72 / 92
#72
しおりを挟む
先代魔王ナイトレインとの会食後、時間が余ったので俺は一人孤児院へと戻る事にした。
「ウォォォン」
ゲートを潜り、孤児院へと戻って来た俺を出迎える声があった。
声の主は、以前にフィナが拾って来た子犬"フェン"だ。
そんなフェンだったが、かつてのミニチュアダックスのような姿は見る影も無くなっている。
体高が俺の背の高さ程まで成長しており、顔つきも狼のような凛々しいモノに変化している。
「はは、重いって」
もっとも、拾った当時の人懐っこさは相変わらずで、俺を見つけるとすぐに飛びついてくるのだ。
まあ、子供たちに同じことをやられると大変な事になるが、それをしないだけの分別はきっちり持ち合わせているようだ。
ちゃんと相手を見極めて接し方を変えている辺り、中々に知能が高いように感じられる。
「ちゃんとここを守っていてくれたか?」
そんな俺の問い掛けにも「ウォン」と返事をくれる。
フェンは見た目の威圧感同様に、高い戦闘能力を持ち合わせているらしく、今は孤児院のマスコット兼護衛としてすっかり定着している。
異様な成長速度といい、その身体の大きさといい、生態的に色々と謎が多い奴が、悪意の類は一切感じられないので、俺もコイツには割と信頼を置いている。
なんだかんだと孤児院を離れることが多いので、正直、助かっているのだ。
◆
商品の補充などの雑務を片付けた後、俺は自室へと引き篭もる。
スマホを取り出し、いつものように某掲示板を開き、とあるスレッドを開く。
トラバント達への商品提供の際、この掲示板で色々とアドバイスを貰ったので、そのお礼を述べる為にスレを立てたのだが、それが今は若干趣旨が変わりつつも存続しているのだ。
そこで俺は定期的に異世界ネタを投下していた。
【感謝】異世界から感謝の言葉を【御礼】
571 : 1
ちーっす
異世界ネタを今日も細々と投下しに来ましたー!
572 : 風がそよぐ名無し
お、1さん来たか
573 : 風がそよぐ名無し
待ってました!
574 : 風がそよぐ名無し
今日はどんなネタをぶっこんでくるのかな?
575 : 1
今日は少々趣向を変えて、うちのペットの紹介をしたいと思います
名前はフェンっていいます
孤児院の敷地に倒れてたのを拾って育てたんだが、これがまた色々凄くてね……
ちなみに拾った直後の姿がこれ
〈動画添付〉
576 : 風がそよぐ名無し
ほうほう
可愛い子犬やねぇ
ってただのミニチュアダックスフンドやん!
577 : 風がそよぐ名無し
確かに可愛いけど、異世界っぽさが全く無いな……
578 : 風がそよぐ名無し
へっ
うちのワンコの方が可愛いぜ!
579 : 1
やっぱどう見てもミニチュアダックスフンドですよねぇ
そして現在のフェンの姿がこちらです
〈動画添付〉
580 : 風がそよぐ名無し
……なんだこれ
てかサイズおかしくねぇ?
実は1はかなりチビとか?
581 : 風がそよぐ名無し
どう見ても狼じゃないですかやだー
……まじで同じ犬なの?
582 : 風がそよぐ名無し
あらまあいやだ
声まで変わって
いや絶対別の犬だろこれ
てか犬……なのか……?
583 : 風がそよぐ名無し
ふむこれはいわゆる魔物的な存在なのかな?
こないだの炎の魔法の実演動画も中々出来が良かったが、これもまたいい感じだね
1はガチで異世界にいるんだと、最近信じてしまいそうになるよ
584 : 1
>>580
身長は確か180cm近くあります
>>581
自分もいまいち信じられないですが間違いなく同じ犬です
>>582
犬だと思ってたんですけどねぇ
狼? 魔物?
謎です
>>583
ガチで異世界にいますよー!
