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奈落
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私と女子2人は細長い洞窟の通路を走っていた。
走るといっても、私の場合は走っても大したスピードが出ないので、アイスブリザードを前面に展開したあと、軽く腹で滑りながら進んでいた。
さっき覚えたアイスブリザードと氷耐性の魔術は凄く便利で、あれなら数人の騎士と鉢合わせになったけど、全てアイスブリザードで動けなくしたところを体当りで倒していった。
「ペンギンさんって凄く強いですけど、私達と同じく召喚されたのかな?」
「違うんじゃない? ペンギンってもっと小さいから、きっとこの世界の生き物なんだよ」
「えっ……でも偉そうな騎士達が謎の生き物って呼んでいたから、この世界の生き物ではないと思うよ」
「なら私達とは異なる世界から召喚されたのかな?」
「それならあり得るかも……」
女子2人は滑走中している私の背中の上で私の正体について話していた。
話が出きるのなら同じ地球人で、着ぐるみを着ているだけだよって言いたいところだけど、それは逃げきってからかなと思ったので、とりあえずスリーしていた。
まあ、私自身も何で言葉が喋れないのかとか、着ているを着ぐるみを脱げない理由などが分からないので、聞かれても説明は出来ないんだね……って、そう言えば、着ぐるみを脱いだら話せるんじゃないかと思って一度脱ごうとしたのだけど、どうやら地球に居たときに着ていた着ぐるみとは若干違うらしくて、ファスナーが無いのもそうだけど、そもそも着ぐるみと同化しているのではないかと思える位に脱げなかった。
元々、かなり身体にフィットしている着ぐるみだったけど、頑張れば自分でも着ぐるみを脱げる作りになっていた筈なのに、それすら出来なくなっていたのだ……
もしかして、これは着ぐるみを着ているのではなくて、ペンギンっぽい生き物に転生したのでは……ってそんな事は無いか……
「それにしても私達って正しい道を進んでいるのかな?」
「うーん、既に何十回と分かれ道を進んじゃったから、どっちにしろ戻る方法も覚えてないし、進むしかないよね」
「確かにね……そう言えば、先に逃げたクラスメイト達はどこに行ったんだろ? スピード的にはもう追い付いても良さそうな気がするよね……」
「確実に私達とは違う分かれ道に進んだよね。 あっ! また人が……いたよ!」
「あれ? 騎士じゃない?」
かなり長い直線の先に、騎士の格好ではなくドレスっぽい服を着た女性が立っていた。
「あれって私達を召喚した王女かな?」
「髪の色は一緒だけど、私達を召喚した王女とはドレスの色がちがくない?」
「とりあえず洞窟にいる人は全て敵だよね!」
「それもそっか!」
「そこの変な生き物と女達は止まりなさい! 止まらないと後悔しますよ!」
目の前のドレスを着た女性はすごい剣幕で叫んでいたが、止まれと言われて止まる敵は居ないだろう……
私は更に加速していき、ドレスを着た女性に体当たりをしようとしたのだが、ドレスを着た女性は、右手をこちらに掲げる手には、リーダー格の騎士が持っていた魔術石みたいな宝石を持っているのが見えたので、やっぱり止まろうとしたけど加速してしまっていたので、止まる事は出来なかった……
しかし、何故かあの魔術石からはアイスブリザードとは比べ物にならない位に嫌な予感がした。
「警告をしたのに……止まらなかった事を後悔しなさい! 強制転移魔術・奈落!!」
ドレスを着た女性の魔術石からは紫色の霧の様なものが吹き出し、一瞬にして目の前を真っ暗に変えてしまっていた……
「クワッ!(これはヤバく気がする!)」
私は加速していて止まれないが、背中に乗っている2人は今振り落とせば間に合う気がしたので、2人に衝撃耐性の魔術をかけてからおもいっきり背中から振り落とした。
「クワッ!(ごめんね!)」
「えっ、ちょ!? キャアアア!?」
