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画廊編:4人での日々
ハチミツとベルガモット
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「わああああ!!!ありがとうジュリー!!」
「どういたしまして」
「ジュリー!次わたしー!!」
「いいよ。そこの椅子に座って」
ジュリアに髪を編んでもらった女の子たちは、大喜びで鏡を覗き込んでいた。いつもは低い位置でポニーテールにするだけなので、編み込みをしてハーフアップ、おだんご頭、前髪をみつあみをしてもらった子たちはお互いに自慢し合っている。
ジュリアは仕事が丁寧な上に速い。一人の髪をセットするのに10分もかからなかった。
はじめはギシギシの髪を触ることに嫌悪感を抱いていたが、あまりに子どもたちが喜ぶのでジュリアも楽しくなっていた。
それに、ジュリアは屈託のない笑顔を向けられたことがほとんどなかった。彼女の地位と悪い噂のせいで、だいたいの人たちは恐怖を滲ませた作り笑いしかしない。目が合うこともほとんどない。リリー寮の生徒たちでさえ、ジュリアの前で素の笑顔を向ける人は少ない。そんな笑顔を彼女に向けるのは、双子とマーサくらいだった。
そんな彼女に子どもたちが飾り気のない笑顔を向ける。
以前ジュリア王女としてある町を訪れたときに庶民から憎しみのこもった目を向けられたことを鮮明に覚えていた彼女にとって、その笑顔は眩しくこみ上げてくるものがあった。
(この子たちも、私の正体を知ったらこんな笑顔は向けてくれなくなるのでしょうね)
「あの…ジュ、ジュリー…?」
髪を編んで欲しくて並んでいた子どもたちが全員はけたあと、一人の子どもがおずおずとジュリアに声をかけた。6~7歳くらいの見た目で、髪の長さが鎖骨あたりまである。パッと見たら女の子に見えるが、服が男物だったので男の子なのだろう。他の男の子は全員短髪なので、ジュリアは不思議に思った。
「どうしたの?」
「僕の髪も編んでくれる…?」
「いいよ。座って」
男の子はモジモジしながら椅子に座った。その様子をまわりの子たちがチラチラ見ている。
「名前は?」
「えっと…トロン」
「トロンくん?トロンちゃん?」
「くん…」
「そう。よろしく、トロンくん」
「うん…」
「どんな髪型にしようかな?」
「えっと、あの、前髪を編みこんで、髪の半分を結って、かわいい感じに…」
「ハーフアップね。…!!」
トロンの髪に指を通したジュリアは衝撃を受けた。他の子どもたちと比べられないほど、トロンの髪はサラサラだった。よくみると髪ツヤも素晴らしい。
(ど…どういうこと!?ここの子どもたちはみんなガシガシの髪だったわよ!?どうしてこの子だけこんなにサラサラなの…!?す…素晴らしいわ…!!)
美しい髪質に興奮してしまった美容オタクのジュリアは、トロンと会話することも忘れ夢中になって髪を編んだ。
(どうして!?なにを使っているのこの子は…!!このサラサラは手入れをしないと維持できないものだわ…!!よく見ると肌もツヤツヤだわ…!!ハリとツヤが…っ!どこの美容液を使っているのかしら!?)
