エテルノ・レガーメ2

りくあ

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第1章︰騎士の道

第2話

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「昨日話した通り、今日は騎乗の訓練を行う。2人1組になり、馬小屋から馬と道具を選んでこい。準備が出来次第、道具の説明を行うぞ。」

校舎の裏手に集められた僕達は、ダグラス教官の指導の元、騎乗の実習を行う事になった。一緒に訓練する相手を探す為、周りの生徒達があちこちで話を始めている。

「フラン…!もちろんあたしとやるでしょ?」

離れた所に座っていたニアが、生徒の間をかき分けて僕の元へとやって来た。

「ごめん。もう一緒にやる人決めてるんだ。」
「え?2人1組の実習で、あたしと意外組んだ事ないじゃない。一体誰よ?」
「ぁ………いたいた…。おまたせ…。」

話をしている僕達の元へ、教本を腕に抱えた小柄な男子生徒が近寄って来た。長い前髪は彼の目を覆い隠し、 後ろに垂れている髪は紐を使って一つにまとめている。

「まさか…あんたの相手ってシュティレなの…?」
「え?…ぁ…ニアーシャ…さん…。」
「ちょっとフラン!他の生徒ならまだしも、どうしてシュティレなのよ…!根暗で運動音痴で、勉強も出来ない低成績の馬鹿をなんでペアなんかに選んで…」
「僕だってさほど変わらないよ。クラスじゃ目立たない方だし、運動も勉強も自慢出来るほどじゃないしね。」
「なら尚更、あたしと組む方がいいじゃない!なんでこいつにこだわるのよ!」
「ご、ごめんなさい…!自分、やっぱりやめておきま…」
「ニアの事は気にしないで。…昨日から約束してたんだから、僕達の邪魔をしないでくれる?行こうシュー。」
「ちょっ…待ちなさいよ…!」

彼の腕を掴み、強引にニアの元を離れて行った。



馬と道具を用意した後、教官の手本を参考に騎乗の訓練が始まった。まずは交代で馬に乗る事になり、シューを乗せた馬の手網を持って敷地内を歩き始めた。

「あ…の……。」
「ん?どうかした?」

頭上から弱々しい声が聞こえ、僕は後ろを振り返った。

「…どうして自分の事…誘ったんですか?」
「同じクラスで勉強してるのに話した事がないから、話をしてみたいなと思ってね。」
「え?話を…?」
「うん。気になる事、色々聞いてもいい?」
「そんな…自分の話なんか、面白いかどか…。」
「シューはどうしてこの学校に入ったの?」
「えっと…小さい頃、故郷の村に吸血鬼が襲ってきた時…たまたま居合わせた騎士様が助けてくれて…。それに憧れて、騎士になりたいと思ったんです…。」
「へぇ~そうなんだ。」
「フランさんは…なんで…学校に…」
「僕も似たようなものかな?命の恩人に憧れて、彼と同じように人々を守れるようになりたいって思ってね。」
「そう…なんですね…。」

高い位置にいる彼を下から見上げると、普段は隠れて見えない瞳が、透き通った宝石のようにキラキラと輝いていた。

「ねぇ…シューって、どうして前髪を伸ばしてるの?見えづらくない?」 
「それは……その…」

ーヒヒーン!!!

突如、離れた場所から荒々しい馬の鳴き声が聞こえてきた。

「今のは…何?」
「…あ、あそこ……!馬が人を乗せて走り回ってます…!」

彼が指をさした方向には、敷地内を走り回る馬の姿が見えた。しかしその光景は、正常とは思えないものだった。前足を上にあげたり、左右に蛇行しながら走るその様は、背中に乗っている生徒を振り落とそうとしているように見える。
周りの生徒達はそれを避けるように端に避難し、暴れ回る馬をただ見ている事しか出来ない様子だった。

