2つの世界の架け橋

明人

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クッキー

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「いいんですかね…?」
残していったシラビシの方をリラが振り返っているとシリーがいいのよと答える。
「私はね。確かに貴女の力を借りたいとは思ってるわ。でもね、何より私が生きてきたこの世界を楽しんで欲しいの」
そう言ってシリーは優しく微笑んだ。
「それに男なんて使ってなんぼよ☆」
こういうところは綺麗な人間の女性と変わらないかも知れない。
じゃあ仕事に行ってくるわ~と別れたシリーを見送り、リラは二人と厨房に入る。改めて食材を確認し、何を作ろうかと悩んでいた。
二人と一緒に作れて二人が好きそうな…
目についたのは小麦粉、卵、バター、砂糖このセットでピンときた。
「よし!クッキー作ろう!」
「「クッキー?」」
二人は同時に首を傾げる。
「甘くてサクッと香ばしいお菓子よ。きっと気に入ると思う」
初めて聞く名前に二人には想像がつかなかったが、リラが美味しいと言うなら間違いないだろうと目が輝いていた。
まずボウルに室温で柔らかくしたバターを入れ、良く練る。最初は硬いのでリラが担当し、柔らかくなってきたところで二人で交代で混ぜてもらった。
バターがクリーム状になったら砂糖を三回程度に分けて入れ、白っぽくなるまですり混ぜる。
「シャリシャリ言ってる!!」
「砂糖がこすれる音だね」
「なんか…これだけでも美味しそう…」
ジッと眺めるルーに
「中にはこれをパンに乗せてトーストして食べる人もいるよ」
と答えると「美味しそう!!」と目が輝いた。
ただカロリーが化け物級なのでおススメはしない。が、美味しいので極々たまに誘惑に負けてやってしまうのだった。
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