怖くていい人

明人

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思い当たる節

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「藍!山中!実は「何でもないよ。大丈夫」
未来ちゃんを制止すればなんでや!と未来ちゃんが不服を申し立てる。
「私達の問題だし、言いふらすようなことも良くないと思うから」
藍くんや山中くんも巻き込まれて何かあったりしたらそれこそ申し訳なくなる。
そう思っていたら藍くんにデコピンされ痛みに額を押さえる。
「お前は何回俺の問題に首突っ込んで来たと思ってんだ。今更俺が首突っ込もうがお前に文句言える筋合いはねぇんだよ」
過去の思い当たる節がありすぎる記憶を思い出した、何も言い返せなかった。
「それに僕は田中さんのこと友達だと思ってるから相談して貰えないのは少し寂しいな」
「ほら!山長引かせるもこう言っとるで未明!...ん?山中!ウチはどうやねん!?」
「桜音さんは...うん」
「うんってなんやねん!」
何やらわちゃわちゃしている中藍くんが未来ちゃんの首根っこを掴む。
「田中が話す気ねぇなら桜音、話せ」
「猫みたいな掴み方すんなや!猫と言えばまずな!ウチの両親が犬派と猫派で争っとるっちゅー話からなんやけど「そこは微塵も興味ねぇからその後の話ししろ」
「ウチが猫派って話から?」
「真面目に言ってんならぶっ飛ばすぞてめぇ」
キョトンとする未来ちゃんがぶっとばされないように私が起きたことを話した。
「くだんねぇことする奴がいるもんだな」
「ほんまそれよなぁ」
「とりあえず明日様子見しとこうかなと」
「犯人見つけたらしばき回したるからな!」
「しばき回すのは良くないよ...。穏便に...」
「こういうのは舐められたらしまいや!山中はそんなんやから舐められるんやで!」
「自覚はあるなぁ...」
とりあえず相手の動きをもう少し見るということになり、明日を待つことになった。
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