「おい、なんだ!どうした!」
「ダグラス教官…!それがその…突然馬が暴れだして…!」
「乗ってるのは誰だ?」
「ニアーシャです…!」
「え…!ニアが!?」

彼女とペアを組んでいた女子生徒と教官の会話を聞き、馬の上で必死にしがみついている生徒がニアである事を知った。

「おい!誰か手伝える奴は…」
「シュー!馬を出して!」

なんとかして暴れた馬を止めようと、彼が乗っている馬の後ろに勢いよく飛び乗った。

「ぇ!?いや…でも…」
「いいから早く!」
「は、はい…!」
「なっ…おい!お前達、ちょっと待…」

引き止めようとする教官の横をすり抜けて、僕達は一目散にニアの元へ駆けていった。

「ニア!大丈夫!?」
「フラン…!?もう限界よ!このままじゃ振り落とされ…」
「馬の背中を蹴って、こっちに飛び移るんだ!」
「はぁ!?そんなの無理に決まって…」
「大丈夫!僕がちゃんと受け止めるから!」
「う、馬が…!暴れるのは、乗ってる人を振り落としたいからです…!そこから離れれば…安全な筈です!」
「…わ、わかったわ。絶対受け止めなさいよ!?」

彼女は言われた通りに掴んでいた手網を離し、馬の背中から飛び出した。しかし、飛び移る為の距離が足りず、彼女の身体は地面に向かって落ちていく。

「っ…!」

僕は咄嗟に、馬から降りて彼女の腕を掴んだ。包み込むように彼女を抱きしめると、地面に身体を強く打ち付けた。



「か、返…」
「測定不可なんて結果あるのね!周りの子にも見せてもらったけど、みんな並か優だったのに。しかも、適した属性がないなんて…凄い事よルナ!」

突如、教室中に甲高い声が響き渡った。2人の女子生徒が何やらもめているらしく、周りの生徒達はその様子を見てくすくすと笑い声をあげている。

「やめなよ、ユイちゃん。」

僕は自分の席から立ち上がり、彼女達の元へ歩み寄った。泣きそうな顔をしている白髪の女子生徒を背中で庇うようにして、2人の間に割り込んでいく。

「何よ?あなた誰?」
「酷いなぁ。同じ教室で勉強してる仲間の名前も知らないの?僕は君の事、よく知ってるのに。」
「何それ…気味悪いんだけど…。」
「ユイナールスイナ。双子の姉で、君は下級吸血鬼なのに、妹は上級吸血鬼。」
「な…!?ちょっ」
「魔力はそこそこあるけど、火属性だけが取り柄で他の属性魔法は一切使えないし、魔力も持続しない。それに比べて出来のいい妹は、魔力は姉を上回り、火、水、闇の属性に適してる。」
「そ、それがどうしたっていうの?そんなあたしよりも、この子は劣ってるって事になるけど!?」

彼女は僕の背後を指さし、鋭い目付きでこちらを睨みつけた。

「それはどうかな?」
「…はぁ?」
「魔力が測定不可なのは、魔力が全く無いのとは違う。測り知れない程の大きな魔力を持っている…僕ならそう解釈するよ。」
「それはあんたの解釈でしょ?確証はあるの?」
「魔力を測る水晶…あれを破壊する程の威力だよ?ニム先生が言ってたけど、あれが壊れた所は見た所がないって。」
「魔力の制御が出来てないから壊したんでしょ?たとえ魔力があっても、制御しきれないなら全く無い様なものよ!」 

僕の話を理解出来ない彼女にしびれを切らし、僕は後ろを振り返った。群青色をした彼女の瞳は一点の曇りもなく、驚く程に透き通っている。その輝きの中に秘められた何かを感じ取った僕は、軽く笑みを浮かべた。

「目を見ればわかるよ。…君にはわからないみたいだけど。」
「そんなの…。じゃ、じゃあ、適正属性がないのは?どの属性も扱えないっ事よね?」
「それも違う。適した属性っていうのは、扱える属性とは別物だからね。適した属性が無いというのは、逆にどの属性でも扱えるって事になる。」
「は?意味がわからな…」
「うーん。どう説明したら君に理解してもらえるかな?」
「っ…。もういい!属性があろうが無かろうが、あたしには関係ないわ!」

