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3話
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報告を受けたジョセフは娘の事が心配になり王がいるにも関わらず走り出してしまった。
「(スカーレット!どうして婚約破棄なんて事になっているんだ。私はお前が殿下に寄り添おうと努力していた事を知っている。)」
「(だからこそ何故こんな事になっているのかがわからない!)」
貴族の前で婚約破棄をされる前例は過去にもあるが、された者は最終的には全員が寿命を迎える前に死んでしまっている。
「くそ!スカーレットまでいなくなってしまったら、私はどうすればいいのだ!」
会場までの道のりを走り続けジョセフの呼吸は乱れ始めた。
「私が仲裁に入れば時間を伸ばす事くらいはできるだろう、はぁ…はぁ…」
諦めず走り続けたおかげで会場にはすぐに到着する事ができた。
乱れた髪の毛を直すこともなくそのまま入室しようとする。
「ジョセフ様!いったいどうされたのですか?!」
扉の前に控えていた衛兵に止められる。
「うるさい!今は話している余裕がないのだ!そこを退きなさい!」
衛兵は普段から温厚だと評判のジョセフが憤怒の表情で捲し立ててきた為、異常だと感じすぐに扉の前に立ち塞がった。
「感情の起伏が激しい状態で中にいれるわけにはいきません!また後ほどお越し下さい!」
「邪魔をするなら力づくで通らせてもらう!」
腰につけていた剣を抜き衛兵に斬りかかり、突然の事で手につけていた金属製の防具でガードするが体制が悪く衛兵は吹き飛び倒れてしまった。
「衛兵!早くジョセフ様を止めてください!」
近くにいるはずの衛兵に声を掛けるがすぐには駆けつける事はなかった。
「スカーレット!!!!」
周りを見渡し、一部人だかりのできている場所を見つけそこへ走ってゆくとスカーレットが心臓へ短剣を突き立てていた。
なにが起きているのか理解できないでいるとスカーレットと目が合いすぐに駆け寄ろうとしたが人だかりが多くなかなか前に進む事ができなかった。
「邪魔だ!!そこを退きなさい!」
周囲の人を突き飛ばしながら前に進みスカーレットの所へ辿り着くがそこには血を大量に流し倒れている姿が見えた。
「スカーレット!!なにをしているのだお前は!!死ぬな!死なないでくれ!私を1人にするな!」
心臓へ達してしまっているだろう刃物を見て気持ちを抑えられなくなってしまった。
「は!は!は!やっと邪魔な女が死んでくれた。後は父上にミリアとの結婚を認めてもらうだけだな!」
高笑いする第1王子を見て剣を抜きジョセフは咆哮する。
「お前だけは絶対に殺してやるからなぁ!!!剣聖ジョセフ・リースの名にかけて!!!!!」
「僕に逆らってどうなるかわかっているんだろうな!!絶対にこ」
言葉を全て言い終わる事すらさせずにノエルの顔を切り刻み、右腕を切り飛ばした。
「ちょっと!ノエルに何してるの!誰だか知らないけど、ヒィイイ!!」
ジョロロロロ
ジョセフの鋭い眼光と共に送られる殺気にミリアは失禁してしまった。
「売女が私に気安く話しかけるな」
そう言い放ち首を持っていた剣で跳ね飛ばした。
「ミリア!!!」
「次はお前の番だ!ノエルぅ!!!」
もう一度切ろうとするが先程呼ばれた衛兵が到着し体を押さえつけられてしまった。
「捕まえたぞ!早く縄持ってこい!」
「離せ!!お前らも俺にたて」
「やめんか!少し頭を冷やせ!」
会場内に国王の声が響き渡り捕らえられていたジョセフは顎を蹴られて気を失ってしまった。
「ふざけんじゃねえ...お前ら..全員殺してやる...」
「こいつを牢屋の中に入れておきなさい。」
今回起きた惨状に国王は内心頭を抱えていた。
次の日になると牢屋で監視していたはずのジョセフが舌を噛み切って死んでいた。
