【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco

文字の大きさ
189 / 718
淫魔編:フォントメウ

【209話】青年カミーユと少女リアーナとの思い出

しおりを挟む
「話が逸れちゃったわね。どこまで話したかしら…。そうそう、魔物をかろうじて町から追い出したところまでね。それからの私…祖父母以外を失った私は、それはもう荒れに荒れちゃってね。50年間はフォントメウで暮らしていたけど、我慢できなくなっちゃった。200年前にフーワの店をふっ飛ばしてからフォントメウを飛び出したの。町を出た理由はただひとつ、私の家族を殺した魔物に復讐するためよ」

「復讐…」

いやな言葉だ、とモニカは思った。だが、もしアーサーが誰かに殺されてしまったら…そう考えるとシャナの気持ちを少しは汲み取ることができた。

「復讐を果たすために、私は例の魔物を捜す旅に出たの。でも100年捜しても見つけられなかった。だから私は冒険者になった。それが一番魔物の情報が手に入りやすいと聞いたから。でも、私の怒りはその魔物だけに収めることはできなかった。魔物すべて…特に人型の魔物が憎くて憎くて仕方がなかった。だから私は…たくさんの人型魔物に死ぬよりもつらい苦痛を与えてまわっていた。私がされたようにね。痛みを…苦しみを…悲しみを…。与えられるものすべてを」

「あ…インマもそう言ってた…」

「ええ…。おそらく彼が言ってたことは本当よ。魔物はあまり嘘をつかないしね」

「で、でも今のシャナは違うよね。だってセルジュ先生の魂魄が入ったペンダントも大切にしてくれてるし…」

「そうね。今の私はもう魔物にそこまでの憎しみは持ってないわ。…私を変えてくれたのはカミーユとリアーナよ。以前も話したことがあるわよね?当時18歳だったカミーユが、S級冒険者だった私にひとめぼれしてね。それはもう毎日…毎日毎日、あの手この手で私を口説いてきたの」

「ふふっ」

シャナの表情と口調が軽くなった。モニカも思わず笑ってしまう。重い話が終わって内心ホッとしていた。

「当時荒んでいた私はひどくカミーユに冷たく当たったわ。それでも彼はめげずに口説いてきた。めんどくさくって"S級冒険者になれたら結婚してあげる"って、当時E級だった子に無茶ぶりしたっていうのに。本当にS級になってプロポーズしてきたの。もう、あのときは参ったわ…」

「カミーユって粘着質なんだね!」

「ふふ、そうねえ。それまでも何度かヒトに求婚されたことがあったけど、7年かけてS級になって指輪を渡してきたのは彼一人だったわ」

「シャナ、モテモテだあ」

「エルフはヒトに人気があるのよ。だってほら、顔やスタイルが良いでしょう?」

「うんうん」

「まあ、そんなことがあって私はカミーユと結婚することになった。約束は守らないとと思って、好きでもないのに結婚したの。どうせヒトは短命だし、数十年の辛抱だーって」

「ええー!シャナひどぉい!カミーユかわいそう!!」

「あっ、これ言っちゃだめよ?内緒よ?」

「うん…。そんなことカミーユに言えないよぉ…。カミーユ泣いちゃうよぉ…」

「今はカミーユがだいすきなのよ?」

「ほんとうにぃ…?」

モニカはシャナをじとっとした目で見つめた。シャナが「本当に本当よ!」と大きく頷く。

「結婚してから、私がカミーユに恋する瞬間がやってきたの」

「わっ…!聞きたい聞きたい!」

「私とカミーユは違うパーティだったの。でも、Aランクダンジョンを掃討するときに、たまたまカミーユのパーティと合同になってね。…そこでカミーユは初めて見たの。私の…魔物と戦う…いえ、痛めつけて楽しんでいる姿を」

「…カミーユ、どんな反応してたの?」

「何も言わなかった。ただ、それを見てからは私が手を出すより先に全ての魔物を殺した。Aランクダンジョンの敵を、大怪我を負いながら…。カミーユの大怪我が絶えないから、私は回復に専念するしかなかった。もしかしたらあえて大怪我を負ってたのかもね」

「……」

「ダンジョン掃討が終わってから二人で家に帰ったわ。帰り道にね、カミーユに聞かれたの。魔物に家族を殺されたのかって。どうして分かったの?って尋ねたら、俺もそうだからって返ってきた」

「カミーユも…?」

「ええ。カミーユも幼い頃に魔物に家族を殺された。冒険者になったのも私と同じ理由だったの。魔物に復讐するため。でも、カミーユはこうも言ってた。私と出会って、私と結婚するためにS級を目指し始めてから生きるのが楽しくなったって。復讐のためじゃなくて、好きな人のためにこれからは生きようって思うようになったって」

「カ、カミーユ…!」

カミーユの言葉にうるっと来たモニカは、たまらずシャナの腕に抱きついた。シャナはカミーユの声色を真似て彼が言ったことを再現する。

「"シャナにも、俺のために生きようって思ってもらえるように、俺、がんばるから…。魔物を殺すより、もっと楽しいことを俺が教えてやるから"って言ってくれた。そのとき私…カミーユに恋したの」

