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「証拠、とは?」
「私には詳しいことは説明は難しいのです」
お父様の言葉に、私はテオ様を見る。
「私が話してもよろしいでしょうか?」
テオ様の言葉に、お父様が頷く。
「人間界には、魔法の痕跡を明らかにする魔法があります。それにより、エンマという方が身に着けていた約束の石にジョエル殿の家の魔法の痕跡があることがわかりました」
「そうか。人間界の魔法は、精霊魔法だから、妖精の魔法とは違うんだったね」
そう言ったお父様が、ジョエルを見る。
「そ、そんなわけがありません! ジョエル様は偽りなどには関係しておりません! 私のジョエル様がそんなことをするはずがありません!」
唐突に叫んだコラソンの口を、ジョエルが慌てたように手でふさぐ。
……お父様と番だったはずの私の前で”私のジョエル様”って言うって、相当度胸あるけどね!
「ジョエル殿、『偽りには死を』という言葉が、どういう意味か知っているかな? 当然、王配になる予定の君だ、知っているとは思うがね」
お父様の言葉に、ジョエルは視線を揺らすこともなく、大きくうなずいた。
「妖精王への忠誠を誓う言葉にございます」
「そうか。ジョエル殿は理解していないようだね」
お父様は冷ややかにジョエルを見下す。その表情は、私も見たことのないものだった。
「『偽りには死を』この言葉を、久しぶりに実行する妖精王が、私であるということが哀しいがね」
「え……」
ジョエルが絶句する。
ジョエルは目を見開くと、首をぶるぶると震えさせる。
「偽りには死を」という言葉は、ジョエルの嘘が通った時から、形ばかりのものなのだと思い込んでいたけれど、違ったんだ。
「陛下! 私は偽りなど述べておりません! そ、それに、妖精王である陛下が国中にフィオーレと私が番であると宣言したではありませんか!」
「私の宣言は、偽りが述べられていないという前提で行われるものだよ。私は、妖精たちの忠誠を信じているからね」
「そんな! どうして偽りだと!? ……陛下は、私の言葉を信じてくれないのですか?! あの、人間風情の言うことを信じるのに?!」
……人間風情って……次期妖精王の正式な番なんですけどー? まだ自分が番のつもりだから許されると思ってる?
そうか、テオ様、人間なのか……。まさか番が人間だとか思ってなかったから、人間界には探しに行ったりしなかったなぁ。そうエンマに教えられてたし! 番が妖精以外はあり得ないって言うのも嘘だったのか!
でも、お父様、知り合いみたいだよね? ということは、どっかで出会ってたりしそうだけど? どうして私、テオ様のこと知らないんだろう?
「まるで妖精が一番のような言い方だがね。妖精も人間も、対等な立場だと思うよ。それもわからない者が王配にならなくてよかったと思うべきなんだろうね」
冷ややかなお父様の言葉に、ジョエルがぶるりと震える。
でもすぐに我に返ると、口を開く。
「陛下はどうして、フィオーレ様の言うことを信じるのです! 実の娘だからですか!?」
必死なジョエルの声に、お父様は首を横にふる。
「私は妖精の声に偽りがないと信じているからね。ただ、嘘をついたと証明された相手は別なんだよ」
「嘘など! そもそも、番など、不確かなものを証明することなどできないではありませんか!」
ジョエルの叫び声に、お父様は肩をすくめる。
「お互いに番だとわかるのだから、証明のしようはないだろうね。それにね、番がいない場合には、妖精王にはなれないんだよ。ちなみにだけど、真実の番でなかった場合、『偽りには死を』与えられるだけの話なんだけどね」
「え?」
お父様の言葉が予想外だったのか、ジョエルが間抜けな声を漏らす。
「私には詳しいことは説明は難しいのです」
お父様の言葉に、私はテオ様を見る。
「私が話してもよろしいでしょうか?」
テオ様の言葉に、お父様が頷く。
「人間界には、魔法の痕跡を明らかにする魔法があります。それにより、エンマという方が身に着けていた約束の石にジョエル殿の家の魔法の痕跡があることがわかりました」
「そうか。人間界の魔法は、精霊魔法だから、妖精の魔法とは違うんだったね」
そう言ったお父様が、ジョエルを見る。
「そ、そんなわけがありません! ジョエル様は偽りなどには関係しておりません! 私のジョエル様がそんなことをするはずがありません!」
唐突に叫んだコラソンの口を、ジョエルが慌てたように手でふさぐ。
……お父様と番だったはずの私の前で”私のジョエル様”って言うって、相当度胸あるけどね!
「ジョエル殿、『偽りには死を』という言葉が、どういう意味か知っているかな? 当然、王配になる予定の君だ、知っているとは思うがね」
お父様の言葉に、ジョエルは視線を揺らすこともなく、大きくうなずいた。
「妖精王への忠誠を誓う言葉にございます」
「そうか。ジョエル殿は理解していないようだね」
お父様は冷ややかにジョエルを見下す。その表情は、私も見たことのないものだった。
「『偽りには死を』この言葉を、久しぶりに実行する妖精王が、私であるということが哀しいがね」
「え……」
ジョエルが絶句する。
ジョエルは目を見開くと、首をぶるぶると震えさせる。
「偽りには死を」という言葉は、ジョエルの嘘が通った時から、形ばかりのものなのだと思い込んでいたけれど、違ったんだ。
「陛下! 私は偽りなど述べておりません! そ、それに、妖精王である陛下が国中にフィオーレと私が番であると宣言したではありませんか!」
「私の宣言は、偽りが述べられていないという前提で行われるものだよ。私は、妖精たちの忠誠を信じているからね」
「そんな! どうして偽りだと!? ……陛下は、私の言葉を信じてくれないのですか?! あの、人間風情の言うことを信じるのに?!」
……人間風情って……次期妖精王の正式な番なんですけどー? まだ自分が番のつもりだから許されると思ってる?
そうか、テオ様、人間なのか……。まさか番が人間だとか思ってなかったから、人間界には探しに行ったりしなかったなぁ。そうエンマに教えられてたし! 番が妖精以外はあり得ないって言うのも嘘だったのか!
でも、お父様、知り合いみたいだよね? ということは、どっかで出会ってたりしそうだけど? どうして私、テオ様のこと知らないんだろう?
「まるで妖精が一番のような言い方だがね。妖精も人間も、対等な立場だと思うよ。それもわからない者が王配にならなくてよかったと思うべきなんだろうね」
冷ややかなお父様の言葉に、ジョエルがぶるりと震える。
でもすぐに我に返ると、口を開く。
「陛下はどうして、フィオーレ様の言うことを信じるのです! 実の娘だからですか!?」
必死なジョエルの声に、お父様は首を横にふる。
「私は妖精の声に偽りがないと信じているからね。ただ、嘘をついたと証明された相手は別なんだよ」
「嘘など! そもそも、番など、不確かなものを証明することなどできないではありませんか!」
ジョエルの叫び声に、お父様は肩をすくめる。
「お互いに番だとわかるのだから、証明のしようはないだろうね。それにね、番がいない場合には、妖精王にはなれないんだよ。ちなみにだけど、真実の番でなかった場合、『偽りには死を』与えられるだけの話なんだけどね」
「え?」
お父様の言葉が予想外だったのか、ジョエルが間抜けな声を漏らす。
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