死ぬ間際に書いたであろう遺書には、妻であったマリアとスカーレットのもとへと向かうと一言だけ書かれていた。
「(スカーレット!どうして婚約破棄なんて事になっているんだ。私はお前が殿下に寄り添おうと努力していた事を知っている。)」
「(だからこそ何故こんな事になっているのかがわからない!)」
貴族の前で婚約破棄をされる前例は過去にもあるが、された者は最終的には全員が寿命を迎える前に死んでしまっている。
「くそ!スカーレットまでいなくなってしまったら、私はどうすればいいのだ!」
会場までの道のりを走り続けジョセフの呼吸は乱れ始めた。
「私が仲裁に入れば時間を伸ばす事くらいはできるだろう、はぁ…はぁ…」
諦めず走り続けたおかげで会場にはすぐに到着する事ができた。
乱れた髪の毛を直すこともなくそのまま入室しようとする。
「ジョセフ様!いったいどうされたのですか?!」
扉の前に控えていた衛兵に止められる。
「うるさい!今は話している余裕がないのだ!そこを退きなさい!」
衛兵は普段から温厚だと評判のジョセフが憤怒の表情で捲し立ててきた為、異常だと感じすぐに扉の前に立ち塞がった。
「感情の起伏が激しい状態で中にいれるわけにはいきません!また後ほどお越し下さい!」
「邪魔をするなら力づくで通らせてもらう!」
腰につけていた剣を抜き衛兵に斬りかかり、突然の事で手につけていた金属製の防具でガードするが体制が悪く衛兵は吹き飛び倒れてしまった。
「衛兵!早くジョセフ様を止めてください!」
近くにいるはずの衛兵に声を掛けるがすぐには駆けつける事はなかった。
「スカーレット!!!!」
周りを見渡し、一部人だかりのできている場所を見つけそこへ走ってゆくとスカーレットが心臓へ短剣を突き立てていた。
なにが起きているのか理解できないでいるとスカーレットと目が合いすぐに駆け寄ろうとしたが人だかりが多くなかなか前に進む事ができなかった。
「邪魔だ!!そこを退きなさい!」
周囲の人を突き飛ばしながら前に進みスカーレットの所へ辿り着くがそこには血を大量に流し倒れている姿が見えた。
「スカーレット!!なにをしているのだお前は!!死ぬな!死なないでくれ!私を1人にするな!」
心臓へ達してしまっているだろう刃物を見て気持ちを抑えられなくなってしまった。
「は!は!は!やっと邪魔な女が死んでくれた。後は父上にミリアとの結婚を認めてもらうだけだな!」
高笑いする第1王子を見て剣を抜きジョセフは咆哮する。
「お前だけは絶対に殺してやるからなぁ!!!剣聖ジョセフ・リースの名にかけて!!!!!」
「僕に逆らってどうなるかわかっているんだろうな!!絶対にこ」
言葉を全て言い終わる事すらさせずにノエルの顔を切り刻み、右腕を切り飛ばした。
「ちょっと!ノエルに何してるの!誰だか知らないけど、ヒィイイ!!」
ジョロロロロ
ジョセフの鋭い眼光と共に送られる殺気にミリアは失禁してしまった。
「売女が私に気安く話しかけるな」
そう言い放ち首を持っていた剣で跳ね飛ばした。
「ミリア!!!」
「次はお前の番だ!ノエルぅ!!!」
もう一度切ろうとするが先程呼ばれた衛兵が到着し体を押さえつけられてしまった。
「捕まえたぞ!早く縄持ってこい!」
「離せ!!お前らも俺にたて」
「やめんか!少し頭を冷やせ!」
会場内に国王の声が響き渡り捕らえられていたジョセフは顎を蹴られて気を失ってしまった。
「ふざけんじゃねえ...お前ら..全員殺してやる...」
「こいつを牢屋の中に入れておきなさい。」
今回起きた惨状に国王は内心頭を抱えていた。
次の日になると牢屋で監視していたはずのジョセフが舌を噛み切って死んでいた。
死ぬ間際に書いたであろう遺書には、妻であったマリアとスカーレットのもとへと向かうと一言だけ書かれていた。
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