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オリオール村
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オリオール村は人口200人程度の小さな村で、ヘンリー卿の領地である。
といっても領地の中でも辺境であり、領主もほとんど顔を出さない。
税金として農作物を半年に一度納めているだけだ。めぼしい特産品もなく、村に代々つたわる胃腸の薬くらいなものだ。
森に生えている薬草はその胃腸薬の原料となるらしい。
気候が合わず村では育たないため、定期的に採取に行く必要がある。
兵士風の男は自警団長でアルフと名乗った。
切符がよく、面倒見も良い。村人からも信頼されているようだ。
アルフは村の自警団のなかでは一番の実力者らしい。それを考えると、この星の人間の戦闘力はそんなに高くない。
むやみに力を見せるのは控えた方が良さそうだ。
また、なるべく自然な感じで言葉が通じた仕掛けについても聞いてみた。
どうやらこの星では科学の代わりに魔法が発展しているようだ。
あれは生活魔法と言われる無属性の魔法であり、この星の人間なら誰でも使えるらしい。
他にも、料理をするときの火や夜道を照らす光など、それぞれ属性魔法と呼ばれ、一般人でもどれか一つの属性と無属性魔法は使えるようだ。
複数属性使えるものいるらしいが、本当に稀らしい。ほぼ全ての属性を使えることも黙っていた方が良さそうだ。
生活魔法はおいおい訓練すると心に決めた。
「ほら、あれが俺たちの村だ。」
色々と情報交換しているとあっという間にオリオール村に到着した。
中世の田舎町を思い起こすような街並みだ。当然異国情緒溢れているが、どことなく懐かしい感じがする。
「まずは村長に事の顛末を伝えるから、ソウシロウも付いてきてくれ」
アルフは甲冑も脱がないまま、村長ムネールを訪ねる。
村長からも大いに感謝された。
アルフは口下手なようで、よくわからなかったがヘルコンドルを討伐するのは難儀なようだ。貴重な薬草師のコーンと自警団長のアフルが生き残ったことを本当に喜んでいた。
村長は人格者でありソウシロウも安心した。
「ソウシロウ様さえよろしければ、いつまでも村にいてください。あなたは我々の村にとっても恩人ですからな」
「ああ、悪いな。こちらも所持金が底をつき、寝床を探していたところだったから助かるよ」
村長の自宅でお茶をすする。少し香ばしいが嫌いじゃない。ほうじ茶のようだった。
「ソウシロウよ。それなら我が自警団を少し手伝ってくれないか。知っての通り、ヘルコンドルの襲撃で2人もやられてしまった。また近いうちに薬草は取りに行かねばならん。そうなると今は人手が欲しい。お前ほどの実力者なら特別な報酬も出す。旅を続けるにも金はいるだろ?」
ソウシロウの言葉を聞いたアルフが身を乗り出して提案する。
悪くない。ソウシロウとしても落ち着いた場所での情報収集は必要だった。自警団長のアルフはソウシロウに好意的だし、村長のお墨付きがあれば、よそ者だからと阻害を受けることも無いだろう。
渡りに船だ。
「そうだな。少し考えさせてくれないか。」
ソウシロウは少し悩んだ素ぶりを見せて、そう答えた。
考えるまでもないのだが、交渉をより有利に進める知恵だ。アルフよ悪く思うな。
「まあそうでしょうね。ソウシロウ様、今夜は村の宿に泊まっていってください。私の紹介だといえばお金は大丈夫です。もちろん、宿代とは別に今回の礼金も届けさせます。また明日答えを聞かせてくださんか。」
「そうだな。すまん、少し結論を急いだようだ。今日はゆっくり休んでくれ。俺も職業柄人のことを言えた義理では無いが、しっかり汗を流した方がいいだろう」
アルフはいたずらっぽく笑った。
たしかに、水浴びは定期的に行なっていたが、身体は相当汚れているだろう。皮膚もところどころ黒ずんでいるのがわかる。
