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授業中に作成したメモを片手に翠はクローゼットの扉を開いた。扉を開くとゆったりとした笑みで紅は翠を出迎えた。
「おかえり。今日は遅いのね」
「うん。クラブ活動があったから」
「へぇ、なんのクラブに入っているの?」
「家庭科クラブ」
「お料理とか、縫物をするクラブ?」
「そうだよ」
「翠に似合ってるわね」
「そうかな?」
翠はクラスの女子の間で人気だったバスケットボールクラブを志望していたのだ。言われてみれば自分に運動部は似合わないかもしれないと、紅に言われて思い直す。
そんな些細な会話から始まり、紅は学校のことに興味があるのか話の流れに沿って学校のことをあれこれと翠に尋ねた。翠はそれに対して逐一回答し、手に持っているメモの事は途中まですっかり忘れていた。
翠が学芸会のことについて説明し終えたところで話が途切れ、翠はメモの存在を思い出す。
「あのさぁ、紅」
「なぁに?」
「いくつか聞きたいことがあって……ぼくたち、まだ仲が良いとは言えないかもしれないけど」
まだ三日目だ。出会って三日の相手のことを、仲良しとは呼ばない。
「ちょっとぐらいなら答えてもいいけど」
「本当に? ありがとう。それじゃあ……」
疑問そのいち。リストの一番上にある質問。
「ええと、紅はいつからここのクローゼットにいるの?」
「八年前」
意外にもあっさりと紅は質問に回答した。八年前というと、翠が三歳の時だ。
「そのとき紅は……」
「三歳。翠とおんなじ」
「だよね」
しかし三歳というと翠はあまり記憶が残っていない。パパは今も昔も変わらず仕事が忙しく、翠は赤ちゃんの頃から保育園に通っていたと聞かされており、三歳の頃も保育園に行っていたという事しかわからない。小学校に入学してから知った事だが、一般的な家庭は子どもが幼い頃は家族でレジャーに出かけたりするのだそうだ。翠の場合はパパの仕事が忙しく母親も亡くなっている為そういった事は経験してこなかった。
「じゃあなんでクローゼットに?」
「パパに聞いてみたら?」
「パパにはきみのことを秘密にするって話だったじゃん」
「そっか、じゃあわからない」
それは本当にわからないのではなく、答えをはぐらかすときの『わからない』だった。翠からしてみれば不服だったが仕方がない。
「あ、それなら……そのときぼくのこと知ってた? というか、ぼくが見つけるまでぼくのこと知ってた?」
「知ってたと言い切るのは何か違うけれど……でも知ってたか知らなかったかと言われれば知っていた」
隠れるということは何かから逃げている状態にある。どこかへ隠れている間、多少なりとも隠れ家の外について知っているものだ。
「知ってたんだ」
当然ながら翠はクローゼットを開けるまで紅のことなど全く知らなかった。こんな身近に友達が隠れているとは想像もしていなかったからだ。
「こんなに早く見つかるとは思ってなかったけれどね」
「どういうこと?」
「クローゼットの鍵がこんなに早く解かれるなんて想定外だったってこと。じゃあ今日はまたね」
「あっ……」
最後に意味ありげな台詞を吐いて紅はクローゼットの奥へと姿を消した。
クローゼットの鍵とはどういうことだろう。
翠が覚えうる限り、クローゼットに鍵なんてものはついていなかった――ように思う。翠はほとんど無意識だった。なんとなくクローゼットをみつけて、というよりは今まで特に気にも留めていなかったクローゼットがそこに『ある』ということに気が付いた。一度認識してしまえばあとはその扉を開けるだけ。ごく自然な流れでその扉を開いた時、紅という友達が現れたのだ。
(幼い頃のことなら、柚希に聞けば何かわかるかも)
紅に直接尋ねる以外の方法で紅のことを少しでも明らかにしようと翠は天才的に閃いた。
葛にもそれとなく昔のことを聞いてみればヒントぐらいは掴めるかもしれないと、翠は自覚のないうちに随分と紅のことばかり考えるようになっていたらしい。紅の事。新しい友達という要素に加えクローゼットの鉄格子の向こうにいるというミステリアスな女の子。十一歳の翠が夢中になる要素は充分すぎる程揃っていた。
柚希に小さい頃の事を聞いてみる。翠が昨日思いついたアイデアにはひとつ大きな欠陥があった。
翠が五年一組なのに対し、柚希は五年三組。クラブ活動は毎週木曜日。違うクラスの二人は木曜日のクラブ活動でしか交流がなかった。わざわざ訪ねて保育園の頃の話を聞く、というのも違う気がして結局翠はこの日、柚希に昔のことを尋ねる事ができなかった。チャンスは来週の木曜日。翠はあと一週間も待たなければいけない事に待ちきれない思いだったが、仕方がないのだと諦めるしかなかった。