いやまあ信じられないのが普通なんでしょうけどね
今回はフェンに関する話題で、色々と盛り上がる事が出来た。
こんな感じで当初のスレッドの目的からはズレているものの、俺は日本の皆さまと楽しく交流させて貰っている。
日本にいた時は、自室に引き篭もっていても、常に襲撃を警戒していたので、こんな風に穏やかに過ごす事は出来なかった。
さっさと大迷宮攻略を終わらせて、女神どもをぶん殴って、諸々に決着を付けたい所だ。
それが終わったら俺は今度こそ本格的に引き篭もるのだ。
その時は、有り余る日本円を活かしてネトゲ三昧なんてのもいいかもしれない。
そんな風にして俺は、激動の日々が訪れる前の、ほんの僅かな安息の時間を目一杯満喫するのだった。
「ウォォォン」
ゲートを潜り、孤児院へと戻って来た俺を出迎える声があった。
声の主は、以前にフィナが拾って来た子犬"フェン"だ。
そんなフェンだったが、かつてのミニチュアダックスのような姿は見る影も無くなっている。
体高が俺の背の高さ程まで成長しており、顔つきも狼のような凛々しいモノに変化している。
「はは、重いって」
もっとも、拾った当時の人懐っこさは相変わらずで、俺を見つけるとすぐに飛びついてくるのだ。
まあ、子供たちに同じことをやられると大変な事になるが、それをしないだけの分別はきっちり持ち合わせているようだ。
ちゃんと相手を見極めて接し方を変えている辺り、中々に知能が高いように感じられる。
「ちゃんとここを守っていてくれたか?」
そんな俺の問い掛けにも「ウォン」と返事をくれる。
フェンは見た目の威圧感同様に、高い戦闘能力を持ち合わせているらしく、今は孤児院のマスコット兼護衛としてすっかり定着している。
異様な成長速度といい、その身体の大きさといい、生態的に色々と謎が多い奴が、悪意の類は一切感じられないので、俺もコイツには割と信頼を置いている。
なんだかんだと孤児院を離れることが多いので、正直、助かっているのだ。
◆
商品の補充などの雑務を片付けた後、俺は自室へと引き篭もる。
スマホを取り出し、いつものように某掲示板を開き、とあるスレッドを開く。
トラバント達への商品提供の際、この掲示板で色々とアドバイスを貰ったので、そのお礼を述べる為にスレを立てたのだが、それが今は若干趣旨が変わりつつも存続しているのだ。
そこで俺は定期的に異世界ネタを投下していた。
【感謝】異世界から感謝の言葉を【御礼】
571 : 1
ちーっす
異世界ネタを今日も細々と投下しに来ましたー!
572 : 風がそよぐ名無し
お、1さん来たか
573 : 風がそよぐ名無し
待ってました!
574 : 風がそよぐ名無し
今日はどんなネタをぶっこんでくるのかな?
575 : 1
今日は少々趣向を変えて、うちのペットの紹介をしたいと思います
名前はフェンっていいます
孤児院の敷地に倒れてたのを拾って育てたんだが、これがまた色々凄くてね……
ちなみに拾った直後の姿がこれ
〈動画添付〉
576 : 風がそよぐ名無し
ほうほう
可愛い子犬やねぇ
ってただのミニチュアダックスフンドやん!
577 : 風がそよぐ名無し
確かに可愛いけど、異世界っぽさが全く無いな……
578 : 風がそよぐ名無し
へっ
うちのワンコの方が可愛いぜ!
579 : 1
やっぱどう見てもミニチュアダックスフンドですよねぇ
そして現在のフェンの姿がこちらです
〈動画添付〉
580 : 風がそよぐ名無し
……なんだこれ
てかサイズおかしくねぇ?
実は1はかなりチビとか?
581 : 風がそよぐ名無し
どう見ても狼じゃないですかやだー
……まじで同じ犬なの?
582 : 風がそよぐ名無し
あらまあいやだ
声まで変わって
いや絶対別の犬だろこれ
てか犬……なのか……?
583 : 風がそよぐ名無し
ふむこれはいわゆる魔物的な存在なのかな?
こないだの炎の魔法の実演動画も中々出来が良かったが、これもまたいい感じだね
1はガチで異世界にいるんだと、最近信じてしまいそうになるよ
584 : 1
>>580
身長は確か180cm近くあります
>>581
自分もいまいち信じられないですが間違いなく同じ犬です
>>582
犬だと思ってたんですけどねぇ
狼? 魔物?
謎です
>>583
ガチで異世界にいますよー!
いやまあ信じられないのが普通なんでしょうけどね
今回はフェンに関する話題で、色々と盛り上がる事が出来た。
こんな感じで当初のスレッドの目的からはズレているものの、俺は日本の皆さまと楽しく交流させて貰っている。
日本にいた時は、自室に引き篭もっていても、常に襲撃を警戒していたので、こんな風に穏やかに過ごす事は出来なかった。
さっさと大迷宮攻略を終わらせて、女神どもをぶん殴って、諸々に決着を付けたい所だ。
それが終わったら俺は今度こそ本格的に引き篭もるのだ。
その時は、有り余る日本円を活かしてネトゲ三昧なんてのもいいかもしれない。
そんな風にして俺は、激動の日々が訪れる前の、ほんの僅かな安息の時間を目一杯満喫するのだった。
133
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる