36 / 77
日々早々
病気の妖精の病気とは(お腹の虫?)
しおりを挟む
マズい…。激しく眠い…っ!何か…色々とありすぎて、安心した今、眠気ハンパない…。朝だよ、朝。まだ起きてから2時間くらいしか経ってないよ(たぶんだけど)。それなのに眠いとか!眠気を飛ばそうと必死でハンカチで顔を擦ってみるけど、全然効果ない…。欠伸が出そうになるのをコッソリとハンカチを噛んで我慢してみたりするけど、眠気がなくなるわけじゃなし。どうしよう…。
「もしかして眠かったりします?」
突然、本当に突然そんな事を言われて思わず
「なっ、何で解ったのー!?」
バカ正直に返事してしまった。いや、だって!エスパーかなんかか、この人!?
「いえ…ほら、大きな声で泣いたりすると結構疲れますし。そうでなくとも先程の件で極度の緊張を強いられた事でしょうし。疲れるのも無理はないと言いますか…」
流石は気配りの人!気遣いの仕方がもうなんていうか段違い。そして余計に安心感からか更に眠気がドンときた。
「あぁ…、はい、あの、眠いです。済みません」
「大丈夫ですよ、謝る事ではありませんから。少し横になっては如何ですか?直ぐに場所を用意しますので」
そう言いながら本当に直ぐに席を立つ。
「ジリスさん!」
「はい?」
何となく。そばにいてほしくて。置いていかれたくなくて。
「出来れば胸ポケがイイです…」
そう言ってた。
「えぇと…それは構わないのですが、ゆっくり休めなくはないですか?いくら魔法で少しばかり拡張しているとは言え、休むには狭いでしょう?」
黙って首を横に振る。返事をしなかったのはただ単に欠伸を噛み殺してたせいだったんだけど、ジリスさんは何故か深く頷いて
「解りました。どうぞ」
と言ってくれた。よくは解らないけど、たぶんまた何かの誤解が生じたんだと思う。けどもう眠気が本当にピークで思考もいまいち まとまらなくなってきていたので、まぁ、いいやとばかりにそのまま眠りに落ちたのだった。
───温かくて、気持ち良くて、
このままずっとこうしていたい───
ググ、キュールルールー
ハッと自分のお腹の音で目が覚めた。
何ここ狭い、ここ何処?
寝ボケてた私は、何処にいたのかをスッカリ忘れてて、思いっきりバタバタと暴れてしまいました…。えぇ、そりゃもう思いっきり…。
「わっ!?」
「えっ!?」
声、あ゛ー、今の声は…っ!
「アイリンさん?如何かしましたか?」
ジリスさんですよね…。忘れてたー!ジリスさんの胸ポケの中ですね、そうですね、すっかり忘れて寝ボケてましたー!
キュ、キュルルー
お腹の虫も鳴いてますね!ぎゃーーー!何でこう恥ずかしいところばっかり見せてるかな、私ぃ!!
「アイリンさん?大丈夫ですか?」
!!…もしかして…今回はお腹の音は聞かれてない!?よしっ!それなら、さっきのもノビをしようとしたら上手く出来なくてモタついちゃっただけとでも言っとこう、うん、これだ!そう考えた矢先、思わず力を込めてしまったせいかさっきとは全然違う大きな鳴き声が。
グーグルキューーゥゥ
一瞬の沈黙の後
「あ~…っと……………。
食事にしましょうか……?」
あ゛ーーーーーーっ、もうっ、
私のお腹めぇぇえっ!!!
「ごめんなさいぃぃっ!」
くっそぅ、恥ずかしすぎる…っ!恥ずかしさのあまりまたも胸ポケの中でバタバタ暴れてしまいました…。ゴメンね、ジリスさん!
大丈夫ですよとか丁度私もお腹すいてきたところですしとか言ってるのが聞こえるけど、絶対、気を遣って言ってくれてるだけだ、これ!絶対笑うの我慢してるヤツだ、これぇぇ!もう!私のお腹うるさすぎ!誰かお腹の音が鳴らなくなる豆知識をください…!
私が悶絶してる間にジリスさんは何処かへ移動してたらしい。動いてる事に気付いた。よく考えたら…これ、ハタから見たら胸ポケの所がモゴモゴ動いているという奇妙奇天烈な状態を見せびらかしながら歩かせちゃってたって事ですね!?重ね重ね申し訳ない…。マジ反省しよう、本当に。胸ポケの中で体育座りする。よく考えたら、いや、よく考えなくても、ジリスさんには本当にもう迷惑しかかけてない…。マジで自重しよう!
「アイリンさん?大丈夫ですか?一度、外に出ますか?」
ん?あ、いきなり大人しくなったせいか、何か苦しくなったかとか勘違いされてるな、これ。ピョコッと顔だけ出しておく。
「大丈夫です」
「そうですか?もし窮屈だったなら言ってくださいね」
ポケットの拡張はこれ以上は出来ませんが~とか色々言ってくれてるが、それは全然大丈夫。それより、こうやって顔だけでも出してれば、さっきまでのは此処に私がいたせいだって解るからね。取り敢えず、これで変な噂になる事は無いはず。キュルルーとさっきよりは控え目に鳴ってるお腹。お腹の音も自重しろよおぉ!
