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合宿編:最終日
合宿最後のありがたぁいお言葉
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最終日の特訓が終わった。
お風呂に入って体の汚れを落としたあと、生徒たちはサロンへ呼び出された。
今日は食堂で食事をするのではなく、音楽を聴きながら立食パーティーをするようだ。
寝衣の生徒たちは、地獄の特訓から解放されて(その上王様ゲームで引き分けにできたため)上機嫌になっている。
サロンへ来てからもずっと子どもたちの話し声がやまない。
カミーユは特にうるさかった双子の背後に立ち、彼らの口を乱暴に塞いだ。
「むぎゅっ」
「ったくこの口はいつになったら閉じるんだ。ちと静かにしてくれ。いいか?」
カミーユの問いかけに、アーサーとモニカはコクコク頷いた。
カミーユは手を離し、合宿を締めくくる主催者のありがたいお話を始める。
「長かった1か月が終わった。ここまで耐えきったおまえらに素直に拍手を送る。おつかれさん」
カミーユが小さく拍手をすると、他の大人たちも拍手をした。
ジル、カトリナ、ベニート、アデーレは、音が出てるのか出てないのか分からないくらい控えめに手を叩いていた。
リアーナとイェルドは手が痛くなりそうなほど大きな拍手を送っている。さらに指笛や「よっ!」などの合いの手までいれる始末だ。
生徒たちは照れくさそうにもじもじと、一方でどこか誇らしげに会釈をしていた。
「だが、この合宿は始まりにすぎねえ。それはお前らが一番よく分かってるだろう。合宿はあくまで自分の方向性を決めて、現状の課題点を見つけるためだけのものだ」
その言葉に生徒たちは頷いた。
カミーユに発言を求められると、彼らは順番に答えていく。
まずはダフ。
「俺は、今まで剣技を磨くことしか考えていませんでした!でもこの合宿で、盾という役割の大切さに改めて気づかされました。味方を守ることができる盾という役割、俺はすごく好きです!!これからは、剣だけでなく盾も磨いていきたいです!!」
次にライラ。
「わ、私は、この合宿のおかげで魔法を使えるようになりました。学院に帰ったら、カトリナさんに教えていただいた5連射の習得を目指して練習をしながら、魔法の練習もしていきたいです。魔法と弓術を組み合わせたらきっと強力な攻撃にも繋がるし、回復魔法で仲間を支えられるのは強みになる…。課題は弓術と魔法の切り替えを隙なくすること…」
そしてシリル。
「剣技と戦略を磨き仲間の生存率を上げることが僕の今後の課題だと思います。今日の戦い…みんなは褒めてくれたけど…僕がもっと考えてたらダフを犠牲にしない方法もあったはず…。だから、これからは簡単に味方を切り捨てないで、全員が生き残る方法を探っていけるような策士になりたいです」
続けてクラリッサ。
「私はこの合宿で新しい魔法のありかたに気付くことができました。これからは魔法の威力だけでなく、どのように活用するとより効果的かを考えながら練習に励みたいです。今後の課題は近距離戦に持ち込まれたときだと思います。いくら体術ができても、武器を持ってる強い相手だとどうしても劣勢になってしまうから」
さすが貴族組は充分な教育を受けているだけあって、理路整然とした言葉で自分の課題や目標について話した。
それらはS級が思っていたこととほとんど同じだったので、カミーユたちは感心して満足げに頷いた。
アーサーとモニカも課題や目標見つけていたようで、自分なりに一生懸命それをカミーユに伝える。
「僕は5本同時に矢を射れるようになりたい!!いっぱい練習する!今後の課題はヘビ!あと魔法瓶を上手に使いこなせるようになること!」
「わたしは攻撃力強化魔法を練習する!あとは、わたしもみんなみたいにパッって反応してバッって動けるようになりたい!やっぱりみんなに比べてわたしは動きが鈍いなーって思った!」
