物語は突然に

日々早々

仕事＆お勉強

部屋の前まで戻ったら、丁度メイドさんがご飯を乗せたワゴンを押して来てて、タイミングの良さにビックリした。これがメイドさんか…やるな。一言二言の会話してからワゴンを受け取り、部屋の中へ。そのままお昼ご飯を食べた。お城で作ってる料理だからなのか昼間っから豪華な食事だった…。ジリスさんのお屋敷で食べたのがちょっと豪華な家庭料理風だったのに比べて、此処のはフルコース状態ですよ。前菜、サラダ、スープにパン、肉料理、フルーツ、お茶、魚料理は無いけどデザートなのかお菓子も付いてくる！…お城の料理ってマジ太りそう。お腹いっぱいになったところでティータイムですよ。この世界はご飯をゆっくり食べるのか、二時間くらいかけて食べてる。仕事中であってもそうらしい。うちの世界もそうなればイイのに！
食後のお茶が終わって、さて、とジリスさんは仕事を始めた。ぶっちゃけそれを書類整理という。机の上が冗談でなく山になってる。私はと言うと、実はまだお菓子を食べてたりする。けど！ちゃんと頭の中では色々と考えてるんですよ、ちゃんと！さっきの言語理解の魔法とかね。さっきは日本語の理解が半分にも満たないくらいじゃ、それを別の言語へと変換しても役に立たないんじゃないかと思ったけど、中級の魔術書が小学校レベルだった事を考えたら今の私の理解力でも充分なんじゃね？と思った訳ですよ。あの国語辞典というか漢字辞典というか、いや辞典というのもどうかと思える程度にしか記載されてなかった言語集にしたってそう。単一の漢字と二字熟語が少しだけ。たぶん五～六千語くらい。あの言語集も中級扱いだとしたら私の理解力の範疇で全然事足りると思う…んだけど。問題は変換する先の言語は解らないんだから、変換方法は物理的…いや、数学的な考え方からの応用なんじゃないかって事。例えば、とある数式を別な数式を使って表現しろみたいな？でもこの場合、数学ではないから必ずしもイコールになる必要がない。だいたい日本語は海外では無い表現が多い。だからｘイコールおおよそｙである、くらいでいいはず。
だいたいこんな感じの考え方でイイと思うんだけど…うん、糖分摂取しよう。脳みそ使う時は糖分がイイって言うしね！小さく千切ってあるスコーンにクリームを付けて頬張る。う～ん、美味しい♡
モグモグしながらまた考え始める。さて、変換方法の考え方はひとまずこれでイイとして。魔法の呪文になる言葉が言語理解で大丈夫なのか？…たぶん呪文にならないんじゃないかと思う。理解が呪文にならないように思う。理解するなら魔法にする意味がないと言うか？呪文にするとしたら言語変換…いや原語変換かもしれない。ちょっと試してみたい…けど。チラリとジリスさんを見る。黙々と机の上の書類にペンを走らせている。今のこの状況で試しても効果が全く解らないだろうなっていうね。取り敢えずコレに関してはタイミングも見ないとダメだね。
あと他に試したいのは…飛行魔法か。でもなぁ………また失敗したら。いや失敗というか、またあんなふうに怪我したら。骨が出ちゃうような怪我なんて初めてだよ。痛いなんてもんじゃないくらいで、怖くて、もう…もう…。思い出してブルリと震える。いや無理。無理無理。少なくとも今は絶対に無理。怖すぎる。
何かもっと別なのにしよう…。あ、そうだ。転移！転移魔法に関して考えよう。転移…ダメだ、根っこになる部分がまだ解ってないんだった。コレに関してはジリスさんが言ってた転移魔法じゃ足りない気もするし。異世界…並行世界とは違うんだよね…？全く違う世界に転移するっていうのはどういう理屈なんだろう？まず異世界っていうのが解らない。異なる世界で異世界。そんなん解ってるわ！
例えばサッカーボールとゴルフボールがあったとして、片方が地球だとしたら、もう片方が此処。形も大きさも作りも違う世界。交わらないし代わりの何かもない。…転移とか無理じゃね？いや実際、私がその身でもって体験してるんだから無理じゃないんだろうけど、何ていうか…どう考えればこれが可能になるんだろう？いや！触媒か！？ここで触媒って考えればイイのか？触媒って…何を触媒にすればそれが可能になるんだろう？空気？それは例えがボールだからでしょーが！あ、でも考えとしてはイイのか？どちらの世界にもある同じ物質を触媒として干渉を行う…？どうだろう？これ、可能かなぁ？まぁ、可能だったとしても同じ物質が何だよって話になるけど。でも同じ言語とかあるくらいだし、同じ物質もありそうっちゃありそうだよね。あとは…何か条件が必要とか…？でもそれって帰るための転移って言うより、呼ぶためって感じだしなぁ。帰るのにも使えるのかな？マジ、転移とか難しい！でも使えないと帰れないしなぁ…。