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第二章「躍動」
第一話「いざ」
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トシオは思った。
〈ビルからビルへ飛び移るって、本当に僕なんかで出来るのか?〉
目の前には摩天楼(ビル群)が見える。
〈でも、アイーダさんにあれだけ勇気を与えてもらったんだ。僕には出来る。よし!!!〉
そして、トシオはたった今出てきたテクノガジェット999の敷地内から、後ろに下がりに下がって、助走をつけて、またたく間に目の前のビルへと走り出した。
「一か八かだっ!!」
するとトシオは自分でも信じられないくらい高く宙に舞い、あやうく、目の前のビルを飛び越してしまうほど舞い上がった!
「僕は…、もしかしたら…、この世界でかなりの強者かもしれない」
トシオは飛んでる最中真っ先にそう思った。
そして、飛び上がった後、なんとか手前のビルに着地した。するとーー
「おっ…?」
ビルの看板が元は「焼き肉専門店ふじや」だったのが、なんと、トシオが屋上に着地したとたん、看板の表記が、「焼き肉専門店トシオ」に変わった。
「これが、アイーダの言っていた「陣地取り」の現象か…。」
そして、そのビルの中から、店の店長と思わしき、ハチマキを巻いた男が現れた。
「お話は聞いております。この世界に新たに現れた〝救世主〟トシオ様ですね。今回はわが店「焼き肉専門店ふじや」を高名あるトシオ様にお足をつけてもらい、トシオ様、いや、「神」の傘下に置いていただき、誠に光栄でございます。これからもどんどん他店を踏みしめて、領地をお増やし下さい。それでは~」
「あ、待って!この店の経営はどうするの?僕が最高責任者?」
「〝領土主〟というのが正しいですかね、この世界では…。もちろん一番偉いのは神・トシオ様ですが、これからどんどん領地を増やすのに、ひとつひとつの経営をしていかなくてはならないとしたら、体がいくつあっても足りないでしょう。なのでご心配なく。経営はわたしたちがやります。トシオ様には領土の拡大と、ご名義だけお借り出来たら幸いです。」
「そうか、じゃあ頼むよ。これから一戦交える予定だから」
「ご武運を」
そうして、おれは、ひとつ、またひとつ、と領地を増やしていった。そして、とうとう感知センサーで感じた、敵のいる範囲までたどり着いた。
そして、その男は立っていた。無言で一点だけを見つめて。
おれは聞いた。
「なぜ、最初はそっちから俺に近づいてきていたのに、途中でその一点で静止していた?こっちが来るのを待っていたのか?」
すると、その男は、
「神…う…、うぅ…」
その男は泣きじゃくっていた。
トシオはえらく奇妙に思った。
続く
〈ビルからビルへ飛び移るって、本当に僕なんかで出来るのか?〉
目の前には摩天楼(ビル群)が見える。
〈でも、アイーダさんにあれだけ勇気を与えてもらったんだ。僕には出来る。よし!!!〉
そして、トシオはたった今出てきたテクノガジェット999の敷地内から、後ろに下がりに下がって、助走をつけて、またたく間に目の前のビルへと走り出した。
「一か八かだっ!!」
するとトシオは自分でも信じられないくらい高く宙に舞い、あやうく、目の前のビルを飛び越してしまうほど舞い上がった!
「僕は…、もしかしたら…、この世界でかなりの強者かもしれない」
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そして、飛び上がった後、なんとか手前のビルに着地した。するとーー
「おっ…?」
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そして、そのビルの中から、店の店長と思わしき、ハチマキを巻いた男が現れた。
「お話は聞いております。この世界に新たに現れた〝救世主〟トシオ様ですね。今回はわが店「焼き肉専門店ふじや」を高名あるトシオ様にお足をつけてもらい、トシオ様、いや、「神」の傘下に置いていただき、誠に光栄でございます。これからもどんどん他店を踏みしめて、領地をお増やし下さい。それでは~」
「あ、待って!この店の経営はどうするの?僕が最高責任者?」
「〝領土主〟というのが正しいですかね、この世界では…。もちろん一番偉いのは神・トシオ様ですが、これからどんどん領地を増やすのに、ひとつひとつの経営をしていかなくてはならないとしたら、体がいくつあっても足りないでしょう。なのでご心配なく。経営はわたしたちがやります。トシオ様には領土の拡大と、ご名義だけお借り出来たら幸いです。」
「そうか、じゃあ頼むよ。これから一戦交える予定だから」
「ご武運を」
そうして、おれは、ひとつ、またひとつ、と領地を増やしていった。そして、とうとう感知センサーで感じた、敵のいる範囲までたどり着いた。
そして、その男は立っていた。無言で一点だけを見つめて。
おれは聞いた。
「なぜ、最初はそっちから俺に近づいてきていたのに、途中でその一点で静止していた?こっちが来るのを待っていたのか?」
すると、その男は、
「神…う…、うぅ…」
その男は泣きじゃくっていた。
トシオはえらく奇妙に思った。
続く
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