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12.夫婦漫才か・・・
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清らかなミアになったその五日後、ミアは早朝から身だしなみを整えていた。
「ああ・・・ミアがあのやばい侯爵と・・・」
「うう・・・ミアがあの変態侯爵と・・・」
扉の向こう側を白けた目で見る。
侍女のリリも物凄い存在感を放つ扉の向こう側を見据えて、白けた目をしていた。
さすがに見過ごせないオーラを放ち始めた二人に、ミアは声をかけた。
「父様?母様?いくら邸宅内といえどもそんな迂闊な発言はやめといた方がいいですよ。それとアピール激しすぎです。ちょっと向こういってて欲しいです。」
そう冷たく言い放った瞬間、バタタッと忙しない音が聞こえてしくしくとした声が響いてきた。
「・・・」
リリとミア、そしてその他の侍女が気まずいながらもスルーをしながら作業を続けていたら、そのすすり泣きも次第に遠のいていったようだ。
「・・・私も人騒がせだけど、母様と父様は大げさすぎるね。」
「そうですねぇ。まあ、あの噂の侯爵様ですから致し方ないかと思いますよ?まあ支度をしている最中に扉の前で泣かれるのは御勘弁願いますが。」
辛辣なリリに苦笑をする。
だが、その苦笑いもすぐに苦悶の表情に変化した。
「ぐっ・・・ううっ・・・!世の令嬢はなんでこんなにも不必要にコルセットをしめてグボファ・・・」
「ミアお嬢様、せめてもう少し品のある呻き声を出してくださいよ・・・」
それは無理なお願いですねと思いつつ、壁に手を当て圧迫感を堪える。
(・・・あれ!?これ案外いい訓練になるのでは──)
「なりませんからね。」
思考を読まれ、即否定をされた。
少し前にリリは誇らしげにこう言った事があるのだ。
──お嬢様の思考はある程度読めるようになってきましたね!
(・・・確かにその通りだったね。)
そこまで私は単純なのだろうか、と考え事をしながら身だしなみを整えてもらっていたら、いつの間にか作業は終わっていた。
「・・・?みんな、なんで髪をおろして編み込んでるの?いつも通り二つ結びで良いのに・・・」
そう言って眼鏡を装着しようとするミア。
だがその動きも虚しく、先読みをしていたリリによって素早く眼鏡を没収された。
「な、なんで・・・!?」
「お嬢様、せっかくの綺麗なお顔をそんなグルグル丸眼鏡で隠していたら台無しですよ。それにコレ、伊達メガネじゃないですか?今回は没収です。」
リリの思わぬ一言に慄くミア。
どもりながらもリリにやっとこさ聞く。
「ど、どうしてそれを・・・!?」
「お嬢様を毎日見てれば分かりますよ・・・訓練のときは眼鏡をしないのに何故支障がないのです?気づいて当たり前です。」
そして旦那様と奥様に最終確認をして確信致しました、とトドメを刺したミア。
他の侍女たちはドンマイとでも言いたげな表情をしている。
「待ってリリ・・・!これは私の武装の一つなんです。これ一つなくなるだけで力が半減するの知ってた?」
「ダメです。」
「いやでも」
「ダメ」
「この通り!」
「・・・・・・」
根負けしたリリから丸眼鏡を奪還したミア。
その表情は達成感に満ち満ちていた。
「なんでしょうか、このイラつきは・・・」
主人の前だと言うのに遠慮せずに呟くリリ。
信頼されてはいるのだろうが、ちょっと舐められている部分もある気がするミアであった。
「髪の毛はせっかく綺麗にしてもらったものね。このままで行く。ありがとう。」
そうして外へ出たら、グウィンが既に到着していたようで手を差し出してきた。
「ふっ・・・」
何故か自慢げに差し出してきたその手と表情に苛立ったミアは、無言で手を取り握力で攻撃をする。
「あだだだだだだだだだだ」
「どうしたんですか?侯爵様。まさかこの程度の握手でへばってる訳じゃないですよね。」
「お前・・・!久々に会ったと思ったら相も変わらずだな!俺が居なくて恋しくならなかったのか!」
「たかだか4、5日会わなかっただけですよ?」
ミアがフッとドヤ顔をし返したらいい笑顔を返してくるグウィン。
「表情筋がぴくついてますが」
「余計な一言だなぁ!?」
この二人の夫婦漫才(?)は健在なようだ。
- - - - - - - - - - - - - - -
今作、短編・・・というより中編となる予想です。