言い返す事が出来なくなった彼女は僕達の元を離れ、教室から姿を消した。

「あ、あの…ありがとう。」

背中から声をかけられ、僕は再び彼女の方を振り返った。

「どういたしまして。あ…でも、お節介だったかな?」
「ううん…!すごく助かったよ!えっと…

「僕は、フラン。フランドルフルクだよ。よろしくね、ルナちゃん。」

僕は右手を差し出し、彼女と軽く握手を交わした。

「ありがとうフラン!今度、何かお礼をさせて!」
「お礼?なんの?」
「なんのって…さっき助けてくれたお礼!」
「別に大した事してないよ。僕が勝手にした事だしね。」
「それでも嬉しかったから、この恩を返したいの!」

僕の見立ては間違っていなかった。彼女の純粋さは、お人好しのレベルを遥かに上回っている。

「そこまで言うなら…僕のお願い、一個聞いてくれる?」
「え?お願い?」

彼女が初めてエーリを訪れた時、レジデンスの幹部であるヴァン様と一緒に来たのを僕は目撃していた。僕と同じようにここへ入学したという事は、彼女には秘められた力があるという証拠だ。
そして、彼女の目を見て確信した。彼女なら、僕の計画を絶対に成功させてくれる…と。



目を開くと、視界の端にぼんやりと人の姿が映りこんだ。長い髪が、風に吹かれて揺れているのが見える。

「…ル……ナ…?」
「フラン…!よかった…目が覚めたのね。」
「………ニア?」

重たい身体をゆっくりと起こすと、左から右へと周囲を見回した。白いベッドがいくつも並んでいる光景を見て、ここが校舎内にある保健室である事を悟った。

「あれ?なんでここに…」
「覚えてない?暴れた馬からあたしを降ろそうとして、一緒に落馬したのよ。」
「あぁ…。そう……だったね。」

夢と現実が入り交じり、現実で起こった出来事を頭の中で整理し始めた。すると、部屋の扉が開く音が聞こえ、カーテンの向こうから1人の男子生徒が顔を覗かせた。

「フランさん…!よかった…目が覚めたんですね…。」
「あはは。シューも、ニアと同じ事言ってる。」
「勝手に人の真似するんじゃないわよ。」
「ひっ…!ご、ごめんなさい…!」
「じょ、冗談よ…。別に…怒ってる訳じゃないわ。」
「そうだ。あの後、馬はどうなったの?」
「シュティレが上手い事馬をなだめてくれたわ。他に怪我した生徒もいなかったしね。」
「それならよかった。ありがとうシュー。」
「い、いえ…そんな…。」

彼は恥ずかしそうに下を向き、服の裾を握りしめている。

「ぁ…そういえば、ダグラス教官が…フランさんが目覚めたら、教官室に来いって言ってました…。」
「うわぁ…。きっと、教官のお叱りを受けるのね。」
「あー…。教官が怒るのも無理ないよね…。しょうがない…行くしかないかぁ…。」
「仕方ないから、あたしも一緒に行ってあげるわ。」
「じ、自分も行きます!勝手に馬を走らせたのは…自分の責任ですし…。」
「ありがとう2人共。じゃあ…3人で怒られに行こっか。」

その後、僕達3人はダグラス教官の説教を受け、罰として校舎内の清掃活動を行う事となった。



「ねぇフラン。あんた、あたしの事をあからさまに避けてたわよね?あれ、なんだったの?」
「あぁ…実は、デトワーズさんからニアの事を振り回すのはやめてくれ…って言われてね。周りに誤解されたら困るから、少し距離を置こうと…」
「何よそれ!そういう話は、あたしに真っ先に話すべきでしょ!?」
「ニ、ニアーシャさん…声が大き…」
「うっさいわね!あんたはもっと大きな声で喋りなさいよ!」
「ご、ごめんなさい…!」
「トワの奴…余計な事を…。」
「ごめんねシュー…。君の事まで巻き込んじゃって。」
「い、いえ…別に…。」
「そういう事なら、あたしから話をつけておくわ。今後、あたしの事を避ける必要がないようにね。」
「あーうん…その辺はニアに任せるよ。」

翌日、ニアがデトワーズさんを連れて僕の元へとやって来た。彼は、自身の発言が誤想だった事を謝罪し、今後は僕とニアの友人関係に口を出さない事を約束した。
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