「おう。お前らは語彙力がちょっとアレでアホっぽいが、だいたいそんな感じだな」
ちょっとアレでアホっぽい双子がかわいかったらしい。ジルは無言で壁際まで歩いて行き、壁に額を押し付けながらブツブツと何かを呟いていた。
何を呟いているのかが全て聞こえているリアーナは、小声で「きもちわるっ」と漏らした。
「よし、その様子じゃあ安心だな。おまえら、合宿が終わっても日々の練習を怠るなよ。なりたい自分に一歩でも近づけるように、毎日毎日弱い自分と向き合うんだ。それは苦しいしつらい。だが、いつかきっと今までの苦しみを乗り越えた自分に感謝する日が来る。それは守りたいやつを守れたときだ」
カミーユの言葉を体中に沁み込ませるように、生徒たちは真剣に聞いた。
なんのために戦うのか、なんのために武術を磨くのか。学院でもそれは教えてくれていた。だがそれは教科書の一般的な言葉に過ぎない。
同じ言葉でも、カミーユが言うだけで深みが増し色がつく。
それは、彼らS級が今までたくさん仲間や庶民の死体を見てきたからなのかもしれない。守れなかった命の分まで強くなるために、血を吐くような努力をして、幾度となく死線をくぐり抜けーーやっと人を守れるようになったからなのかもしれない。
生徒たちは守りたいひとのことを考えた。
家族、仲の良い友人、自分の領地の民…そして、この一カ月を共に過ごした仲間のことも。
彼らの視線が自然と重なった。皆照れくさそうに笑い、冗談めいた口調で言葉を交わす。
「おまえらのことも守ってやるぞ!!俺は全人類を守る男になるからな!!」
「全人類。はは、ダフは規模がいつも大きいね」
「ピンチのときは私を呼んでもいいわよ!あなたたちなら特別に駆けつけてあげる」
「そ、そのときは私も呼んでね!力になれるくらい強くなるから!」
「僕たちも!!すぐ飛んでいくよー!!」
「みんなを傷つける人たちを氷漬けにしてあげるんだから!!」
「あはは!!」
彼らの会話を聞いていたS級は、口元が緩むのを抑えられなかった。
やはりこの合宿を行ったことは正しかった。合宿のおかげで、生徒たちは強くなっただけでなく、絆がしっかりと繋がった。
お風呂に入って体の汚れを落としたあと、生徒たちはサロンへ呼び出された。
今日は食堂で食事をするのではなく、音楽を聴きながら立食パーティーをするようだ。
寝衣の生徒たちは、地獄の特訓から解放されて(その上王様ゲームで引き分けにできたため)上機嫌になっている。
サロンへ来てからもずっと子どもたちの話し声がやまない。
カミーユは特にうるさかった双子の背後に立ち、彼らの口を乱暴に塞いだ。
「むぎゅっ」
「ったくこの口はいつになったら閉じるんだ。ちと静かにしてくれ。いいか?」
カミーユの問いかけに、アーサーとモニカはコクコク頷いた。
カミーユは手を離し、合宿を締めくくる主催者のありがたいお話を始める。
「長かった1か月が終わった。ここまで耐えきったおまえらに素直に拍手を送る。おつかれさん」
カミーユが小さく拍手をすると、他の大人たちも拍手をした。
ジル、カトリナ、ベニート、アデーレは、音が出てるのか出てないのか分からないくらい控えめに手を叩いていた。
リアーナとイェルドは手が痛くなりそうなほど大きな拍手を送っている。さらに指笛や「よっ!」などの合いの手までいれる始末だ。
生徒たちは照れくさそうにもじもじと、一方でどこか誇らしげに会釈をしていた。
「だが、この合宿は始まりにすぎねえ。それはお前らが一番よく分かってるだろう。合宿はあくまで自分の方向性を決めて、現状の課題点を見つけるためだけのものだ」
その言葉に生徒たちは頷いた。
カミーユに発言を求められると、彼らは順番に答えていく。
まずはダフ。
「俺は、今まで剣技を磨くことしか考えていませんでした!でもこの合宿で、盾という役割の大切さに改めて気づかされました。味方を守ることができる盾という役割、俺はすごく好きです!!これからは、剣だけでなく盾も磨いていきたいです!!」
次にライラ。
