2つの世界の架け橋

明人

文字の大きさ
上 下
38 / 118

手作りの醍醐味

しおりを挟む
「二人共いいのが出来てるね」
「「うん!!」」
心配なのは焼け具合だが。
予熱をしておいたオーブンにリラが作った物を上段に、二人が作った物を下段に入れ焼き上げる。
「それじゃ、焼き上がるまでちょっと待とうか」
三人で話をしながら待っていると甘い香ばしい匂いが広がってきた。
「良い匂い!」
鼻をヒクつかせる二人が可愛いと笑い
「もうちょっとだから待ってね」
とクッキーの様子を見つつ答える。
そして――
焼きあがったクッキーを取り出せば二人は顔を輝かせた。香ばしく焼きあがったクッキーはほんのり色づき、香ばしい匂いを放っていた。
リラはその内二枚を皿に出し少し冷ましてから二人に差し出す。
「焼きたての美味しさは手作りじゃないと味わえないからね。食べてみて」
二人はキラキラと輝かせた表情のままクッキーを手にし、かじりつく。サクッと音がなるほどの周りと違い、中は少しふんわりとしていた。ホロホロと崩れ、甘みと香ばしさが口いっぱいに広がる。
「「美味しい!!」」
「良かったー。でも後は冷まして紙袋作って入れようか」
冷ましてから袋に詰め、二人は一生懸命作ったクッキーと自分達で食べる用の分は分けていた。
「行ってくる!!」
相変わらず目をキラキラさせて走って行った二人を見送り、リラは反応が楽しみだなぁと笑った。
しおりを挟む

処理中です...