黙り込んでしまったジュリアを誤解して、トロンはしょんぼりしながら呟いた。
「やっぱり…いやだよね」
「へっ!?」
「男の子の髪を編むなんて…。ごめんなさい」
「……」
トロンの視線がちらっとまわりの子どもたちの方へ動く。ジュリアもそちらへ視線を移すと、子どもたちは悪意のない笑みを浮かべながら囁き合っていた。中にはトロンを指さしている子もいる。
「はあ」
ジュリアはため息をついた。ジトっとした目で子どもたちを一瞥し、構わずトロンの髪を編み続ける。
「トロン。髪と肌の手入れを頑張ってるのね」
「えっ!」
「すぐに分かるよ。毎日なにかしてるでしょ?」
「あ、うん…」
「何をしてるか教えてくれる?」
「ハチミツと…ベルガモットの果実油…」
「え?」
「薬素材を作って稼いだお金でね、ハチミツとベルガモットの果実油を買ってるの…。ハチミツとミルクと果実油を混ぜてお湯で薄めたものを、石鹸で髪とか体を洗ったあとに塗り込んで、洗い流してる…」
「それで…この髪質と肌質に?」
「うん…」
「ど、どうしてそれを選んだの?」
「前にごはんを食べてた時に、トーストに塗ってたハチミツが髪についちゃったんだ。洗い流すのを忘れて1日過ごしててね、寝る前に洗ったら、そこだけツヤツヤになった気がしたの。
だから稼いだお金でハチミツを買ったんだけど、ハチミツって高くてね、薄めて使おうと思って…。何かと混ぜたらもっとよくなるかなって思って、施設にある食べ物とかを混ぜて試たんだ。一番良いなあって思ったのがミルクと果実油だった。それからは、毎日お風呂に入ったときは、それを髪と体を塗り込んでるんだ」
「自分で考えたのね…。試行錯誤を繰り返して」
「シコウサクゴ…?」
「トロンは綺麗になりたいの?」
「うん…。みんなからは、せっかく稼いだお金をハチミツなんかに使うなんて変だって言われちゃうけど…。ハチミツを髪に塗るなんておかしいって言われちゃうけど…。でも、きれいになりたくて…」
ジュリアはトロンの髪をじっと見た。
(私は最上級のヘアケアとスキンケアを欠かさずしている。一度のケアだけで軽く金貨5枚は飛んでいるでしょうね。…それがバカらしくなるほど、この子は安価な材料でこの髪質と肌質を保っている)
「あなた、才能があるわ」
「え?」
「この環境でそこまでの髪質と肌質を保っているなんて驚くことしかできない。綺麗になりたいからと言って自分で美容液を作ろうなんて、なかなか考えられることじゃないわ。それも、限られたお金と材料でよ。
あなたは本当に美容が好きなのね。あなたの髪と肌を見るだけで、美への追及心と熱意が伝わってくる。もっと環境が整えば…あなたであれば、いま世に出ているものよりずっと安価で効果の高い美容液が作れるかもしれないわね」
(この子に援助をしてもっと研究させてゆくゆくは商品開発を…。いえ、こんなことで援助なんてしてしまったら王族の評判が上がってしまう。あとでアーサー様とモニカ様に相談しましょう。きっと彼らであればこの子の才能を存分に発揮できる環境を整え援助をしてくださるはず。ええそうよ。アーサー様は薬の知識も深いわ。トロンとアーサー様が協力すれば、より質の良いものが生まれる)
「…ジュリーは僕のことバカにしないんだね…」
トロンははにかみながら呟いた。ジュリアが首を傾げると、彼が言葉を続ける。
「さっきも言ったけど、僕はここでいつもからかわれてるから…」
「そうかな?」
「ジュリーも見たでしょ。みんな僕のことを見てコソコソしたり笑ったりする…。きっと男の子なのに女の子みたいなことしてるから…」
「あら。私にはそうは見えないわ。よく見て」
ジュリアはトロンの肩に手を置き、コソコソ話している子どもたちの方を向かせた。トロンと目が合った子たちは、頬をぽっと赤らめて顔を背ける。
「ほら…みんな僕と目も合わせてくれないんだ…。僕が変な子だから…」
「私はそうは思わないわ。あの子たちの反応、あれは憧れと…ちょっとした恋心よ」
「?」
「みんなあなたの綺麗な髪と肌が羨ましいの。あなたのようになりたいけれど、素直になれなくてからかってしまう。あれはそういった目よ。あの子たちの目にあなたがきらいという気持ちは一切見られない」
「どうしてそんなことジュリーに分かるの?」
ジュリアは答えず微笑んだ。
「トロン。この施設内の子たちに手作りの美容液を分けてあげたらどう?きっと喜んでもらえるよ」
「そ、そんな…。きっと受け取ってもらえないよ…」
「どうして?」