「わ、私は、この合宿のおかげで魔法を使えるようになりました。学院に帰ったら、カトリナさんに教えていただいた5連射の習得を目指して練習をしながら、魔法の練習もしていきたいです。魔法と弓術を組み合わせたらきっと強力な攻撃にも繋がるし、回復魔法で仲間を支えられるのは強みになる…。課題は弓術と魔法の切り替えを隙なくすること…」
そしてシリル。
「剣技と戦略を磨き仲間の生存率を上げることが僕の今後の課題だと思います。今日の戦い…みんなは褒めてくれたけど…僕がもっと考えてたらダフを犠牲にしない方法もあったはず…。だから、これからは簡単に味方を切り捨てないで、全員が生き残る方法を探っていけるような策士になりたいです」
続けてクラリッサ。
「私はこの合宿で新しい魔法のありかたに気付くことができました。これからは魔法の威力だけでなく、どのように活用するとより効果的かを考えながら練習に励みたいです。今後の課題は近距離戦に持ち込まれたときだと思います。いくら体術ができても、武器を持ってる強い相手だとどうしても劣勢になってしまうから」
さすが貴族組は充分な教育を受けているだけあって、理路整然とした言葉で自分の課題や目標について話した。
それらはS級が思っていたこととほとんど同じだったので、カミーユたちは感心して満足げに頷いた。
アーサーとモニカも課題や目標見つけていたようで、自分なりに一生懸命それをカミーユに伝える。
「僕は5本同時に矢を射れるようになりたい!!いっぱい練習する!今後の課題はヘビ!あと魔法瓶を上手に使いこなせるようになること!」
「わたしは攻撃力強化魔法を練習する!あとは、わたしもみんなみたいにパッって反応してバッって動けるようになりたい!やっぱりみんなに比べてわたしは動きが鈍いなーって思った!」
「おう。お前らは語彙力がちょっとアレでアホっぽいが、だいたいそんな感じだな」
ちょっとアレでアホっぽい双子がかわいかったらしい。ジルは無言で壁際まで歩いて行き、壁に額を押し付けながらブツブツと何かを呟いていた。
何を呟いているのかが全て聞こえているリアーナは、小声で「きもちわるっ」と漏らした。
「よし、その様子じゃあ安心だな。おまえら、合宿が終わっても日々の練習を怠るなよ。なりたい自分に一歩でも近づけるように、毎日毎日弱い自分と向き合うんだ。それは苦しいしつらい。だが、いつかきっと今までの苦しみを乗り越えた自分に感謝する日が来る。それは守りたいやつを守れたときだ」
カミーユの言葉を体中に沁み込ませるように、生徒たちは真剣に聞いた。
なんのために戦うのか、なんのために武術を磨くのか。学院でもそれは教えてくれていた。だがそれは教科書の一般的な言葉に過ぎない。
同じ言葉でも、カミーユが言うだけで深みが増し色がつく。
それは、彼らS級が今までたくさん仲間や庶民の死体を見てきたからなのかもしれない。守れなかった命の分まで強くなるために、血を吐くような努力をして、幾度となく死線をくぐり抜けーーやっと人を守れるようになったからなのかもしれない。
生徒たちは守りたいひとのことを考えた。
家族、仲の良い友人、自分の領地の民…そして、この一カ月を共に過ごした仲間のことも。
彼らの視線が自然と重なった。皆照れくさそうに笑い、冗談めいた口調で言葉を交わす。
「おまえらのことも守ってやるぞ!!俺は全人類を守る男になるからな!!」
「全人類。はは、ダフは規模がいつも大きいね」
「ピンチのときは私を呼んでもいいわよ!あなたたちなら特別に駆けつけてあげる」
「そ、そのときは私も呼んでね!力になれるくらい強くなるから!」
「僕たちも!!すぐ飛んでいくよー!!」
「みんなを傷つける人たちを氷漬けにしてあげるんだから!!」
「あはは!!」
彼らの会話を聞いていたS級は、口元が緩むのを抑えられなかった。
やはりこの合宿を行ったことは正しかった。合宿のおかげで、生徒たちは強くなっただけでなく、絆がしっかりと繋がった。
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