「キャアアア!!」
そして、私だけが真っ暗な霧の中に突っ込んで行ってしまった……
走るといっても、私の場合は走っても大したスピードが出ないので、アイスブリザードを前面に展開したあと、軽く腹で滑りながら進んでいた。
さっき覚えたアイスブリザードと氷耐性の魔術は凄く便利で、あれなら数人の騎士と鉢合わせになったけど、全てアイスブリザードで動けなくしたところを体当りで倒していった。
「ペンギンさんって凄く強いですけど、私達と同じく召喚されたのかな?」
「違うんじゃない? ペンギンってもっと小さいから、きっとこの世界の生き物なんだよ」
「えっ……でも偉そうな騎士達が謎の生き物って呼んでいたから、この世界の生き物ではないと思うよ」
「なら私達とは異なる世界から召喚されたのかな?」
「それならあり得るかも……」
女子2人は滑走中している私の背中の上で私の正体について話していた。
話が出きるのなら同じ地球人で、着ぐるみを着ているだけだよって言いたいところだけど、それは逃げきってからかなと思ったので、とりあえずスリーしていた。
まあ、私自身も何で言葉が喋れないのかとか、着ているを着ぐるみを脱げない理由などが分からないので、聞かれても説明は出来ないんだね……って、そう言えば、着ぐるみを脱いだら話せるんじゃないかと思って一度脱ごうとしたのだけど、どうやら地球に居たときに着ていた着ぐるみとは若干違うらしくて、ファスナーが無いのもそうだけど、そもそも着ぐるみと同化しているのではないかと思える位に脱げなかった。
元々、かなり身体にフィットしている着ぐるみだったけど、頑張れば自分でも着ぐるみを脱げる作りになっていた筈なのに、それすら出来なくなっていたのだ……
もしかして、これは着ぐるみを着ているのではなくて、ペンギンっぽい生き物に転生したのでは……ってそんな事は無いか……
「それにしても私達って正しい道を進んでいるのかな?」
「うーん、既に何十回と分かれ道を進んじゃったから、どっちにしろ戻る方法も覚えてないし、進むしかないよね」
「確かにね……そう言えば、先に逃げたクラスメイト達はどこに行ったんだろ? スピード的にはもう追い付いても良さそうな気がするよね……」
「確実に私達とは違う分かれ道に進んだよね。 あっ! また人が……いたよ!」
「あれ? 騎士じゃない?」
かなり長い直線の先に、騎士の格好ではなくドレスっぽい服を着た女性が立っていた。
「あれって私達を召喚した王女かな?」
「髪の色は一緒だけど、私達を召喚した王女とはドレスの色がちがくない?」
「とりあえず洞窟にいる人は全て敵だよね!」
「それもそっか!」
「そこの変な生き物と女達は止まりなさい! 止まらないと後悔しますよ!」
目の前のドレスを着た女性はすごい剣幕で叫んでいたが、止まれと言われて止まる敵は居ないだろう……
私は更に加速していき、ドレスを着た女性に体当たりをしようとしたのだが、ドレスを着た女性は、右手をこちらに掲げる手には、リーダー格の騎士が持っていた魔術石みたいな宝石を持っているのが見えたので、やっぱり止まろうとしたけど加速してしまっていたので、止まる事は出来なかった……
しかし、何故かあの魔術石からはアイスブリザードとは比べ物にならない位に嫌な予感がした。
「警告をしたのに……止まらなかった事を後悔しなさい! 強制転移魔術・奈落!!」
ドレスを着た女性の魔術石からは紫色の霧の様なものが吹き出し、一瞬にして目の前を真っ暗に変えてしまっていた……
「クワッ!(これはヤバく気がする!)」
私は加速していて止まれないが、背中に乗っている2人は今振り落とせば間に合う気がしたので、2人に衝撃耐性の魔術をかけてからおもいっきり背中から振り落とした。
「クワッ!(ごめんね!)」
「えっ、ちょ!? キャアアア!?」
「キャアアア!!」
そして、私だけが真っ暗な霧の中に突っ込んで行ってしまった……
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