グリモワールな異世界転移

クー

文字の大きさ
51 / 62
第一章 全ての始まり 『種族の集まる国 ガイア』

第五十話『初めてのペアルック』

しおりを挟む
「せいっ!」

「シャァァァアアアア」


 はいどーも。絶賛戦闘中のユウです。
 通常攻撃が効かないとの事なので俺の元々少ないMPを使いながら斬りつけてます。


(残りMPは半分ってとこか。早々に決着をつけなきゃならんな)


 相手は虫だし。……虫だし! 大事なことだから何回も言うけど虫だし!!



「シャアッ!」

「また糸か。いくらやってもおn──!?」


 びっくりだ。蜘蛛如きの糸が俺の刀で斬れなかった。てか耐久度高くね!?


「そういえば普段着もってなかったな。今度作ろうかな……こいつの糸で」

「シャア!!!」


 影蜘蛛が糸を吐く、吐く、吐く。

 一方俺は避ける、避ける、避ける。

 部屋の地面が糸だらけになるが、そこは気にしたら負けだ。


「シャァァァアアアア!!!!!」


 影蜘蛛がまた糸を吐く──!!
 あのやろう。俺の動きを予測して避けた地点に自分の影を持ってきて攻撃しやがった。


「影を操る程度の能力か。ぬかしおるっ!」


 俺はAGIものを言わせ懐に潜り込む………と、思ったら目の前から影蜘蛛が消えた。


「くそっ、どこ行きやがった──」

「ユウ様、上です!!」


 後衛をしていたスカーレットだから気づけた。

 ──ああ、また周りが見えなくなっていたな。俺の悪い癖だ。直さなきゃな……

 ちなみにダンジョン内の天井はどういうわけか異常に高い。目測20mくらいある。で、俺はどう攻撃をしたらいいのか……


「シャーッシャッシャッシャア!」


 影蜘蛛が糸に影をまとわせて飛ばしてくる。さすが90層、知能が相当高いらしい。これはあなどれんな。


「俺のジャンプ力を見せてやる───はあああっ!!」

 ダンッ! と地面を蹴りつけて俺はギリギリまで近づく。
 ………届くと思った? 残念、いけてせいぜい10mだよ。
 

「いけるかっ。『ファイアスピアー!!』」


 俺が放った炎の槍は飛んでくる糸を燃やしながら影蜘蛛へと一直線に飛んでいく。
 でも、この程度のスピードの攻撃ならアイツは避けれる。そう思い俺は第二陣を用意する。
 
 それなのに……


「シャアアアアアアァァァーーー」

「……え? マジで?」


 こいつは避けられなかった。
 影蜘蛛の身体に炎の槍が突き刺さる。


「アアアァァァーーー」


 闇蜘蛛はぽてっと天井から落ちて息絶えた。
 それと同時にもう一匹の方も息絶えるように消えた。


「あの程度の攻撃なら、避けると思ったんだけどなー。まぁ、いいか戦闘時間が短くなったし」


 俺はそう自分を納得させてからスカーレット達に怪我が無いか聞きその後に部屋に散らばっている蜘蛛の糸や皮などの素材を集めた。

 

「────よし! コレで全部かな」


 素材を集め終わった。全部集めるのは結構な重労働だった。だが、蜘蛛がいっぱい糸を出してくれたお陰で…………


「コレで服が作れるな」

「え? 服ですか? それなら今あるやつで充分じゃないですか?」

「スカーレット。俺が言いたかったのは戦闘の時に着るような服じゃなくてな、何て言うかこう………皆で街とかに行ったり日常生活で着るような服が作りたかったんだよ」

「あ、そう言う事だったんですか。そう言う事でしたらお願いしますね」

「あぁ、任せろ可愛いやつを作ってやるからな。勿論、ライムとイプシーの分もな」

「ありがとう! ご主人」

「え!? あたしのも? あ、ありがとう」

「おう! そうだぞ、楽しみにしとけよー。なら、早速作り始めるかな」


 俺はそう言って作業に取りかかった。


(実は何が作りたいかは大体決まってるんだよな。出来あがった時のスカーレット達の反応が楽しみだ。)


 
─────────────────────────



 ふぅ……出来たぞ……これぞ俺の最高傑作!


「おーい、出来たぞー」

「わぁーい、ユウからのプレゼントだー」

「ユウ様……これは?」

「ご主人、何で全部同じ柄なの?」


 クックック……これがリア充ってやつかな?
 全て同じ柄。つまりは……あれだ。


「ライム。俺の居た世界では男女で同じ服を着ることを『ペアルック』と言うのだよ。
 で、今回は着やすいTシャツにしてみたんだ。どうかな?」

「はい…この胸のマークが格好いいですね」


 そう。幾ら俺だからといって流石に無地はないかなーと思ったので胸らへんに『国』のマークを入れちゃった!

 ……え? 大丈夫かって? 俺、王だぜ? 許されるだろ。


「このシャツに好きに羽織るものを着れば個性も出て尚且つペアルックという行動テクなのだ! しかもさっきの蜘蛛の糸から作ったから強度は普通の服とは比べ物にならないくらい強い!」

「では私の場合はローブなどを被ればいいのですね?」

「そう言う事だ。ライムにはまた羽織るものを作ってやるからそれまで待ってくれ」

「うん、わかった! ありがと、ご主人」


 ライムは俺にぎゅっと抱きつき上目遣いで言う。


(そんな事されたら…………)


「くそ! 可愛すぎるだろ! もう駄目だ色々と我慢の限界だ! うおーー!! 俺は今からでも良いから野性に帰りてー!!! (ライムそんなくっ付くなって。ほら、速く先に進むぞ)」

「? ………え? あの、ご主人? それはいったいどう言う事ですか?」   


(ん? なんか変な事言ったかな? って、しまったー!! 頭で考えてることと口に出す言葉が逆になってたーー!!)


「い、いや、何でもない。本当に何でもないから、……そ、そんな事より、速く先に進もう」
 
「「「???」」」


 スカーレット達は状況を理解出来ず首をかしげる。


「ほら! 速く進もう!! な!」

「………そ、そうですね。なら、行きましょう」


(強引だったが誤魔化ごまかせたかな。ふぅー危なかった。次から気を付けよ。)


 俺は自分にそう言い聞かせながら、先に進んだ。


 …………ここで、余談だが、影蜘蛛を解体してると『影蜘蛛の影』と言うのが採れて、色々合わせたらチート防具が出来たのだが、それはまた別の機会に話そう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

処理中です...