4 / 13
部員を求める女生徒
しおりを挟む━━ある男性が語る、学校に纏わる怪談をひとつ
……このお話は夢に見るまで忘れていたお話です。
ボクが体験したお話。
ボクがまだ中学一年生の頃、まだ両親が生きていた頃なので18年近く前のことになります。
学校には怪談話は付き物です。
そのときボクはクラスメイト数人と談笑しながら一階にいました。
何か忘れ物をしたからと一人の男子がもう一人に取ってきてくれよと頼んだんです。
その学校はエレベーターがあったんですが、運悪くその日は『故障』していました。舌打ちをしながら、頼まれた男子は階段を文句をいいながら上がっていきます。
一年生は三階に教室があります。投げ遣りになりながらかけ上がっていこうとしていました。
ボクは彼の性格を知っていたので心配になって無言でついていきます。
むしろ、ボクの方が速いと思ったので。
前を見ていなかった彼、彼のあとを追っただけのボク。
……不思議なことが起こりました。
三階までしかないのに階段が続いていたんです。
それは屋上に続く階段。そんなもの、存在しないはずなんです。
彼もまたびっくりして立ち止まります。
止まった彼とボクが見たのはもうひとつ。
そこに真夏の日差しを受けて、逆光で顔のみえないショートカットのボーイッシュな風貌の女の子が居たんです。
少し高めの身長。(ボクが小さいのでそこまで大きくなかったかもしれません)
見たこともないけれど、同じ制服なので先輩なのかもしれないと思いました。
でも、違和感が襲いました。彼もまた怪訝な顔しています。
彼女はボクには気がつかず、彼に話し掛けます。
『…この学校にはね?怪談があって、ある時期になると屋上に続く階段が現れるの。そこでは新入部員を……………………』
そこまでいうとビックリしている彼の後ろの襟まで手を伸ばし、女性とは思えない力で引っ張りあげます。
『……吊し上げにするのよ! 』
そう言って彼を階段に叩きつけようとしました。
何故かそのとき、不自然にボクの登ってきた階段に彼女へのショートカット階段がついていたんです。ボクは脇目も振らず、その階段を駈け上がり、『やめろぉぉ!!! 』と叫び、彼女を突き飛ばそうとしたんです。力加減なと省みずに……。
彼女はボクの声を聞いて目を見開いて驚愕していました。まるであり得ないものを見るかのように。
彼女はボクを憎らしそうに見つめ、(逆光なので目は見えなかったんですけど)掻き消えました。
彼はそのまま落ち、廊下に尻餅をつきました。
……気がつくと、もうそこには屋上へ続く階段などありませんでした。
彼は恐怖に怯え、ボクにぶつかって慌てて、『わりぃ!! 』と言って階段を降りていきました。
……………ボクもそこにはいたくなかったので後にしようと思って、きびすを返した途端、
『……おまえを切り離してやる……』
そう、さっきの女生徒の低い声が聴こえてきました。
ボクは身震いしました。……いえ、あのときはこんな声なかったはずなんです。
もしかしたら、ボクはこの真夏の間にまた、彼女に会うのでしょうか。
邪魔をしたボクを殺しに彼女はやって来るのでしょうか。
……ボクはそうだとしても、きっと大丈夫だと信じています。
今度こそ、もう現れないようにしてあげるつもりでいるから……。
終わり
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる