惨劇の国のアリス

姫宮未調

文字の大きさ
上 下
11 / 19

アリス

しおりを挟む
私は街角で嫌な光景をみました 。

姉・クリスティーナの恋人であるはずのステファンが、知らない女性と楽しそうにキスをして いました。

ああ、私はお姉さまが幸せであれば何もいらないのに……。

彼はお姉さまを裏切ったのです。

憎しみが沸き起こります……。



私の思考回路はもう、ステファンをどう苦しめるかと言う思いしかありません。

……どう無惨にやろうかという。




……誘惑してみました。

あっさり私に寝返りました。

ふふ……、なんという最低男……。

生きている価値なんてありません。

彼の口からは、私への気持ち悪い愛の言葉しか出て来ないのです。


「ねぇ、ステファン?お姉さまはもういいの?」


「ああ、君には悪いがあんなキチガイお嬢様とは付き合えない」


キチガイですって?

少し心を病んでいるだけでキチガイと言い捨てる彼に吐き気がしました。

ああ……、やっぱりあなたは生きていてはいけない。

お姉さまを患わせるわけにはいきませんから。






私が残酷に殺してあげます……。
しおりを挟む

処理中です...