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神の書を求めて
目覚めて
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目を覚ましたら馬車の中だった。
一瞬、頭が真っ白になる。あれ今、どんな状況、これ?あれ?もしかして、まさかの夢オチ?竜…いたよね?どうなったの?もしかして私、死んじゃったとかそういうオチ?死んじゃったの?…死んじゃった訳じゃないよね?
おやぁ?どうなってんの?
ちょっと混乱しかけたところでジリスさんに声をかけられた。
「良かった。気が付いたんですね」
…気のせいか、元気が無いような…。
「はい……。あの」
「何処か具合の悪い所などはありませんか?頭が痛いとか気持ちが悪いとか…」
「えっと…、いえ、無いです。
どこも何も無いです。大丈夫です」
強いて言えばダルいくらいだけど、何もしてないのにダルいとか言うのはどうかと思ったのでそれは黙っておく。
「そうですか。良かった、本当に…」
目に見えて安心したふうだ。
知らないうちに何か心配させちゃったのかもしれない。
気を付けよう、そんなふうに考えていたら、ジリスさんが膝を正してこっちに向かい合ってくる。何か……これはもしかして。
「アイリンさん」
「あ、はい」
思わず自分も起き上がって膝を正す。
「先程の竜の事ですが…貴女のおかけで助かりました。ありがとうございます」
そう言って深々と頭を下げてくる。
いやいや、何の事ですか!?
「はっ?いえ、あの…」
「心よりの感謝を貴女に。
貴女がいなければ、私達は全員死んでいたでしょう」
片手を胸に当てて頭を下げているジリスさん。私、何したんだろう、本当に。
「いえ、あの…」
「ですが!」
「あっ、はい!」
「あんな魔力の使い方は絶対しないでください!」
どんな使い方したって言うんですか!?
穏やかな口調なのに、語尾が強い。怒ってる…んだろうか…。何でか知らんけど。感謝されて、怒られて。何をしたんだろうか、本当に。
「あ、あの」
「あんな使い方をして…魔力枯渇で死んだりしたらどうするんですか!」
「えっ!?」
「えっ!?」
………………………。
「魔力枯渇?」
「知らないであんな使い方をしたんですか!?」
「えっ!?」
「え……?」
……………。
百面相してるのかと思うような表情の移り変わりの後。
こっわっ!!!
ジリスさんが怒りのオーラ放ってるんですけど!?怖ぁっ!!
「アイリンさん?」
「は、はい…?」
ぎゃーー!!
笑顔!笑顔なのに、怖ぁっ!!
怒ってる!これ、メッチャ怒ってるやつぅっ!!!
「ちょっとジックリお話ししましょうか…?」
「ごっ、ごめんなさーーーーいっ!」
その後コッテリ怒られました…。
魔力枯渇って何だよ…。
何があったか覚えてないとか怖すぎて言えない…。
取り敢えず。
ジリスさんのお説教のおかげ(?)で大体、何があったのかは解ったけど。誤解が生じてるってのも解ったけど。
そう、誤解。
魔法が使えるってのを忘れてただけなんですけど。そして魔力を放ったとかいう話だったけど、それすらした覚えないんですけど。
まぁ、それに関してはもう、いちいち訂正するの面倒くさかったので、放っておいた。害も無いし。
それにしても魔力枯渇か…。知らなかったにしてもヤバかったよね。気を付けよう…。って言っても、そもそも使うつもり無くても使っちゃってる時点で気を付けようが無い気もするけど。
激しくダルいのは魔力を使い過ぎたせいなのか。
「はぁ…」
ジリスさんが溜め息吐いてる。これはアレか、私のせいってヤツですね?
「済みません…」
「えっ!?」
何でジリスさんが謝ってるの?
「あ、あの」
「そもそも助けて頂いた身でありながら、こんな……身の程を弁えもせず、済みませんでした…」
「いっ、いやいやいや!
そんなっ!私が無茶をしたから悪いんであって」
「いいえ」
ピシャリと止められた。
「先程も言いましたが、それが無ければ私達は全員死んでいたはずです。それを考えれば文句など言える立場では無いと言うのに…」
メッチャ落ち込み始めちゃったよ!?どうしよう!?
「そんなっ!ジリスさんは私を心配してくれただけなんですから!私が…、私が心配かけるような無茶をしたのが悪かったんです!気にしないでください…っ!」
慌ててワタワタと言う私を見て、やっと少し笑ってくれた。
「有り難うございます。アイリンさんはやはりお優しい方ですね」
笑顔でそう言われたけど…。いやいや、どう考えてもジリスさんのほうが優しいよね?どういう考え方をしたらそう思えるのか。
アレか、性格の良い人っていうのは、自分の周りにいるのは良い人ばかりだとか考えてるんだろうか。他人の悪いところより良いところを見る的な?
…………。
ありそう。
いや私としては助かるんだけど、なんていうか…別にそんな優しいとかいう訳でもないのに、そんなふうに評価されると申し訳無さハンパない!