「だって僕変だもん…。男の子なのに…」
「トロンはここの子どもたちが、男の子が女の子みたいなことをして笑うと思ってるの?それはありえないわ」
「ど、どうして?」
「だって、あなたたちが大好きなアビーがまさにそうじゃない」
「あ…」
「アビーに聞いたわ。ここの人たちはみんな、アビーが男の子だって知っているんでしょう?なのにみんなアビーを慕っている。それって、そういうことでしょう?誰もそんなこと気にしていないの。気にしているのは、あなただけ」
「ほ…ほんと…?」
「試しに美容液をプレゼントしてみて。きっとあなたの予想と大きく離れた反応が返ってくるはず。…さ、髪も編み終わったよ。トロンには特別に、髪をバラの形に結ってあげたから。見て」
ジュリアはトロンに手鏡を持たせ、もうひとつの手鏡で後頭部を映した。鏡越しに見る自分の頭には、ハーフアップにクルクルまとめられた髪が、バラの花のように見えた。トロンは「わぁぁ…!」と感嘆して足をパタパタさせている。
「この髪型は柔らかい髪でしかできないの。それに艶やかな髪質だからよく映える。似合ってるわ」
「ジュ、ジュリー…!ありがとう!ぼく、ぼく…!!」
「喜んでもらえてよかった。私も楽しかったよ。よかったらまた今度お化粧もさせて」
「えーーー!!いいの!?」
「むしろ私からお願いしたいわ。ああ…今からどうしようか悩むわね…。はっ!そ、そんなことより、早くプレゼントをしてきたら?それとも人にはあげたくない?」
「ううん!!ほんとはずっとみんなで使いたかったんだ!でも嫌われてると思ってたから…。ね、ねえジュリー…。一人じゃやっぱりこわいから、一緒についてきてくれる…?」
「もちろんいいわよ。行きましょう」
立ち上がったジュリアの手を、おそるおそるトロンが握った。咄嗟に拒絶してしまいそうになった。しかしトロンが縋り付くようにジュリアの手を握りしめているのを見て、ジュリアは困ったように微笑み彼の手を強く握り返した。
「どういたしまして」
「ジュリー!次わたしー!!」
「いいよ。そこの椅子に座って」
ジュリアに髪を編んでもらった女の子たちは、大喜びで鏡を覗き込んでいた。いつもは低い位置でポニーテールにするだけなので、編み込みをしてハーフアップ、おだんご頭、前髪をみつあみをしてもらった子たちはお互いに自慢し合っている。
ジュリアは仕事が丁寧な上に速い。一人の髪をセットするのに10分もかからなかった。
はじめはギシギシの髪を触ることに嫌悪感を抱いていたが、あまりに子どもたちが喜ぶのでジュリアも楽しくなっていた。
それに、ジュリアは屈託のない笑顔を向けられたことがほとんどなかった。彼女の地位と悪い噂のせいで、だいたいの人たちは恐怖を滲ませた作り笑いしかしない。目が合うこともほとんどない。リリー寮の生徒たちでさえ、ジュリアの前で素の笑顔を向ける人は少ない。そんな笑顔を彼女に向けるのは、双子とマーサくらいだった。
そんな彼女に子どもたちが飾り気のない笑顔を向ける。
以前ジュリア王女としてある町を訪れたときに庶民から憎しみのこもった目を向けられたことを鮮明に覚えていた彼女にとって、その笑顔は眩しくこみ上げてくるものがあった。
(この子たちも、私の正体を知ったらこんな笑顔は向けてくれなくなるのでしょうね)
「あの…ジュ、ジュリー…?」
髪を編んで欲しくて並んでいた子どもたちが全員はけたあと、一人の子どもがおずおずとジュリアに声をかけた。6~7歳くらいの見た目で、髪の長さが鎖骨あたりまである。パッと見たら女の子に見えるが、服が男物だったので男の子なのだろう。他の男の子は全員短髪なので、ジュリアは不思議に思った。
「どうしたの?」
「僕の髪も編んでくれる…?」
「いいよ。座って」
男の子はモジモジしながら椅子に座った。その様子をまわりの子たちがチラチラ見ている。
「名前は?」
「えっと…トロン」
「トロンくん?トロンちゃん?」
「くん…」
「そう。よろしく、トロンくん」
「うん…」
「どんな髪型にしようかな?」
「えっと、あの、前髪を編みこんで、髪の半分を結って、かわいい感じに…」
「ハーフアップね。…!!」
トロンの髪に指を通したジュリアは衝撃を受けた。他の子どもたちと比べられないほど、トロンの髪はサラサラだった。よくみると髪ツヤも素晴らしい。
(ど…どういうこと!?ここの子どもたちはみんなガシガシの髪だったわよ!?どうしてこの子だけこんなにサラサラなの…!?す…素晴らしいわ…!!)
