悪役令嬢はなにもしたくない

はるる

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6話

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プクゥプクゥと鼻ちょうちんを出しながら寝ているスカーレットの元へ急接近してくる者がいた。

「スカーレットちゃぁん迎えに来たよお!」

屋敷中に響き渡るジョセフの声に気持ちよく二度寝をしていたスカーレットは起こされそうになり。

バァァンと勢いよく開けられた扉と同時に鼻ちょうちんもパァァンと弾け飛んだ。

「はぁ!気持ちよく寝てたのに…」

ジュルっと口元についていたよだれを吸い取った。

「おお!おお!スカーレットようやく目覚めてくれたのか!」

「パパは嬉しいぞ!記念にチュウしてもいいかな?」

ジョセフは娘の復活に舞い上がりチュウまでせがんでいた。

「え?父上?何で若い頃の姿になってるの?」

考え込んでいると父上は私のベッドへと飛び込んで来て頬ずりを始めてしまった。

「あぁ!可愛いぞスカーレット!もう離さないからな!パパと結婚しよう!」

「ちょっとやめて、ヒゲ痛い。」

突然胸を押さえ小刻みに震え始めた。

「はうあ!なんて事だ髭を剃り忘れていた。ちょっと今から剃ってくるからいい子にしているんだよ!!」バタン!

「な、何だったのかしらいきなり来てすぐ出て行ってしまったわ。」

慌てて部屋から飛び出して行った父にため息をこぼす。

コンコン

「(また父上かしら?)入っても大丈夫ですよ。」

「失礼するわねスカーレット、体の方は大丈夫なのかしら?」

「!!!!」

アリサが母上を呼んでくると聞いていたが半信半疑であったため聞き流していたが目の前に現れた母は紛れもなく幼少のころに死んでしまった母であった。

「本当に母上ですか?」

「?長い間眠っていたから私のことを忘れてしまったの?」

優しく微笑む姿を見て、幼少の時に見た顔とそっくりであることを思い出した。

「母上!」

ベットから起き上がり母の胸へと飛び込む。

「うう、また会えてうれしいよおお」

胸の中で泣き出す娘を見て困惑しながらも慈愛の心をもって頭を撫でていた。


「私もよスカーレットあなたが目を覚ましてくれて本当にうれしいわ。」

母も娘同様に涙を流し喜びを分かち合っていた。

「この状況じゃ入りたくても入れないじゃないか...」

扉の隙間からこの光景を眺めていた父も顔をくしゃくしゃにしながら涙を流していた。

「(2人ともこれからたくさんの思い出を今まで作れなかった分作っていこうな。)」

ジョセフは心の中で誓いを立てた














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