できるだけダラダラした内容にならないように致します。楽しんで読んでいただけたら幸いです。
続きもよろしくお願い致します。
「ああ・・・ミアがあのやばい侯爵と・・・」
「うう・・・ミアがあの変態侯爵と・・・」
扉の向こう側を白けた目で見る。
侍女のリリも物凄い存在感を放つ扉の向こう側を見据えて、白けた目をしていた。
さすがに見過ごせないオーラを放ち始めた二人に、ミアは声をかけた。
「父様?母様?いくら邸宅内といえどもそんな迂闊な発言はやめといた方がいいですよ。それとアピール激しすぎです。ちょっと向こういってて欲しいです。」
そう冷たく言い放った瞬間、バタタッと忙しない音が聞こえてしくしくとした声が響いてきた。
「・・・」
リリとミア、そしてその他の侍女が気まずいながらもスルーをしながら作業を続けていたら、そのすすり泣きも次第に遠のいていったようだ。
「・・・私も人騒がせだけど、母様と父様は大げさすぎるね。」
「そうですねぇ。まあ、あの噂の侯爵様ですから致し方ないかと思いますよ?まあ支度をしている最中に扉の前で泣かれるのは御勘弁願いますが。」
辛辣なリリに苦笑をする。
だが、その苦笑いもすぐに苦悶の表情に変化した。
「ぐっ・・・ううっ・・・!世の令嬢はなんでこんなにも不必要にコルセットをしめてグボファ・・・」
「ミアお嬢様、せめてもう少し品のある呻き声を出してくださいよ・・・」
それは無理なお願いですねと思いつつ、壁に手を当て圧迫感を堪える。
(・・・あれ!?これ案外いい訓練になるのでは──)
「なりませんからね。」
思考を読まれ、即否定をされた。
少し前にリリは誇らしげにこう言った事があるのだ。
──お嬢様の思考はある程度読めるようになってきましたね!
(・・・確かにその通りだったね。)
そこまで私は単純なのだろうか、と考え事をしながら身だしなみを整えてもらっていたら、いつの間にか作業は終わっていた。
「・・・?みんな、なんで髪をおろして編み込んでるの?いつも通り二つ結びで良いのに・・・」
そう言って眼鏡を装着しようとするミア。
だがその動きも虚しく、先読みをしていたリリによって素早く眼鏡を没収された。
「な、なんで・・・!?」
「お嬢様、せっかくの綺麗なお顔をそんなグルグル丸眼鏡で隠していたら台無しですよ。それにコレ、伊達メガネじゃないですか?今回は没収です。」
リリの思わぬ一言に慄くミア。
どもりながらもリリにやっとこさ聞く。
「ど、どうしてそれを・・・!?」
「お嬢様を毎日見てれば分かりますよ・・・訓練のときは眼鏡をしないのに何故支障がないのです?気づいて当たり前です。」
そして旦那様と奥様に最終確認をして確信致しました、とトドメを刺したミア。
他の侍女たちはドンマイとでも言いたげな表情をしている。
「待ってリリ・・・!これは私の武装の一つなんです。これ一つなくなるだけで力が半減するの知ってた?」
「ダメです。」
「いやでも」
「ダメ」
「この通り!」
「・・・・・・」
根負けしたリリから丸眼鏡を奪還したミア。
その表情は達成感に満ち満ちていた。
「なんでしょうか、このイラつきは・・・」
主人の前だと言うのに遠慮せずに呟くリリ。
信頼されてはいるのだろうが、ちょっと舐められている部分もある気がするミアであった。
「髪の毛はせっかく綺麗にしてもらったものね。このままで行く。ありがとう。」
そうして外へ出たら、グウィンが既に到着していたようで手を差し出してきた。
「ふっ・・・」
何故か自慢げに差し出してきたその手と表情に苛立ったミアは、無言で手を取り握力で攻撃をする。
「あだだだだだだだだだだ」
「どうしたんですか?侯爵様。まさかこの程度の握手でへばってる訳じゃないですよね。」
「お前・・・!久々に会ったと思ったら相も変わらずだな!俺が居なくて恋しくならなかったのか!」
「たかだか4、5日会わなかっただけですよ?」
ミアがフッとドヤ顔をし返したらいい笑顔を返してくるグウィン。
「表情筋がぴくついてますが」
「余計な一言だなぁ!?」
この二人の夫婦漫才(?)は健在なようだ。
- - - - - - - - - - - - - - -
今作、短編・・・というより中編となる予想です。
できるだけダラダラした内容にならないように致します。楽しんで読んでいただけたら幸いです。
続きもよろしくお願い致します。
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