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1章
第5話 クラスメイト
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中学生活が始まり一週間が経った。クラスでは、すでに気が合う人たちでグループが作られていた。引っ込み思案の海茅も、同じクラスにいたパーカッションの子が運よくいてくれたので、今はその子といつも一緒にいる。
同じクラスで同じパートの友人は、喜田優紀という女の子だ。明るくて誰とでもすぐ仲良くなれる、元気な子だった。
海茅は優紀とお喋りしながら、クラスで一番目立っているグループにこっそり目をやった。
男の子と女の子が三人ずつで、どの子も垢抜けていて華がある。みんな念入りにセットされた髪はサラサラで、身につけているアクセサリーも雑誌で紹介されていそうなものばかりだ。仕草からも彼らが自信に溢れているのが分かる。あのグループが都会の町中を歩いている姿を、海茅は簡単に想像できた。
そのグループの一人が熱い視線に気付きこちらを見たので、海茅は慌てて顔を背けた。
クラスメイトの多田匡史。背が高くてほんのり垂れ目の彼は、海茅の中ではクラスで一番かっこいい。
海茅は匡史と話したことがないが、彼がグループの子たちと話している様子からしてとても優しそうだ。
頬を染めて俯いている海茅に、優紀がニヤニヤしながら尋ねる。
「あれぇ? もしかして海茅ちゃん、多田君のこと気になってるの?」
「そ、そんなんじゃないよ!? 違うよ!?」
優紀は「ふーん」と言ったが、表情から信じていないことが分かる。彼女は海茅の耳元に顔を近づけ、囁いた。
「聞いちゃいなよ、LINE」
「へっ!?」
「私聞いてあげよっか?」
「だ、だからそんなんじゃないってばぁ!」
海茅は大声を上げて、優紀の腕をぽかぽか叩いた。
同じクラスで同じパートの友人は、喜田優紀という女の子だ。明るくて誰とでもすぐ仲良くなれる、元気な子だった。
海茅は優紀とお喋りしながら、クラスで一番目立っているグループにこっそり目をやった。
男の子と女の子が三人ずつで、どの子も垢抜けていて華がある。みんな念入りにセットされた髪はサラサラで、身につけているアクセサリーも雑誌で紹介されていそうなものばかりだ。仕草からも彼らが自信に溢れているのが分かる。あのグループが都会の町中を歩いている姿を、海茅は簡単に想像できた。
そのグループの一人が熱い視線に気付きこちらを見たので、海茅は慌てて顔を背けた。
クラスメイトの多田匡史。背が高くてほんのり垂れ目の彼は、海茅の中ではクラスで一番かっこいい。
海茅は匡史と話したことがないが、彼がグループの子たちと話している様子からしてとても優しそうだ。
頬を染めて俯いている海茅に、優紀がニヤニヤしながら尋ねる。
「あれぇ? もしかして海茅ちゃん、多田君のこと気になってるの?」
「そ、そんなんじゃないよ!? 違うよ!?」
優紀は「ふーん」と言ったが、表情から信じていないことが分かる。彼女は海茅の耳元に顔を近づけ、囁いた。
「聞いちゃいなよ、LINE」
「へっ!?」
「私聞いてあげよっか?」
「だ、だからそんなんじゃないってばぁ!」
海茅は大声を上げて、優紀の腕をぽかぽか叩いた。
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