「もしかして眠かったりします?」
突然、本当に突然そんな事を言われて思わず
「なっ、何で解ったのー!?」
バカ正直に返事してしまった。いや、だって!エスパーかなんかか、この人!?
「いえ…ほら、大きな声で泣いたりすると結構疲れますし。そうでなくとも先程の件で極度の緊張を強いられた事でしょうし。疲れるのも無理はないと言いますか…」
流石は気配りの人!気遣いの仕方がもうなんていうか段違い。そして余計に安心感からか更に眠気がドンときた。
「あぁ…、はい、あの、眠いです。済みません」
「大丈夫ですよ、謝る事ではありませんから。少し横になっては如何ですか?直ぐに場所を用意しますので」
そう言いながら本当に直ぐに席を立つ。
「ジリスさん!」
「はい?」
何となく。そばにいてほしくて。置いていかれたくなくて。
「出来れば胸ポケがイイです…」
そう言ってた。
「えぇと…それは構わないのですが、ゆっくり休めなくはないですか?いくら魔法で少しばかり拡張しているとは言え、休むには狭いでしょう?」
黙って首を横に振る。返事をしなかったのはただ単に欠伸を噛み殺してたせいだったんだけど、ジリスさんは何故か深く頷いて
「解りました。どうぞ」
と言ってくれた。よくは解らないけど、たぶんまた何かの誤解が生じたんだと思う。けどもう眠気が本当にピークで思考もいまいち まとまらなくなってきていたので、まぁ、いいやとばかりにそのまま眠りに落ちたのだった。
───温かくて、気持ち良くて、
このままずっとこうしていたい───
ググ、キュールルールー
ハッと自分のお腹の音で目が覚めた。
何ここ狭い、ここ何処?
寝ボケてた私は、何処にいたのかをスッカリ忘れてて、思いっきりバタバタと暴れてしまいました…。えぇ、そりゃもう思いっきり…。
「わっ!?」
「えっ!?」
声、あ゛ー、今の声は…っ!
「アイリンさん?如何かしましたか?」
ジリスさんですよね…。忘れてたー!ジリスさんの胸ポケの中ですね、そうですね、すっかり忘れて寝ボケてましたー!
キュ、キュルルー
お腹の虫も鳴いてますね!ぎゃーーー!何でこう恥ずかしいところばっかり見せてるかな、私ぃ!!
「アイリンさん?大丈夫ですか?」
!!…もしかして…今回はお腹の音は聞かれてない!?よしっ!それなら、さっきのもノビをしようとしたら上手く出来なくてモタついちゃっただけとでも言っとこう、うん、これだ!そう考えた矢先、思わず力を込めてしまったせいかさっきとは全然違う大きな鳴き声が。
グーグルキューーゥゥ
一瞬の沈黙の後
「あ~…っと……………。
食事にしましょうか……?」
あ゛ーーーーーーっ、もうっ、
私のお腹めぇぇえっ!!!
「ごめんなさいぃぃっ!」
くっそぅ、恥ずかしすぎる…っ!恥ずかしさのあまりまたも胸ポケの中でバタバタ暴れてしまいました…。ゴメンね、ジリスさん!
大丈夫ですよとか丁度私もお腹すいてきたところですしとか言ってるのが聞こえるけど、絶対、気を遣って言ってくれてるだけだ、これ!絶対笑うの我慢してるヤツだ、これぇぇ!もう!私のお腹うるさすぎ!誰かお腹の音が鳴らなくなる豆知識をください…!
私が悶絶してる間にジリスさんは何処かへ移動してたらしい。動いてる事に気付いた。よく考えたら…これ、ハタから見たら胸ポケの所がモゴモゴ動いているという奇妙奇天烈な状態を見せびらかしながら歩かせちゃってたって事ですね!?重ね重ね申し訳ない…。マジ反省しよう、本当に。胸ポケの中で体育座りする。よく考えたら、いや、よく考えなくても、ジリスさんには本当にもう迷惑しかかけてない…。マジで自重しよう!
「アイリンさん?大丈夫ですか?一度、外に出ますか?」
ん?あ、いきなり大人しくなったせいか、何か苦しくなったかとか勘違いされてるな、これ。ピョコッと顔だけ出しておく。
「大丈夫です」
「そうですか?もし窮屈だったなら言ってくださいね」
ポケットの拡張はこれ以上は出来ませんが~とか色々言ってくれてるが、それは全然大丈夫。それより、こうやって顔だけでも出してれば、さっきまでのは此処に私がいたせいだって解るからね。取り敢えず、これで変な噂になる事は無いはず。キュルルーとさっきよりは控え目に鳴ってるお腹。お腹の音も自重しろよおぉ!
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる