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作者の振り返り・裏話

行商編

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 行商編はさらに作者の欲望を漲らせた話になった。

「画家の話を書きたい」
「アーサーを女装させたい」

 行商編でのテーマはこのふたつだった。
 私は画家が好きなので、書かずにはいられなかった。
 そしてアーサーの女装は……書くしかないだろうこんなもの。

 アーサーに女装をさせるためにはどうするか……。それを考えた末、キャネモというやばい領主が誕生した。トロワ貧困層という悲しい町も、全てはアーサーの女装のためだった……。なんてひどい作者なんだ……。

 ここでカトリナが貴族出身という設定が加えられた。もちろん当初の設定にはそんなものはなかった。ジルがカトリナの騎士だったという話も、この時には全く考えていなかったものだ。

 双子の話は、私がざっくりとしたテーマを決めるとあとは手が勝手に書いてくれる感じだったので、私も驚く展開や設定が多々あった。私は双子の作者ということになっているが、私はただの読者であり、書いていたのは私の手だ。だから登場人物が辛い目に遭ったのも私のせいじゃないもん……。
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