「ねぇ翠!」
授業と授業の間の五分休憩。二時間目の社会の教科書とノートを机の中から引っ張り出していると前に座る凛子が声をかけてきた。
「なに?」
「今日の放課後に瑞樹とか由愛とかとくすのき公園でケイドロやるんだけど翠も来ない?」
翠は特定の友達といることが多く、普段はあまり交流のない凛子に遊び、それも放課後遊ぶ事に誘われとても嬉しく思った。それと同時にパパから放課後に出かける事を禁止されていると思い出し、せっかくの誘いを断らなければならない事を悲痛に思った。
「ごめん、放課後は遊べなくて……」
一年生の頃から放課後遊びに誘われると断っていた為、次第に誘われなくなっていたがこうして誘われたのは久しぶりの事だった。だから尚更嬉しかったのだ。
「そっかー残念」
「うん、ごめんね」
クラスの女子の中でも中心にいる凛子の誘いを断るのは翠にとって怖い事でもあった。今までにもクラスの中心にいる女子の誘いを断って仲間外れにされたりいじめのターゲットにされるという事はあった。しかしパパの言いつけを無視する事のほうが、翠にとってはよっぽど怖い事だ。
「翠~、これ遅くなっちゃってごめん~」
翠が五年生になってから仲良くしている玲那だった。玲那はポニーテールのよく似合う活発な女の子で翠がバスケットボールクラブに入れないことを知ると自らも家庭科クラブに入ると言ってくれた友達思いな人物だった。結局のところ、少年団に入っているのだからバスケットボールクラブに入った方が良いという翠の意見で玲那は首を縦に振った為ふたりは違うクラブに所属する事になった。
「いまみていい?」
「だめだめ! ちゃんと家に帰ってからみてよ」
渡されたブルーのノートはふたりの交換日記だった。ノートの表紙には玲那のまるっこい字で『交換日記※れなとみどり以外はえつらんきんし!』と書かれている。
このクラスになって最初の座席、席が前後だった際に玲那に誘われて始めたものだ。初めの頃はお互いのプロフィールなんかを書いていたが、二か月経った今では家での出来事や面白かったマンガの話なんかをしている。もしくは、お絵かきをしてみたり。
「わかった。じゃあ家に帰ってからみる」
「絶対ね!」
授業中にでもこそこそとノートを開いて玲那が何を書いたのか確認してしまいたかったが、秘密のノートを教室という場所で開いてしまうのは良くない気がして結局翠はそのノートをすぐにランドセルへとしまった。
「おかえり。今日は遅いのね」
「うん。クラブ活動があったから」
「へぇ、なんのクラブに入っているの?」
「家庭科クラブ」
「お料理とか、縫物をするクラブ?」
「そうだよ」
「翠に似合ってるわね」
「そうかな?」
翠はクラスの女子の間で人気だったバスケットボールクラブを志望していたのだ。言われてみれば自分に運動部は似合わないかもしれないと、紅に言われて思い直す。
そんな些細な会話から始まり、紅は学校のことに興味があるのか話の流れに沿って学校のことをあれこれと翠に尋ねた。翠はそれに対して逐一回答し、手に持っているメモの事は途中まですっかり忘れていた。
翠が学芸会のことについて説明し終えたところで話が途切れ、翠はメモの存在を思い出す。
「あのさぁ、紅」
「なぁに?」
「いくつか聞きたいことがあって……ぼくたち、まだ仲が良いとは言えないかもしれないけど」
まだ三日目だ。出会って三日の相手のことを、仲良しとは呼ばない。
「ちょっとぐらいなら答えてもいいけど」
「本当に? ありがとう。それじゃあ……」
疑問そのいち。リストの一番上にある質問。
「ええと、紅はいつからここのクローゼットにいるの?」
「八年前」
意外にもあっさりと紅は質問に回答した。八年前というと、翠が三歳の時だ。
「そのとき紅は……」
「三歳。翠とおんなじ」
「だよね」
しかし三歳というと翠はあまり記憶が残っていない。パパは今も昔も変わらず仕事が忙しく、翠は赤ちゃんの頃から保育園に通っていたと聞かされており、三歳の頃も保育園に行っていたという事しかわからない。小学校に入学してから知った事だが、一般的な家庭は子どもが幼い頃は家族でレジャーに出かけたりするのだそうだ。翠の場合はパパの仕事が忙しく母親も亡くなっている為そういった事は経験してこなかった。
「じゃあなんでクローゼットに?」
「パパに聞いてみたら?」
「パパにはきみのことを秘密にするって話だったじゃん」
「そっか、じゃあわからない」
それは本当にわからないのではなく、答えをはぐらかすときの『わからない』だった。翠からしてみれば不服だったが仕方がない。
「あ、それなら……そのときぼくのこと知ってた? というか、ぼくが見つけるまでぼくのこと知ってた?」
