惨劇の国のアリス

姫宮未調

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最初のアリス

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私は花たちに声を掛けられました。

「まぁ、『アリス』!一緒にお話しませんこと?」

この顔たちは見ていて嫌気がしました。

見覚えがあると思ったら、前にあの男を取り巻いていた女たちです。

無表情でムシリ取ってやりました 。

花たちの小さな悲鳴が響きます 。


……一つだけ残っていました 。


嗚呼、それはあの男とキスをしていた女。

脅えた目で私を見ています。

私は冷笑し、握り潰しました。

彼女の悲鳴は一際高く、こだましました。

至極楽しい気分になりました。

でも、目的ではありません。

私は無惨に散った花たちを踏みつけて進みます。





行く手には、綺麗なイングリッシュガーデンが広がっています。

私は心が高ぶりました。

お茶会風景が見えます。

笑顔を携えて小走りで近寄ります。

彼が私を呼びました。

近くまで来ると気が付かれないようにテーブルのフォークを掴みます。

満面の笑みで彼の胸へ……。

抵抗なんてされません 。

だって、彼は私を心底愛しているんですもの。

……彼の心臓付近に深々と差しました。

「さよなら、ステファン……。あなたはこの世界が続く限り永遠に『アリス』に殺され続ける苦しみを味わって……」

崩れ折れるステファン。






さぁ、あなたの悪夢の始まり……………。
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