心配かけないように気を付けよう…。
一瞬、頭が真っ白になる。あれ今、どんな状況、これ?あれ?もしかして、まさかの夢オチ?竜…いたよね?どうなったの?もしかして私、死んじゃったとかそういうオチ?死んじゃったの?…死んじゃった訳じゃないよね?
おやぁ?どうなってんの?
ちょっと混乱しかけたところでジリスさんに声をかけられた。
「良かった。気が付いたんですね」
…気のせいか、元気が無いような…。
「はい……。あの」
「何処か具合の悪い所などはありませんか?頭が痛いとか気持ちが悪いとか…」
「えっと…、いえ、無いです。
どこも何も無いです。大丈夫です」
強いて言えばダルいくらいだけど、何もしてないのにダルいとか言うのはどうかと思ったのでそれは黙っておく。
「そうですか。良かった、本当に…」
目に見えて安心したふうだ。
知らないうちに何か心配させちゃったのかもしれない。
気を付けよう、そんなふうに考えていたら、ジリスさんが膝を正してこっちに向かい合ってくる。何か……これはもしかして。
「アイリンさん」
「あ、はい」
思わず自分も起き上がって膝を正す。
「先程の竜の事ですが…貴女のおかけで助かりました。ありがとうございます」
そう言って深々と頭を下げてくる。
いやいや、何の事ですか!?
「はっ?いえ、あの…」
「心よりの感謝を貴女に。
貴女がいなければ、私達は全員死んでいたでしょう」
片手を胸に当てて頭を下げているジリスさん。私、何したんだろう、本当に。
「いえ、あの…」
「ですが!」
「あっ、はい!」
「あんな魔力の使い方は絶対しないでください!」
どんな使い方したって言うんですか!?
穏やかな口調なのに、語尾が強い。怒ってる…んだろうか…。何でか知らんけど。感謝されて、怒られて。何をしたんだろうか、本当に。
「あ、あの」
「あんな使い方をして…魔力枯渇で死んだりしたらどうするんですか!」
「えっ!?」
「えっ!?」
………………………。
「魔力枯渇?」
「知らないであんな使い方をしたんですか!?」
「えっ!?」
「え……?」
……………。
百面相してるのかと思うような表情の移り変わりの後。
こっわっ!!!
ジリスさんが怒りのオーラ放ってるんですけど!?怖ぁっ!!
「アイリンさん?」
「は、はい…?」
ぎゃーー!!
笑顔!笑顔なのに、怖ぁっ!!
怒ってる!これ、メッチャ怒ってるやつぅっ!!!
「ちょっとジックリお話ししましょうか…?」
「ごっ、ごめんなさーーーーいっ!」
その後コッテリ怒られました…。
魔力枯渇って何だよ…。
何があったか覚えてないとか怖すぎて言えない…。
取り敢えず。
ジリスさんのお説教のおかげ(?)で大体、何があったのかは解ったけど。誤解が生じてるってのも解ったけど。
そう、誤解。
魔法が使えるってのを忘れてただけなんですけど。そして魔力を放ったとかいう話だったけど、それすらした覚えないんですけど。
まぁ、それに関してはもう、いちいち訂正するの面倒くさかったので、放っておいた。害も無いし。
それにしても魔力枯渇か…。知らなかったにしてもヤバかったよね。気を付けよう…。って言っても、そもそも使うつもり無くても使っちゃってる時点で気を付けようが無い気もするけど。
激しくダルいのは魔力を使い過ぎたせいなのか。
「はぁ…」
ジリスさんが溜め息吐いてる。これはアレか、私のせいってヤツですね?
「済みません…」
「えっ!?」
何でジリスさんが謝ってるの?
「あ、あの」
「そもそも助けて頂いた身でありながら、こんな……身の程を弁えもせず、済みませんでした…」
「いっ、いやいやいや!
そんなっ!私が無茶をしたから悪いんであって」
「いいえ」
ピシャリと止められた。
「先程も言いましたが、それが無ければ私達は全員死んでいたはずです。それを考えれば文句など言える立場では無いと言うのに…」
メッチャ落ち込み始めちゃったよ!?どうしよう!?
「そんなっ!ジリスさんは私を心配してくれただけなんですから!私が…、私が心配かけるような無茶をしたのが悪かったんです!気にしないでください…っ!」
慌ててワタワタと言う私を見て、やっと少し笑ってくれた。
「有り難うございます。アイリンさんはやはりお優しい方ですね」
笑顔でそう言われたけど…。いやいや、どう考えてもジリスさんのほうが優しいよね?どういう考え方をしたらそう思えるのか。
アレか、性格の良い人っていうのは、自分の周りにいるのは良い人ばかりだとか考えてるんだろうか。他人の悪いところより良いところを見る的な?
…………。
ありそう。
いや私としては助かるんだけど、なんていうか…別にそんな優しいとかいう訳でもないのに、そんなふうに評価されると申し訳無さハンパない!
心配かけないように気を付けよう…。
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