「知ってたと言い切るのは何か違うけれど……でも知ってたか知らなかったかと言われれば知っていた」
隠れるということは何かから逃げている状態にある。どこかへ隠れている間、多少なりとも隠れ家の外について知っているものだ。
「知ってたんだ」
当然ながら翠はクローゼットを開けるまで紅のことなど全く知らなかった。こんな身近に友達が隠れているとは想像もしていなかったからだ。
「こんなに早く見つかるとは思ってなかったけれどね」
「どういうこと?」
「クローゼットの鍵がこんなに早く解かれるなんて想定外だったってこと。じゃあ今日はまたね」
「あっ……」
最後に意味ありげな台詞を吐いて紅はクローゼットの奥へと姿を消した。
クローゼットの鍵とはどういうことだろう。
翠が覚えうる限り、クローゼットに鍵なんてものはついていなかった――ように思う。翠はほとんど無意識だった。なんとなくクローゼットをみつけて、というよりは今まで特に気にも留めていなかったクローゼットがそこに『ある』ということに気が付いた。一度認識してしまえばあとはその扉を開けるだけ。ごく自然な流れでその扉を開いた時、紅という友達が現れたのだ。
(幼い頃のことなら、柚希に聞けば何かわかるかも)
紅に直接尋ねる以外の方法で紅のことを少しでも明らかにしようと翠は天才的に閃いた。
葛にもそれとなく昔のことを聞いてみればヒントぐらいは掴めるかもしれないと、翠は自覚のないうちに随分と紅のことばかり考えるようになっていたらしい。紅の事。新しい友達という要素に加えクローゼットの鉄格子の向こうにいるというミステリアスな女の子。十一歳の翠が夢中になる要素は充分すぎる程揃っていた。
柚希に小さい頃の事を聞いてみる。翠が昨日思いついたアイデアにはひとつ大きな欠陥があった。
翠が五年一組なのに対し、柚希は五年三組。クラブ活動は毎週木曜日。違うクラスの二人は木曜日のクラブ活動でしか交流がなかった。わざわざ訪ねて保育園の頃の話を聞く、というのも違う気がして結局翠はこの日、柚希に昔のことを尋ねる事ができなかった。チャンスは来週の木曜日。翠はあと一週間も待たなければいけない事に待ちきれない思いだったが、仕方がないのだと諦めるしかなかった。
「ねぇ翠!」
授業と授業の間の五分休憩。二時間目の社会の教科書とノートを机の中から引っ張り出していると前に座る凛子が声をかけてきた。
「なに?」
「今日の放課後に瑞樹とか由愛とかとくすのき公園でケイドロやるんだけど翠も来ない?」
翠は特定の友達といることが多く、普段はあまり交流のない凛子に遊び、それも放課後遊ぶ事に誘われとても嬉しく思った。それと同時にパパから放課後に出かける事を禁止されていると思い出し、せっかくの誘いを断らなければならない事を悲痛に思った。
「ごめん、放課後は遊べなくて……」
一年生の頃から放課後遊びに誘われると断っていた為、次第に誘われなくなっていたがこうして誘われたのは久しぶりの事だった。だから尚更嬉しかったのだ。
「そっかー残念」
「うん、ごめんね」
クラスの女子の中でも中心にいる凛子の誘いを断るのは翠にとって怖い事でもあった。今までにもクラスの中心にいる女子の誘いを断って仲間外れにされたりいじめのターゲットにされるという事はあった。しかしパパの言いつけを無視する事のほうが、翠にとってはよっぽど怖い事だ。
「翠~、これ遅くなっちゃってごめん~」
翠が五年生になってから仲良くしている玲那だった。玲那はポニーテールのよく似合う活発な女の子で翠がバスケットボールクラブに入れないことを知ると自らも家庭科クラブに入ると言ってくれた友達思いな人物だった。結局のところ、少年団に入っているのだからバスケットボールクラブに入った方が良いという翠の意見で玲那は首を縦に振った為ふたりは違うクラブに所属する事になった。
「いまみていい?」
「だめだめ! ちゃんと家に帰ってからみてよ」
渡されたブルーのノートはふたりの交換日記だった。ノートの表紙には玲那のまるっこい字で『交換日記※れなとみどり以外はえつらんきんし!』と書かれている。
このクラスになって最初の座席、席が前後だった際に玲那に誘われて始めたものだ。初めの頃はお互いのプロフィールなんかを書いていたが、二か月経った今では家での出来事や面白かったマンガの話なんかをしている。もしくは、お絵かきをしてみたり。
「わかった。じゃあ家に帰ってからみる」
「絶対ね!」
授業中にでもこそこそとノートを開いて玲那が何を書いたのか確認してしまいたかったが、秘密のノートを教室という場所で開いてしまうのは良くない気がして結局翠はそのノートをすぐにランドセルへとしまった。
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