「ああ、そうさせてもらうよ」
ソウシロウは自分の身体を確認して、少し赤面した。
といっても領地の中でも辺境であり、領主もほとんど顔を出さない。
税金として農作物を半年に一度納めているだけだ。めぼしい特産品もなく、村に代々つたわる胃腸の薬くらいなものだ。
森に生えている薬草はその胃腸薬の原料となるらしい。
気候が合わず村では育たないため、定期的に採取に行く必要がある。
兵士風の男は自警団長でアルフと名乗った。
切符がよく、面倒見も良い。村人からも信頼されているようだ。
アルフは村の自警団のなかでは一番の実力者らしい。それを考えると、この星の人間の戦闘力はそんなに高くない。
むやみに力を見せるのは控えた方が良さそうだ。
また、なるべく自然な感じで言葉が通じた仕掛けについても聞いてみた。
どうやらこの星では科学の代わりに魔法が発展しているようだ。
あれは生活魔法と言われる無属性の魔法であり、この星の人間なら誰でも使えるらしい。
他にも、料理をするときの火や夜道を照らす光など、それぞれ属性魔法と呼ばれ、一般人でもどれか一つの属性と無属性魔法は使えるようだ。
複数属性使えるものいるらしいが、本当に稀らしい。ほぼ全ての属性を使えることも黙っていた方が良さそうだ。
生活魔法はおいおい訓練すると心に決めた。
「ほら、あれが俺たちの村だ。」
色々と情報交換しているとあっという間にオリオール村に到着した。
中世の田舎町を思い起こすような街並みだ。当然異国情緒溢れているが、どことなく懐かしい感じがする。
「まずは村長に事の顛末を伝えるから、ソウシロウも付いてきてくれ」
アルフは甲冑も脱がないまま、村長ムネールを訪ねる。
村長からも大いに感謝された。
アルフは口下手なようで、よくわからなかったがヘルコンドルを討伐するのは難儀なようだ。貴重な薬草師のコーンと自警団長のアフルが生き残ったことを本当に喜んでいた。
村長は人格者でありソウシロウも安心した。
「ソウシロウ様さえよろしければ、いつまでも村にいてください。あなたは我々の村にとっても恩人ですからな」
「ああ、悪いな。こちらも所持金が底をつき、寝床を探していたところだったから助かるよ」
村長の自宅でお茶をすする。少し香ばしいが嫌いじゃない。ほうじ茶のようだった。
「ソウシロウよ。それなら我が自警団を少し手伝ってくれないか。知っての通り、ヘルコンドルの襲撃で2人もやられてしまった。また近いうちに薬草は取りに行かねばならん。そうなると今は人手が欲しい。お前ほどの実力者なら特別な報酬も出す。旅を続けるにも金はいるだろ?」
ソウシロウの言葉を聞いたアルフが身を乗り出して提案する。
悪くない。ソウシロウとしても落ち着いた場所での情報収集は必要だった。自警団長のアルフはソウシロウに好意的だし、村長のお墨付きがあれば、よそ者だからと阻害を受けることも無いだろう。
渡りに船だ。
「そうだな。少し考えさせてくれないか。」
ソウシロウは少し悩んだ素ぶりを見せて、そう答えた。
考えるまでもないのだが、交渉をより有利に進める知恵だ。アルフよ悪く思うな。
「まあそうでしょうね。ソウシロウ様、今夜は村の宿に泊まっていってください。私の紹介だといえばお金は大丈夫です。もちろん、宿代とは別に今回の礼金も届けさせます。また明日答えを聞かせてくださんか。」
「そうだな。すまん、少し結論を急いだようだ。今日はゆっくり休んでくれ。俺も職業柄人のことを言えた義理では無いが、しっかり汗を流した方がいいだろう」
アルフはいたずらっぽく笑った。
たしかに、水浴びは定期的に行なっていたが、身体は相当汚れているだろう。皮膚もところどころ黒ずんでいるのがわかる。
「ああ、そうさせてもらうよ」
ソウシロウは自分の身体を確認して、少し赤面した。
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