「カミーユ…!カミーユぅぅっ…!!」

「それから少しだけ、私も生きるのが楽しくなった。でも魔物の憎しみはまだ残ったままだった。その時出会ったのが、リアーナよ」

「ああ。カミーユが、おばあさんからリアーナを引き取ったって言ってたもんね。シャナがリアーナのこと浮気相手だと思ってすっごく怒ったって…」

「ちょ、ちょっと!どうしてそれを知ってるの?!もう!!カミーユとリアーナはあなたたちにどこまで話してるのよ!!これは帰ったらお説教ね…!」

「わー!!やめてっ!これをシャナに言ったってバレたらカミーユにげんこつくらっちゃうよぉっ!」

「そ、そうね…。あなたたちが怒られちゃだめだわ。聞かなかったことにするわね」

「ありがとう…」

「で、リアーナのことね。リアーナとはじめて出会った瞬間は…その、浮気相手だと思っちゃって冷静じゃなかったんだけど。落ち着いてから彼女を見たら魔物の血が流れてることはすぐに分かったわ。私はすぐさまリアーナに杖を向けた。でもカミーユがそれを止めたの。まあ、当然よね」

「そ、そんなことが…」

「カミーユはリアーナが無害だと私を説得した。それでも納得しなかった私を、彼女のおばあさまが住んでいる山頂へ連れて行ったの。魔物を憎んでいる私を…あろうことか魔女になんて出会わせた」

「ひ…ひえ…。戦ったの…?」

「戦ったというか…。私が一方的に魔法を打ちまくったというか…」

「ひぇぇ…」

「でも、リアーナのおばあさまはケタケタ笑って軽々かわすだけだったわ」

「結局どうなったの…?」

モニカが尋ねると、シャナは苦笑いをして肩をすくめた。

「私の気が済むまで魔法を打たせてくれたわ。おばあさまは私の攻撃をただただ楽しんでたみたい。私が攻撃をやめると、おやもう終わりかいなんて残念そうな顔すらしていたわ」

「さすがおばあさん…」

「落ち着いた私に、カミーユがおばあさまを紹介した。魔女なのにヒトを食べたことがない魔女。魔女なのにヒトを愛してしまう魔女。魔女なのにヒトと恋して子どもまで授かった魔女…。カミーユは教えてくれようとしたの。こんな魔物もいるんだぞって。変人だけど心優しい魔物も…」

「そうだったのね…」

「リアーナも、魔物の血が流れている子なのにヒトよりも純粋で良い子だったわ。底抜けに明るくて、憎しみを知らないまっすぐな目をしていた。しばらく私とカミーユとリアーナの3人で暮らしていたんだけど、あのときは本当に賑やかで楽しかった。それこそ、復讐なんて忘れてしまうくらいに」

「楽しそう」

3人で暮らしていた日々を思い返しているシャナの表情は本当に楽しそうだった。モニカも、小さいリアーナとまだおじさんではないカミーユが、わーわー喧嘩しながらも仲良くやっているところを想像して顔がほころんだ。

「でも、ユーリが生まれてから、リアーナが一人暮らししたいって言いだしたの。いろいろ思うところがあったのでしょうね…。だからカミーユはリアーナに家を建ててあげた。…今、リアーナとカトリナが暮らしている家がそれよ」

「えっ!リアーナとカトリナって一緒に暮らしてたのぉ?!」

「あら、知らなかったの?今度遊びに行きなさい」

「うん!そうする!」

「ユーリが生まれて、3人で幸せな時間を過ごしていたのも束の間。ユーリが教会にとられてしまった。悲しんでいる私たちを一番心配して、慰めてくれたのは他の誰でもないリアーナよ。その時に私は思ったの。どんな姿でも、どんな血をその身に流していようとも、善と悪はどちらも存在しているのよ。エルフでもヒトでも魔物でもそれは同じ。種族は関係ないんだって。そこからね。私が魔物だからって理由だけで憎むのをやめたのは」

「そうだったの…」

「そんな私にカミーユは約束してくれたの。フォントメウで虐殺を行った魔物はカミーユが倒してくれるって。だから私は本当にしたいことをしろって」

「本当にしたいことって…杖屋さん?」

「そうよ。私はもともと杖師になりたくてフーワのところで修行していたから。私はカミーユの言葉を信じて、冒険者を引退してポントワーブで杖屋を開いた。そして今に至るってわけよ」

長い長いお話が終わり、モニカはフゥー…と息を吐いた。悲しいお話とちょっぴりキュンとくる話を同時にされて、モニカの胸が色んな意味で苦しかった。くったりとシャナにもたれかかりながらぼそっと呟く。

「思ってた以上に情報量が多くてパンクしそう…」

「ふふ。モニカはこの町に来てからずっと頭がパンクしそうになってるわね」

「だってシャナのお話いっつも難しいんだもん…」

「そうね。長々と喋っちゃったわ。そろそろ出ましょうか」

「うん。話してくれてありがとう、シャナ。今日のこと、誰にも言わないよ」

「ありがとう。あんまり過去の自分をアーサーやユーリに知られたくなくて…」

「ねえシャナ。どうして私には教えてくれたの?」

「…私も誰かに吐き出してしまいたいって思っていたから。モニカはオブシーに入れ知恵されちゃってたし。私にそのことについて直接尋ねてくれたしね。それになにより、同性には心を開いてしまうものなのよ」

シャナはそう言っていたずらっぽくウィンクをした。その言葉にモニカはパッと顔を輝かせる。

「っ!シャナ…っ!もしかして私を一人前のレディとして認めてくれてるの?!」

「?何を言っているのモニカ。あなたもう15歳でしょう?立派なレディよ」

「シャナァ…!!嬉しい…!だってカミーユもリアーナも私の事ガキだって言うんだもん!」

「あらあら…。私からしたらカミーユもモニカも変わらないわよ?」

「え…?それはちょっと…」
しおりを挟む
感想 494

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。