3 / 21
第3話 夫の疑問、妻の不安
しおりを挟む妻の妊娠の後、二人で大学病院の産婦人科に行った。
「河西さん。三ヶ月ですね。妊娠に間違いありません」
「そうですか。ありがとうございます」
僕は、担当医師にお礼を言いながら、どうしても頭から消えない疑問が有った。
妻は、別室にいる。
「先生。あの……」
「なんですか」
「こういう事、聞くのなんなのですが。受精日とか、赤ちゃんの血液型ってわかりますか」
医師は、僕の質問の意図を理解したのだろう。
「受精日は、正確に分かります。血液型も分かります。調べますか」
「はい、出来れば妻には内緒で」
「……分かりました。ご事情があるようですね。正確には、DNA鑑定も有りますが、今は、先の二つの項目でまず判断しましょう」
「宜しくお願いします」
病院の帰りに
「ねえ、あなた。ご両親にも知らせないと」
「そうだな。きっと喜ぶ」
「ふふっ、嬉しいわ。やっと、コウノトリが運んできてくれたのね」
「ふーん。香澄も面白い事言うな」
「だって。中々出来なかったんですもの。そう考えた方が、素敵でしょ」
コウノトリか。僕の子でなかったら。……考えたくもない。この子は僕と香澄の子だ。
そうであって欲しい。
一週間後、僕は、妻に内緒で担当医を訪ねた。
「河西さん。受精日は、八月七日です。血液型は、O型です」
「妻の血液型はA、僕の血液型はO。その日は、記憶にあります」
「では、喜んで宜しいと思います」
意図を汲んだ言葉と分かった。普通医師はこんな事言わない。
「先生、ありがとうございました」
「良かったですね。河西さん」
「はい」
帰りの道は、大分心が軽かった。少しだけの不安を除けば。
そうだ。香澄に、好きなケーキを買って帰ろう。疑問を持った僕の心の中の謝罪として。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「これ」
「えっ、わーっ、モンブランのホールケーキ。嬉しい。でも一人じゃ食べれないからあなたと一緒で」
「もちろんだよ」
玄関から上がると妻を優しく抱擁しながら唇に軽くキスをした。もう疑うのは止そう。
食事の後、
「ねえ、あなた」
「なに」
何故かすり寄って来ている。なんだろう。
「妊娠してから、雑誌買ったのね。生活の中で注意する事とか書いてある本。その中にね。……妊娠するとあれが出来ないでしょ。そうすると夫の浮気をする確率が高くなるんですって」
「へっ?」
「でね。浮気を防ぐ為に、妻が出来る事っていうページにね……。
お口でしてあげるといいって書いてあった」
妻の顔が赤くなっている。
「お、お前。でもそんな事した事無いし。それに浮気なんてしないから」
「でも、万が一とか気の迷いとかあるでしょ。だから。ねっ」
「……」
「一緒にお風呂入ろ」
「はっ?!」
「大きい。こんなの入っていたんだ」
「まじまじ見ないで」
今、バスユニットの縁に座らされている。何か変な感じ。
「とりあえず、してみるね」
妻が、口を開けて僕のあれを含んだ。
「うーっ。はいりゃなう」
「いきなり全部は無理だから。先から口に含んでみたら」
もう、仕方でもググっておけばよかった。こんどそうしよう。
先の方だけ、くわえてみた。楽だ。ちょっと舌を使ってみよう。
「うっ」
先の方を舌で舐め回しながら少し口を前後してみた。
「うっ、いいんじゃないか」
上目使いに夫の顔を見ると私をじっと見ていた。
何となく私のやりやすい様にして、段々口を前後しながら、あれを手で扱いてみた。
そのまま続けていると
「うっ、上手い。ちょ、ちょっと。あっ、だめ」
いきなり後頭部を掴まれると私の口の中に一気に押し込んできた。
「で、出る」
あれが喉にぶつかる位入れられると、先端から熱いものが吐き出された。あれがピクンと動くたびに吐き出されてくる。
「ふぐっ、ふぐっ」
口の中が一杯だ。私はたまらず、あれを口から抜いて、吐き出した。
「げほっ、げほっ」
お風呂に付いている鏡で、自分の顔を見ると、私の口の周りが夫の熱い白い液体で濡れていた。
「香澄、ごめん。初めてだから」
私は、シャワーで口の中を洗ってしまうと
「ううん。ごめんなさい。私から誘っておいて、上手くできなかった」
本当は飲んだ方が男は喜ぶと書いてあったけど、とても出来ない。
大混乱(大混戦?)の後は、夫と一緒にバスタブに入りながら後ろから優しく胸を触ってくれた。今の私には、十分気持ちいい。
お風呂から上がった夫は、気分がいいのか、ビールを飲んだ後、先にベッドで寝てしまった。
ふふっ、出しちゃったもんね。今度はもっとうまくしてあげよう。勉強しなきゃ。
浮気なんかさせないから。
私には、頭の片隅に一抹の不安が有った。
この子は私の子。でも夫は、……。考えたくない。
洋二とは、あれ以来、月に一度安全日の昼間に会っている。もう一年になる。
あの日は、危険日だったけど洋二の都合で会った。付けずにしてしまった。
だから、夫ともその日の夜した。
受精日は問題ない。洋二も康人と同じO型。血液型からバレる事もない。ここまで一緒なら、まず疑わないだろう。よほどの事がない限りDNA鑑定なんてしないはず。
でも子供が大きくなって来た時、康人じゃなく洋二に似ていたら。
今から考えてもしかたない。
どちらの子でも、この子は私の子。愛した人(達)の子。せっかく授かった子。
大事に産んで育てよう。
―――――
おーい。香澄さん。浮気なんかさせないからって……。
この後どうなるの?
次回をお楽しみに。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる