βがコンプレックスな俺はなんとしてもΩになりたい

蟹江カルマ

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21 48時間チャレンジ※

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「あ、はあ、あ゛あああ」

 ベッドの上で、俺は四つん這いになって揺さぶられている。
 頭の中に疑問符がたくさん浮かんでいる。
 なんでこんなことになっているのかさえ、もうよくわからない。
 裸のまま飯を食った直後、サノユーはおっとりと微笑みながら俺を押し倒した。そこからはあれよあれよという間に、こうなっていた。
 
「もっともっと気持ちよくなろ。僕がいないとダメな子になろ」

 びん、びん、と胸の粒を弾かれる。電流が俺の頭をショートさせていく。
 
「朝くんさぁ、思ってたよりずっとちょろいから僕、すごく心配なんだよ」

 喘ぐのにも泣くのにも疲れているのに、サノユーは胸を弄るのも、中を突くのも絶対にやめない。

「朝くんはいやがるけど、お前がベータでよかった。そのちょろさじゃ、最初からオメガは無理でしょ。アルファに都合よすぎるもん」

 ぱん、ぱん、と肌のぶつかる音を立てながら、サノユーは俺の奥を突く。
 内側から無理やりかたくさせられた俺の前は、揺さぶられるたびに、びたびたと腹やマットレスを叩いている。
 
「ぁあ、あああ、ぐすっ、っく、ああ゛」
「泣かないで。僕はお前が好きなだけなんだよ? 全部、ぜーんぶお前のためなんだよ?」

 優しい声と裏腹に、サノユーはぐりぐりと奥を捏ねた。
 
「ひ、あああ」
「オメガになるためだったらなんだってするんだっけ、ふふ。がんばろうねぇ、回数が勝負だから」

 俺は何を始めてしまったんだろう。
 
 
 
 次に気づいたときは昼だった。
 もうろうとした状態で、昼飯を半開きの口に突っ込まれている。味もよくわからないが、たぶんチャーハンだ。
 
「あーん。ほら、おいしいね。このあともいっぱいするから、ちゃんと食べておこうね」

 むずかる子どもを諭すように、サノユーはスプーンを口元に持ってくる。

「むり……」
「オメガになるんでしょ? お前のためだよ」
「う……」
「はい、ごっくんして」

 やたらと言い方がエッチなのは、たぶんわざとだ。
 俺にはもう、抵抗する気力がない。雛鳥のように、俺はサノユーに身体を預けて、言われるまま食事をとった。
 食べ終わると、当然のように組み敷かれる。
 
「も゛……、やあ……」

 赤ん坊のように脚を開かされ、いいように貫かれている。

「ん? 嫌なの? やめる?」

 俺は必死に首を縦にふる。サノユーは薄く笑う。

「僕はいいけど、ほんとにいいの? しないとベータのままだよ?」
「あ……」
「協力するから、いっしょにがんばろ?」

 ぐずぐずと泣いて、鳴いて、夜になる。
 醒めたいのに醒めることができない、長い夢みたいだった。
 介護のような夕食のあとは、いつの間にか風呂に連行されていた。
 
「いっぱい腫れちゃったね」

 サノユーの泡だらけの指が、胸の先を這う。
 
「ふあ……」
 
 膝が笑って、立っていられなくなる。その腰を引きあげられ、尻の溝に猛ったものを擦りつけられる。
 
「んああ!!」

 泡の滑りを借りて、ずぷん、と大きなものが簡単にはいった。
 
「ほら、朝くんの大好きな鏡だよ。みてみて、恥ずかしい朝くんが映ってる」

 湯気でくもった鏡面にわざわざシャワーの湯をかけ、サノユーはささやいた。
 言われるまま、俺は鏡を見てしまった。

「っ……!」

 衝撃は忘れられない。
 鏡の中で、泡だらけにされた俺は呆けた顔をして、とろんと口を半開きにしていた。
 つん、と胸の粒と下半身の茎とが腫れて勃ちあがり、泡の中で悪目立ちしていた。サノユーの腰が波打つたび、真っ赤な茎は情けなく揺れた。
 肘と腰を掴まれ、なすすべなく貫かれている俺は、まるでおもちゃだった。

「ふふ、締まった」

 立ったままゆっくり中をしごいて、鏡の中のサノユーは笑っていた。
 
 
 
「はー……ぐす、はーっ……」

 もうどれぐらい時間が経ったかもわからなかった。
 カーテンを引いていない部屋を、月明りがやわらかく照らしている。
 ベッドの上で俺をあぐらの上に座らせ、サノユーはゆっくりと下から突き上げてくる。
 俺はサノユーの肩に頬を乗せ、呆然としている。
 
「久しぶりに自分がアルファって実感したよ。全然性欲が収まんない。朝くんちょろくてかわいすぎ」

 熱の芯が俺の中を遅く行き来する。そのたびに、たちの悪い痺れが全身にまわった。

「いきっぱなしになってるね。がんばれ」

 咬み痕をぺろりと舐められ、身体が震えた。
 
「好きだよ、だいすき。朝くんしかいらない」

 子どもをあやすように動きながら、サノユーは穏やかな声で言った。
 その声を聴いていると、今自分が苦しいのか、それとも幸福でたまらないのか、わからなくなってくる。
 
「朝くんも、僕が好き? 僕しかいらない?」
「ひっぐ、はぁ、ぐすっ……」

 俺はしゃくりあげることしかできない。

「僕だけが好きって言って? じゃないと、ずーっとこうだよ?」

 とん、とん。サノユーの手が俺の背中を叩く。
 しだいにふわふわとした、あたたかい幸福感が俺を満たしていく。
 それが限界を迎えた身体が感じ取った錯覚なのか、本物の幸福なのかもよくわからなかった。
 ただ、愛されていることが気持ちいい。

「すき……」
「僕だけ?」

 俺は頷いた。
 
「付き合ってくれる?   絶対浮気しない?」

 必死にこくこくと頷いてみせた。

「そっか」

 サノユーはうれしそうに言って俺を押し倒すと、盗むようにキスした。
 それから、しっかりとした強さで腰を打ちつけてくる。
 もう何度目かの白濁を身体の奥に叩きつけられて、俺は意識を失った。



 死んだように眠って、目が覚めた。身体じゅうが重だるく痛んでいる。
 時計を見ると、針は4の数字を指している。明け方かと思ったが、それにしてはカーテンの外が妙に明るい。
 しばらくぼうっとしてようやく、今が日曜の午後なのだと気づいた。
 ちょうどそのとき、サノユーがドアを少し開け、こちらを覗くのが見えた。
 
 
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