上 下
185 / 198
作者の振り返り・裏話

教会編

しおりを挟む
 ミアーナの「ごめんね、ごめんね」というセリフから生まれた「捨てられた双子のセカンドライフ」という長編物語。プロットを組まないどころか、登場人物も、どんな話にするのかも考えずに書き始めた。
 そしたら幼い捨てられた双子、アウスとモリアという存在が生まれた。髪の色と瞳の色は、完全に作者の好みだ。

 教会編は世界観も固まっていないまま書き始めてしまったので、いたるところに綻びや矛盾があった。当初、「捨てられた双子のセカンドライフ」は複数の小説投稿サイトで投稿していたのだが、読者の方からたくさん矛盾の指摘をいただいたので、何度もリライトしたのを覚えている。

 リライトした投稿版では読者の方にツッコまれない程度にはごまかせていたが、書籍化するということになったので、正直肝を冷やした。ふわっ、ふわっ、と匂いでごまかしてなんとか形を保っていたが、世に出るとなれば話は別だ。

 私は矛盾点を洗い出し、どうやって最新話と辻褄を合わせながらもちゃんとした作品にしていくかを考えた。一歩間違えると、ボルーノやシャナ、カミーユなど、大人にヘイトが溜まりかねない。また、双子がバカすぎると思われないよう気をつけないといけなかった。

 正直に言うと、書籍一巻は……本当に苦しかった。だが、苦しんだ分、web版よりも良い出来になったので嬉しい。

 さて、先ほど私はプロットもおおまかなあらすじも、何も考えずに話を書き始めると言ったが、だからと言ってやみくもにタイピングしているわけではない。ただひとつ、これと決めた性癖……もといテーマを元に物語を進めていた。

 教会編でのテーマは、「異常なほど仲が良い兄妹」。
 ふむ、まさにアーサーとモニカだ。

 双子が成長してもひたすら一緒にお風呂に入れたり、同じベッドに寝かせたりしていたのは、それがアーサーとモニカの関係性の象徴だったからだ。というより私が単純にそうさせたかったからだ。これが双子の出発点であり軸だった。

 ちなみに、これを言ったら怒られてしまうかもしれないが、モニカが教会に囚われてしまったのは、作者の「モニカを嘔吐させたい!♡」というゲスい願望から始まってしまった悲劇だ。
 我ながら、アーサーとモニカが可哀想である。
しおりを挟む

処理中です...