妻の秘密

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第3話 夫の疑問、妻の不安

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 妻の妊娠の後、二人で大学病院の産婦人科に行った。

「河西さん。三ヶ月ですね。妊娠に間違いありません」
「そうですか。ありがとうございます」

 僕は、担当医師にお礼を言いながら、どうしても頭から消えない疑問が有った。
妻は、別室にいる。
「先生。あの……」
「なんですか」
「こういう事、聞くのなんなのですが。受精日とか、赤ちゃんの血液型ってわかりますか」

医師は、僕の質問の意図を理解したのだろう。
「受精日は、正確に分かります。血液型も分かります。調べますか」
「はい、出来れば妻には内緒で」
「……分かりました。ご事情があるようですね。正確には、DNA鑑定も有りますが、今は、先の二つの項目でまず判断しましょう」
「宜しくお願いします」

病院の帰りに
「ねえ、あなた。ご両親にも知らせないと」
「そうだな。きっと喜ぶ」
「ふふっ、嬉しいわ。やっと、コウノトリが運んできてくれたのね」
「ふーん。香澄も面白い事言うな」
「だって。中々出来なかったんですもの。そう考えた方が、素敵でしょ」

 コウノトリか。僕の子でなかったら。……考えたくもない。この子は僕と香澄の子だ。
そうであって欲しい。


一週間後、僕は、妻に内緒で担当医を訪ねた。
「河西さん。受精日は、八月七日です。血液型は、O型です」
「妻の血液型はA、僕の血液型はO。その日は、記憶にあります」
「では、喜んで宜しいと思います」

 意図を汲んだ言葉と分かった。普通医師はこんな事言わない。

「先生、ありがとうございました」
「良かったですね。河西さん」
「はい」

 帰りの道は、大分心が軽かった。少しだけの不安を除けば。
そうだ。香澄に、好きなケーキを買って帰ろう。疑問を持った僕の心の中の謝罪として。

「ただいま」
「お帰りなさい」
「これ」
「えっ、わーっ、モンブランのホールケーキ。嬉しい。でも一人じゃ食べれないからあなたと一緒で」
「もちろんだよ」

玄関から上がると妻を優しく抱擁しながら唇に軽くキスをした。もう疑うのは止そう。


食事の後、
「ねえ、あなた」
「なに」
何故かすり寄って来ている。なんだろう。

「妊娠してから、雑誌買ったのね。生活の中で注意する事とか書いてある本。その中にね。……妊娠するとあれが出来ないでしょ。そうすると夫の浮気をする確率が高くなるんですって」
「へっ?」

「でね。浮気を防ぐ為に、妻が出来る事っていうページにね……。
 お口でしてあげるといいって書いてあった」
妻の顔が赤くなっている。

「お、お前。でもそんな事した事無いし。それに浮気なんてしないから」
「でも、万が一とか気の迷いとかあるでしょ。だから。ねっ」
「……」
「一緒にお風呂入ろ」
「はっ?!」


「大きい。こんなの入っていたんだ」
「まじまじ見ないで」

今、バスユニットの縁に座らされている。何か変な感じ。

「とりあえず、してみるね」

妻が、口を開けて僕のあれを含んだ。
「うーっ。はいりゃなう」
「いきなり全部は無理だから。先から口に含んでみたら」

もう、仕方でもググっておけばよかった。こんどそうしよう。

先の方だけ、くわえてみた。楽だ。ちょっと舌を使ってみよう。
「うっ」

先の方を舌で舐め回しながら少し口を前後してみた。
「うっ、いいんじゃないか」

 上目使いに夫の顔を見ると私をじっと見ていた。
 何となく私のやりやすい様にして、段々口を前後しながら、あれを手で扱いてみた。
そのまま続けていると
「うっ、上手い。ちょ、ちょっと。あっ、だめ」

 いきなり後頭部を掴まれると私の口の中に一気に押し込んできた。
「で、出る」

 あれが喉にぶつかる位入れられると、先端から熱いものが吐き出された。あれがピクンと動くたびに吐き出されてくる。
「ふぐっ、ふぐっ」

 口の中が一杯だ。私はたまらず、あれを口から抜いて、吐き出した。
「げほっ、げほっ」
 お風呂に付いている鏡で、自分の顔を見ると、私の口の周りが夫の熱い白い液体で濡れていた。

「香澄、ごめん。初めてだから」

私は、シャワーで口の中を洗ってしまうと
「ううん。ごめんなさい。私から誘っておいて、上手くできなかった」

本当は飲んだ方が男は喜ぶと書いてあったけど、とても出来ない。

 大混乱(大混戦?)の後は、夫と一緒にバスタブに入りながら後ろから優しく胸を触ってくれた。今の私には、十分気持ちいい。


 お風呂から上がった夫は、気分がいいのか、ビールを飲んだ後、先にベッドで寝てしまった。

 ふふっ、出しちゃったもんね。今度はもっとうまくしてあげよう。勉強しなきゃ。
浮気なんかさせないから。



 私には、頭の片隅に一抹の不安が有った。
この子は私の子。でも夫は、……。考えたくない。
 
 洋二とは、あれ以来、月に一度安全日の昼間に会っている。もう一年になる。
あの日は、危険日だったけど洋二の都合で会った。付けずにしてしまった。
だから、夫ともその日の夜した。

 受精日は問題ない。洋二も康人と同じO型。血液型からバレる事もない。ここまで一緒なら、まず疑わないだろう。よほどの事がない限りDNA鑑定なんてしないはず。

 でも子供が大きくなって来た時、康人じゃなく洋二に似ていたら。
今から考えてもしかたない。

 どちらの子でも、この子は私の子。愛した人(達)の子。せっかく授かった子。
大事に産んで育てよう。



―――――

おーい。香澄さん。浮気なんかさせないからって……。
この後どうなるの?

次回をお楽しみに。


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。


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