美しい髪質に興奮してしまった美容オタクのジュリアは、トロンと会話することも忘れ夢中になって髪を編んだ。
(どうして!?なにを使っているのこの子は…!!このサラサラは手入れをしないと維持できないものだわ…!!よく見ると肌もツヤツヤだわ…!!ハリとツヤが…っ!どこの美容液を使っているのかしら!?)
黙り込んでしまったジュリアを誤解して、トロンはしょんぼりしながら呟いた。
「やっぱり…いやだよね」
「へっ!?」
「男の子の髪を編むなんて…。ごめんなさい」
「……」
トロンの視線がちらっとまわりの子どもたちの方へ動く。ジュリアもそちらへ視線を移すと、子どもたちは悪意のない笑みを浮かべながら囁き合っていた。中にはトロンを指さしている子もいる。
「はあ」
ジュリアはため息をついた。ジトっとした目で子どもたちを一瞥し、構わずトロンの髪を編み続ける。
「トロン。髪と肌の手入れを頑張ってるのね」
「えっ!」
「すぐに分かるよ。毎日なにかしてるでしょ?」
「あ、うん…」
「何をしてるか教えてくれる?」
「ハチミツと…ベルガモットの果実油…」
「え?」
「薬素材を作って稼いだお金でね、ハチミツとベルガモットの果実油を買ってるの…。ハチミツとミルクと果実油を混ぜてお湯で薄めたものを、石鹸で髪とか体を洗ったあとに塗り込んで、洗い流してる…」
「それで…この髪質と肌質に?」
「うん…」
「ど、どうしてそれを選んだの?」
「前にごはんを食べてた時に、トーストに塗ってたハチミツが髪についちゃったんだ。洗い流すのを忘れて1日過ごしててね、寝る前に洗ったら、そこだけツヤツヤになった気がしたの。
だから稼いだお金でハチミツを買ったんだけど、ハチミツって高くてね、薄めて使おうと思って…。何かと混ぜたらもっとよくなるかなって思って、施設にある食べ物とかを混ぜて試たんだ。一番良いなあって思ったのがミルクと果実油だった。それからは、毎日お風呂に入ったときは、それを髪と体を塗り込んでるんだ」
「自分で考えたのね…。試行錯誤を繰り返して」
「シコウサクゴ…?」
「トロンは綺麗になりたいの?」
「うん…。みんなからは、せっかく稼いだお金をハチミツなんかに使うなんて変だって言われちゃうけど…。ハチミツを髪に塗るなんておかしいって言われちゃうけど…。でも、きれいになりたくて…」
ジュリアはトロンの髪をじっと見た。
(私は最上級のヘアケアとスキンケアを欠かさずしている。一度のケアだけで軽く金貨5枚は飛んでいるでしょうね。…それがバカらしくなるほど、この子は安価な材料でこの髪質と肌質を保っている)
「あなた、才能があるわ」
「え?」
「この環境でそこまでの髪質と肌質を保っているなんて驚くことしかできない。綺麗になりたいからと言って自分で美容液を作ろうなんて、なかなか考えられることじゃないわ。それも、限られたお金と材料でよ。
あなたは本当に美容が好きなのね。あなたの髪と肌を見るだけで、美への追及心と熱意が伝わってくる。もっと環境が整えば…あなたであれば、いま世に出ているものよりずっと安価で効果の高い美容液が作れるかもしれないわね」
(この子に援助をしてもっと研究させてゆくゆくは商品開発を…。いえ、こんなことで援助なんてしてしまったら王族の評判が上がってしまう。あとでアーサー様とモニカ様に相談しましょう。きっと彼らであればこの子の才能を存分に発揮できる環境を整え援助をしてくださるはず。ええそうよ。アーサー様は薬の知識も深いわ。トロンとアーサー様が協力すれば、より質の良いものが生まれる)
「…ジュリーは僕のことバカにしないんだね…」
トロンははにかみながら呟いた。ジュリアが首を傾げると、彼が言葉を続ける。
「さっきも言ったけど、僕はここでいつもからかわれてるから…」
「そうかな?」
「ジュリーも見たでしょ。みんな僕のことを見てコソコソしたり笑ったりする…。きっと男の子なのに女の子みたいなことしてるから…」
「あら。私にはそうは見えないわ。よく見て」
ジュリアはトロンの肩に手を置き、コソコソ話している子どもたちの方を向かせた。トロンと目が合った子たちは、頬をぽっと赤らめて顔を背ける。
「ほら…みんな僕と目も合わせてくれないんだ…。僕が変な子だから…」
「私はそうは思わないわ。あの子たちの反応、あれは憧れと…ちょっとした恋心よ」
「?」
「みんなあなたの綺麗な髪と肌が羨ましいの。あなたのようになりたいけれど、素直になれなくてからかってしまう。あれはそういった目よ。あの子たちの目にあなたがきらいという気持ちは一切見られない」
「どうしてそんなことジュリーに分かるの?」
ジュリアは答えず微笑んだ。
「トロン。この施設内の子たちに手作りの美容液を分けてあげたらどう?きっと喜んでもらえるよ」
「そ、そんな…。きっと受け取ってもらえないよ…」
「どうして?」
「だって僕変だもん…。男の子なのに…」
「トロンはここの子どもたちが、男の子が女の子みたいなことをして笑うと思ってるの?それはありえないわ」
「ど、どうして?」
「だって、あなたたちが大好きなアビーがまさにそうじゃない」
「あ…」
「アビーに聞いたわ。ここの人たちはみんな、アビーが男の子だって知っているんでしょう?なのにみんなアビーを慕っている。それって、そういうことでしょう?誰もそんなこと気にしていないの。気にしているのは、あなただけ」
「ほ…ほんと…?」
「試しに美容液をプレゼントしてみて。きっとあなたの予想と大きく離れた反応が返ってくるはず。…さ、髪も編み終わったよ。トロンには特別に、髪をバラの形に結ってあげたから。見て」
ジュリアはトロンに手鏡を持たせ、もうひとつの手鏡で後頭部を映した。鏡越しに見る自分の頭には、ハーフアップにクルクルまとめられた髪が、バラの花のように見えた。トロンは「わぁぁ…!」と感嘆して足をパタパタさせている。
「この髪型は柔らかい髪でしかできないの。それに艶やかな髪質だからよく映える。似合ってるわ」
「ジュ、ジュリー…!ありがとう!ぼく、ぼく…!!」
「喜んでもらえてよかった。私も楽しかったよ。よかったらまた今度お化粧もさせて」
「えーーー!!いいの!?」
「むしろ私からお願いしたいわ。ああ…今からどうしようか悩むわね…。はっ!そ、そんなことより、早くプレゼントをしてきたら?それとも人にはあげたくない?」
「ううん!!ほんとはずっとみんなで使いたかったんだ!でも嫌われてると思ってたから…。ね、ねえジュリー…。一人じゃやっぱりこわいから、一緒についてきてくれる…?」
「もちろんいいわよ。行きましょう」
立ち上がったジュリアの手を、おそるおそるトロンが握った。咄嗟に拒絶してしまいそうになった。しかしトロンが縋り付くようにジュリアの手を握りしめているのを見て、ジュリアは困ったように微笑み彼の手を強く握り返した。
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