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8話
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明樹と優成が誤答を導き出している間、廊下ではことの顛末をORCAメンバーたちが全て盗み聞いていた。
「なんつーか、ここまでとは……」
さっきまで笑っていた冬弥は、今ではドン引きである。
「俺、疲れました。たぶん情操教育が追い付いてないんですよ。絵本の読み聞かせから始めたほうがいい」
「諦めないでくれ仁。お前がこの恋を成就させる軸なんだ」
壁に身を預ける仁を翔真が励ましている。
「優成くんさぁ、注意したのに好意駄々漏れ全然抑えられてない上に、さっき俺にバチバチ牽制かけてたよね?なんであんなクソ鈍感なのに牽制はかけてくんの?俺はあいつが怖いよ……」
額に手を当て嘆く高嶺の肩に、ずっと静かにしていた悠人がそっと手を置いた。
珍しく微笑を浮かべた悠人の、目がすわっていた。
「もう面倒なんで、俺が強制的に付き合わせてきます。俺は楽屋で穏やかに寝たいんですよ」
そう言って悠人がドアを蹴り開けようと脚を振り上げるのと、止めようとした4人が悠人にしがみつくのと、収録時間を気にした明樹と優成が腕を組んで楽屋から出て来るのが全て同時に起こり、テレビ局の廊下は一時騒然とした。
「なんつーか、ここまでとは……」
さっきまで笑っていた冬弥は、今ではドン引きである。
「俺、疲れました。たぶん情操教育が追い付いてないんですよ。絵本の読み聞かせから始めたほうがいい」
「諦めないでくれ仁。お前がこの恋を成就させる軸なんだ」
壁に身を預ける仁を翔真が励ましている。
「優成くんさぁ、注意したのに好意駄々漏れ全然抑えられてない上に、さっき俺にバチバチ牽制かけてたよね?なんであんなクソ鈍感なのに牽制はかけてくんの?俺はあいつが怖いよ……」
額に手を当て嘆く高嶺の肩に、ずっと静かにしていた悠人がそっと手を置いた。
珍しく微笑を浮かべた悠人の、目がすわっていた。
「もう面倒なんで、俺が強制的に付き合わせてきます。俺は楽屋で穏やかに寝たいんですよ」
そう言って悠人がドアを蹴り開けようと脚を振り上げるのと、止めようとした4人が悠人にしがみつくのと、収録時間を気にした明樹と優成が腕を組んで楽屋から出て来るのが全て同時に起こり、テレビ局の廊下は一時騒然とした。
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