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10.お会いしてました
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放課後──。
私は、ヴァンフォートを実技館裏に呼び出した。人伝に、私が待っているという事は伏せて呼び出して貰ったのだ。
警戒心の強いあの男の事、素直に応じるかどうかは定かではなかったが、幸運な事に彼は引っ掛かってくれた。
「ヴァンフォートさまぁ、ご用って何ですかぁ?」
「すぐに終わるよ」
……いや、何故だか余計なオマケまでついてきていたけれど。
まてよ、と私は思った。急だけど、どうせ彼女が一緒なら話す内容を少しかえてみようか。
私の顔を見ると、ありありとその表情は不機嫌になっていったけど。
「呼び出してごめんなさい」
「待っているのが君だと分かっていたら来なかったけどな」
ヴァンフォートはそう吐き捨て続けた。
「一体今さら何の用だフレア。まさか今さら復縁したいとでも言う気じゃないだろうな。残念だが、この通り僕の心はリイネにある。諦めろ」
傍らで佇むリイネの肩を抱き寄せて、ヴァンフォートは見せつけるように不敵に笑った。
「今回はただご相談したい事があって、お呼びしたのです」
「相談?」
「ええ、実はこの学園には今、ラ・ベイザルド教会の調査員の方がお越しになっています。学園内で特二級の魔法の無断行使が確認された為、その調査に」
ヴァンフォートの表情がぴくりと動いた。
「生徒であれ教師であれ、無断の魔法行使は許される事ではありません。そこでヴァンフォート貴方のお話も聞いてみたいと」
「なんだ、話って?」
「特二級魔法の発生が確認されたのは六日前の夜の事です。その夜、貴方は何処で何をされていましたか?」
ヴァンフォートは肩をすくめてみせる。
「調査員が来てるなら、調査はその人に任せたまえ。君に僕のプライベートを話す義務はない」
「それがあるんです」
「なんだって?」
「私、教会調査員の方から手伝いを依頼されています。もし貴方が話して下さらないのなら、私はその調査員に、非協力的だったと報告するだけです」
「……」
「別に、当日その時間何処で何をしていたのかだけ教えて頂ければいいんですよ? それとも何かやましい事でも?」
ヴァンフォートは小さく舌打ちしてみせた。
「……寮の部屋に居たよ」
「それを証明出来る人間は?」
「いない、一人だった」
「そうですか、ではリイネさん、貴女は?」
「彼女は関係ないだろう」
「ありますよ。容疑者はこの学園の全員です」
私は再びリイネの方を向き、尋ねた。
「リイネさん、六日前の夜は、何処で何をされていましたか?」
彼女はチラリと不安そうな視線をヴァンフォートへ向けた。彼は溜め息をつき、小さく頷いた。
「……ヴァンフォート様と……お会いしていました」
「──リイネ!?」
「はい?」
「はっ、馬鹿だなリイネ! それは七日前の事だろう!? そうだな!?」
彼女は何も言わず、俯いてしまった。
「リイネさんどうなんです? 彼と居たのですか? 居なかったのですか?」
詰め寄る私から護るように、ヴァンフォートが彼女と私の間に入って叫んだ。
「もういいだろう! 彼女は君を嫌っている! 緊張してるんだ! これ以上彼女を責めるような真似はやめろ!!」
私は十分に満足し、素直に身を引きました。
「……そうですか、失礼しました。まあ勘違いは、誰にでもあるでしょう」
ヴァンフォートはまだ警戒の眼差しを私に送っている。
「このお話を聞きたかっただけです。では、これで失礼します」
「フレア──僕を疑っているのか?」
去り際に、私の背へヴァンフォートが問いかけてきた。私は歩みを止め、振り返らぬまま答えた。
「どうしてそう思われるのです?」
「邪魔はさせない。僕とリイネは愛し合っているんだ。誰にも邪魔は、させないぞ──」
「ええ、分かりました」
さて、どう料理してやろうか。
私は、ヴァンフォートを実技館裏に呼び出した。人伝に、私が待っているという事は伏せて呼び出して貰ったのだ。
警戒心の強いあの男の事、素直に応じるかどうかは定かではなかったが、幸運な事に彼は引っ掛かってくれた。
「ヴァンフォートさまぁ、ご用って何ですかぁ?」
「すぐに終わるよ」
……いや、何故だか余計なオマケまでついてきていたけれど。
まてよ、と私は思った。急だけど、どうせ彼女が一緒なら話す内容を少しかえてみようか。
私の顔を見ると、ありありとその表情は不機嫌になっていったけど。
「呼び出してごめんなさい」
「待っているのが君だと分かっていたら来なかったけどな」
ヴァンフォートはそう吐き捨て続けた。
「一体今さら何の用だフレア。まさか今さら復縁したいとでも言う気じゃないだろうな。残念だが、この通り僕の心はリイネにある。諦めろ」
傍らで佇むリイネの肩を抱き寄せて、ヴァンフォートは見せつけるように不敵に笑った。
「今回はただご相談したい事があって、お呼びしたのです」
「相談?」
「ええ、実はこの学園には今、ラ・ベイザルド教会の調査員の方がお越しになっています。学園内で特二級の魔法の無断行使が確認された為、その調査に」
ヴァンフォートの表情がぴくりと動いた。
「生徒であれ教師であれ、無断の魔法行使は許される事ではありません。そこでヴァンフォート貴方のお話も聞いてみたいと」
「なんだ、話って?」
「特二級魔法の発生が確認されたのは六日前の夜の事です。その夜、貴方は何処で何をされていましたか?」
ヴァンフォートは肩をすくめてみせる。
「調査員が来てるなら、調査はその人に任せたまえ。君に僕のプライベートを話す義務はない」
「それがあるんです」
「なんだって?」
「私、教会調査員の方から手伝いを依頼されています。もし貴方が話して下さらないのなら、私はその調査員に、非協力的だったと報告するだけです」
「……」
「別に、当日その時間何処で何をしていたのかだけ教えて頂ければいいんですよ? それとも何かやましい事でも?」
ヴァンフォートは小さく舌打ちしてみせた。
「……寮の部屋に居たよ」
「それを証明出来る人間は?」
「いない、一人だった」
「そうですか、ではリイネさん、貴女は?」
「彼女は関係ないだろう」
「ありますよ。容疑者はこの学園の全員です」
私は再びリイネの方を向き、尋ねた。
「リイネさん、六日前の夜は、何処で何をされていましたか?」
彼女はチラリと不安そうな視線をヴァンフォートへ向けた。彼は溜め息をつき、小さく頷いた。
「……ヴァンフォート様と……お会いしていました」
「──リイネ!?」
「はい?」
「はっ、馬鹿だなリイネ! それは七日前の事だろう!? そうだな!?」
彼女は何も言わず、俯いてしまった。
「リイネさんどうなんです? 彼と居たのですか? 居なかったのですか?」
詰め寄る私から護るように、ヴァンフォートが彼女と私の間に入って叫んだ。
「もういいだろう! 彼女は君を嫌っている! 緊張してるんだ! これ以上彼女を責めるような真似はやめろ!!」
私は十分に満足し、素直に身を引きました。
「……そうですか、失礼しました。まあ勘違いは、誰にでもあるでしょう」
ヴァンフォートはまだ警戒の眼差しを私に送っている。
「このお話を聞きたかっただけです。では、これで失礼します」
「フレア──僕を疑っているのか?」
去り際に、私の背へヴァンフォートが問いかけてきた。私は歩みを止め、振り返らぬまま答えた。
「どうしてそう思われるのです?」
「邪魔はさせない。僕とリイネは愛し合っているんだ。誰にも邪魔は、させないぞ──」
「ええ、分かりました」
さて、どう料理してやろうか。
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