悪役令嬢はなにもしたくない

はるる

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11話

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ガシャガシャと私の体に絶望の塊を微笑みながら装着させていく母上

すでにフルプレートアーマーを装着し終えて楽しそうにしている父上

目のハイライトが消えて空を見上げる私

3人の心情のすれ違いが丸わかりである

「さあ付け終わったわよ、後は頭だけだからここに置いておくわよ?」

母上はそう言って綺麗に整えてある芝生の上に置いた

「ありがとう母上今置いた奴被せてもらえるとありがたいのですが」

私は直感で理解した、屈んだら終わりだと、顔面から崩れ落ちるイメージが頭の中から離れないでいた

「あらそう?今つけてあげるわ!えい!」

バコン!といい音を立てて私の頭へとつけられた

え?前全然見えない…こんなちっこい穴で敵と戦えるのかしら

「よし!スカーレット準備できたみたいだから俺と一緒に競争しようではないか!ヨーイドン!」

「と、父様!行ってしまいました…」

まぁ私も自分のペースで走り始めようかしら

そう思い走り始めた

30分後……

はぁ…はぁ…はぁ…ウプッ…ゴックン

ほ、本当にやばいですわ、最初の1分から私の頭の中では天使と悪魔の声で埋め尽くされてます

嗚呼、また聞こえてきました(白目)

悪魔:も、もう辞めようぜ?ゲロ吐いてまでする事じゃねえよ。最初なんてこんなもんだから仕方ねえよ

天使:スカーレット!そんな言葉聞いてはいけません!ゲロ吐いてからが本当の勝負ですのよ!甘えてはいけません!

いや、なんで天使の方が私に厳しいの?どちらかといえばあなたの方が悪魔だよ!本当の勝負ってなに!!ゲロ吐くことになんの意味があるのさ!

それに比べて悪魔さんは本当に優しいよなんかオドオドした感じが可愛くて仕方ありません。

頭の中で変な事を考えているといつの間にか父上は母上とティーパーティーをしており周りから見えるオーラがハートマークに見えて無性に腹が立った

私の本当の力見せてあげるわ!

残りの力を振り絞り全力で走り始めた








現在、私のフルプレートアーマーの頭の中はゲロまみれであった

「あらあらまぁこの状態じゃあ筋トレはできそうにないですねえ」

「うむぅゲロ吐いてからが本番なのに…」

鬼か!あなたたち2人は!娘がゲロまみれなのにその反応!

睨みつけようかとも思ったがフルプレートアーマーの重さと全身の疲れがピークに達して指一本も動かなかった

「ジョセフ私はスカーレットとお風呂に入るので鍛錬はまた明日にしましょう?」

「え…お風呂!?そ、それは俺も入っていいのかなぁ?」

ジョセフは指をもじもじとして上目遣いでマリアに聞いた

「ジョセフ、庭100周追加で走ってきてください」

妻に汚物を見るかのように告げられたジョセフであった




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