引いて、俺の反応を楽しんでいるかのようだ。

「あっ、ひあっ、うぐ、あ」

 中を二本指で擦り撫でられて、俺は顔を押さえて泣いた。
 こんな感覚は知らない。
 こんなの、ベータの身体が受け止められるような快感ではない。
 こわくてたまらない。
 
「かわいいね。もうちょっとがんばろうね」

 サノユーはあやすように言いながら、内側をしつこく擦っている。
 
「あ、ぁあ、むり、やだ」
「もう少しなんだけどな。どうしても薬指がはいらない。ねえ、息、ゆっくり吐いてみて?」

 そんなことを言われても、俺の肺はちっともこちらの言うことを聞いてくれない。
 まともに息さえできない。
 ひゅーひゅーと喉から変な音が鳴る。
 意識が薄暗くなってくる。
 
「もしかして、過呼吸になっちゃってる?」

 サノユーは手を止め、俺の顔を覗き込んだ。
  
「かは、ぁ、ほんと、に、むり……ぐす、も、やめ……」

 俺は本気で泣いていた。
 二本分の太さで圧迫されるだけで、息ができなくなっている。
 もう一本なんて、とてもじゃないが考えられない。 
   
「やめるの?」

 サノユーは優しく聞いた。
 俺は涙でべしょべしょになった顔で、おそるおそる頷いた。
 情けなかった。
 オメガになりたいのは本当なのに、身体がちっともついてこない。
 
「そうだね。中イキなんて初めてだもんね、こわいよね……わかった。今夜はここまでにしとこっか」

 サノユーは少し寂しそうに言って、指をそっと引き抜いた。
 
「んああっ!」

 いれるとき以上の快感が俺を殴りつけた。
 
「はあ、あ、っはあ」
 
 必死に息をする俺を、サノユーはじっと見つめている。
 
「そのかわり、マーキングさせて」

 サノユーは自分のものの先端を、俺の脚の間へ向けた。
 俺を一心に見つめたまま、茎をしごいている。
 手の中で大きなものが、どくんどくんと脈打っている。
 
「っは……」

 俺を犯す想像をしているのだろう。
 ぐちゃぐちゃになった俺のうしろに、まだかたくなったままの茎に、胸に、顔に、アルファの視線が絡みつく。
 
「あ……」

 ほとんど無意識だった。
 気づくと俺も自分の前を触り始めていた。
 だしたくて仕方がなかった。
 
「はあ、はっ……」
「見られて興奮しちゃってるんだ?」

 サノユーは笑った。
 指摘されると恥ずかしくなって、もっと気持ちよくなった。
 
「おっぱいも触ってごらん。オメガはオナニーのとき、するんだよ」

 まるで催眠にかかったようだった。
 言われるまま、俺は自分の胸にもう片方の手を伸ばした。
 どうせサノユーにはもう、いちばん恥ずかしいシーンは見られてしまっている。
 サノユーの視線の下で、俺は自分の乳首を触った。
 俺の脳みそはもうろうとしている。こうして視線にさらされていると、まるでサノユーに触られているみたいだ。
 覚えたての快感が、ずん、と俺の下肢に響いていく。
 
「あっ……」

 漏らすようにあっけなく、俺は果てた。
 まだ開いたままの後ろが、ひくんひくんと痙攣している。

「ふふ、おしりぴくぴくしてる。僕じゃなかったら、無理やり犯されちゃってるね」

 サノユーは息苦しそうに笑った。
 
「さすがに僕だって限界だもん。素直になっちゃった朝くん、ほんとたまんない」
 
 サノユーは自分のものの先端を、ぐいっと俺の孔へ押し当てた。
 
「っ!」
 
 まだはいるはずもない大きな大きな亀頭が、ほんの少しだけ、浅く俺の尻へめり込んだ。
 ちゃんといれられたわけでもないのに、内側がきゅんと切なく痺れる。
 サノユーは微笑んだ。
 
「今日はここまで。このまま、いかせて」
 
 俺を視姦しながら、サノユーは力強く手で自分の茎を擦る。
 それがもし、俺の腹の中にあったら。
 畏れと興奮とがまぜこぜになって、俺を混乱させる。
 
「くっ……」

 眉をきつく寄せて、サノユーは精をほとばしらせた。
 アルファの匂いのする白濁が、俺の尻に跳ね返った。 
 
「はー……」
 
 サノユーは長い息をつくと、俺の尻に垂れた体液を指にとった。
 その指をそっと中に押し込んでくる。
 
「んぁっ……」

 アルファの精を内側に塗りこまれている。
 初めて気持ちよさを知った場所で、ふたたび指が蠢いている。
 気持ちよくて、苦しくて、目に涙が浮かんだ。
 塗られた場所がじくじくしてたまらない。
 指を緩慢に動かしながら、サノユーは囁いた。
 
「覚えておいてね。ここは僕のだから」
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