溺愛展開を信じるには拾い主が怪しすぎる

蟹江カルマ

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26 味わう※

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 恭弥は意を決して顔を寄せた。
 舌をのばして、ちょんと先を舐めてみる。薄い塩気と軽い苦みのある蜜が、恭弥の味蕾にわずかに染みた。 
 
「ふふ、すっごいかわいい。猫ちゃんみたい」

 アランは恭弥の髪を撫でた。
 
(合ってんだ、これで)

 悦びと興奮が恭弥の背筋を駆け上がる。
 恭弥は二度、三度と、くびれの下あたりを舐め上げた。
 
「じょうず」
 
(褒められてる)

 茎をたわませて、根元から先へ。成人向けビデオの女優がしていたことをなんとか思い出しながら、恭弥はそれを舌で愛撫する。
 
「嫌だったら、すぐやめていいんだからね」

 大丈夫だと答えるかわりに、恭弥は丸い先端をぬるんと口の中に滑り込ませた。
 おそろしいほどの大きさと質量だ。全体からいえばごく一部しか口に収まっていないのに、一歩間違えば窒息してしまいそうだった。
 歯を当てないように、そろそろと舌を這わせてみる。
 
「すっごい。気持ちいいよ」
 
(亜蘭さん)

 しだいに恭弥は夢中になっていた。哺乳瓶を吸う赤ん坊になった気分で、アランの大きなものに吸いつく。
 
(すき。すき……)
 
 じゅる、じゅぶ。口と性器がこすれあう、卑猥な音がする。
 
「ん、んんっ」
「恭弥くん、声出てる。かわいい」
 
 アランの蜜を飲み下すたび、腹の中がきゅんきゅんと痺れていた。
 
「顎、疲れない? いったんお休みしよ」
 
 口の中からずるりと出ていくものを、恭弥は追いかけてキスした。はむはむと茎を唇で挟んで、下がった陰嚢を手で包む。
 
「ぼくのおちんちん舐めるの、そんなに好き? すごいな恭弥くんは。エッチだなぁ」

 恭弥は自慢になってアランを見上げた。
 
「得意になっちゃったの? 何この子、かわいすぎ」

 アランの手が恭弥の喉を撫でた。恭弥はうっとりと目を細めた。

(ほめられるの、きもちい……)

 拾い主のまなざしに包まれて、恭弥のものがとろっと蜜を垂らした。

「困ったね。君を見てるだけでいっちゃいそうだけど、ここでフィニッシュするのは惜しい」

 アランは苦笑している。
 
「さ、おしまい。今度は君が気持ちよくされる番だよ。いっぱいお返ししてあげる……前にも、うしろにも、ね」

 ぱたんと布団に仰向けにされる。恭弥のものが天井を向いて、蜜を滴らせた。
 アランは恭弥の腿を割り開き、間に入った。
 恭弥はぼうっとしたまま、何をされるかわからないでいる。
 
「恭弥くんの、ほんとかわいい。ぷるぷるしてる」
 
 次の瞬間、恭弥は息を詰めた。
 
「っ……!」

 アランの美しい口元が開いて、恭弥のものを根元から咥えた。

「ぁ、ぁあ、ああっ」

 生まれて初めて、他人に性器を咥えられている。
 恭弥は信じられない気持ちで喘いだ。
 アランは美しさを寸分も崩すことなく、楽しそうに恭弥のものを口で蹂躙している。
 
「だめ、ぁ……」
 
 ぬめった温かいものに雄を包まれているというのに、どこにも主導権がない。まるで胸を口で愛撫されているときのように無力だ。
 
「おいしい」
 
 アランは口を離して、茎をぺろりと舐め上げてみせた。
 
「ん、ふあっ……」
 
 アランよりは短いそれに、愛おしそうなバードキスが降ってくる。ふたたび軽々と咥えられ、吸われ、舌で弄ばれる。
 恭弥は一方的に与えられる快楽に、身体を震わせるしかなかった。

「あ、ふぁあ、へあっ」
 
 アランの鼻が下生えをくすぐる。
 恭弥がうっすらと目を開けると、あるべき男のものを完全に呑まれて、乳首ばかりがつんと赤く目立っているのが目に入る。
 
(こんなの、おんな、じゃん)
 
 恭弥は呆然と思う。
 恭弥のつるりとした薄い胴体は、まるで発育の悪い少女のように見えた。
 恥ずかしさと猛烈な興奮が恭弥を追いつめた。

(きもちい、いく、出ちゃう)

 こらえきれず、恭弥はかかとで敷布団を擦った。
 アランの目が弓なりになった気がした。
 
 ――――ぬぷん
 
 突然、アランの指が恭弥のうしろに潜りこんだ。
 
「んああああ!」
 
 恭弥は思いきり胸をそらして鳴いた。
 いつの間に用意したのだろう。アランの指はローションでたっぷりと潤っていた。
 
「んぁああ、はぁああぁ」
 
 ずりずりと孔の縁を擦り撫でられる。前に与えられる快感がすぐにうしろの感覚とまじりあい、恭弥は混乱してしまう。
 すぐにでも白濁を漏らしてしまいそうなのに、腹の中の指が細い管をせきとめる。
 雌の快楽を強制してくる。

(いきてぇ、のに……、おれ、おかしい)

 アランが茎をしゃぶるたび、恭弥はアランの指をぎゅうと締め付けた。
 
(なか、すりすりされる方が、すき)
 
 アランの頭を腿で挟んで、恭弥は身をよじる。

(ちんちん、ばかになる)
 
 内側の快楽が強烈すぎて、射精の能力をなくしてしまいそうだった。
 
(ほんとに、おとこじゃ、なくなる)

「ぁー……は、ぁ……」
 
 恭弥の喉が喘ぎすぎで枯れたころ、恭弥のうしろはアランの太さに緩んでいた。

「そろそろ、いれてあげようね」

 恭弥のものから口を離して、アランは唇の端を上げる。唾液がきれいな顔と恭弥の先端とをつないで、ひどく卑猥だった。
 
「ぁ……」
 
 ぬるりと指が出ていく。前もうしろも急に寂しくされて、恭弥の孔はひくひくと痙攣した。
 
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