2つの世界の架け橋

明人

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型抜き

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「白っぽくなったら次に溶き卵を少しずつ入れてよく混ぜて。分離しないように気をつけてね」
「分離って何?」
「水と油って相性が悪くって、お互いがもう絶対仲良くしない!って状態になるのが分離。でも今ルーがやってるように混ぜてあげることで仲良くさせてあげられるの」
へーと関心し、ルーは心なしか混ぜる手を早めた。
分離せず混ぜることが出来たところで、ふるった小麦粉を入れさっくりと切るように混ぜる。最初はリラが担当し、混ざってきたところで二人に交代し手で混ぜてもらおうと思ったが…
「毛が…」
「「え?」」
人のような形はしているがフワフワした猫の毛の手でもある。さすがにこれで混ぜるのはまずい。
「えっと…あとはこれをまとめて冷蔵庫で寝かせます」
「「寝るの!?」」
良かった別のことに食いついてくれた。
「うん。今生地は混ぜたりこねたりで運動した後みたいになってるの。だから寝かせてあげることで休ませてあげて、良い状態で次の作業をしてあげるの」
へえーと二人は関心する。
次の作業用に麺棒や、型抜きを探すが流石に型抜きらしいものはなかった。麺棒は見つかったため生地を伸ばすのは問題なさそうだ。
型に関しては二人に好きな形を作ってもらいつつ、包丁で切ればいいかと考えた。
「じゃあ、次の作業の説明するね。次の作業ではさっき作った生地を焼きやすくするために薄く延ばすの。好きな形にしていいんだけど、厚すぎると火が通らないからなるべく薄めにを頭に入れて好きな形を作ってね」
二人は分かった!と元気良く返事をした。
リラはオーブンの予熱をした後、落ち着いた生地を出し、半分は二人に渡し、半分は自分で麺棒で伸ばしていく。均等に伸びたところで包丁で四角く切り分け、鉄板に並べる。
さて、二人はどんなものを作っているのかと様子を伺い思わずクスリと笑ってしまった。
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