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現れたアリエル様に、マリウスが警戒心をむき出しに睨みつけている。
まだ体が辛いのだろう。気だるげな様子だが、眼光は鋭くマリウスを見据えて言った。
「なぜなら君に呪いをかけたのは、この男だからだ」
マリウスは乾いた笑いを零す。
「呪い……? 姉さん、彼あいつは何を言っているんだ」
「おや、俺を手にかけようとしたことは認めても、そこは否定するのか」
アリエル様は手に持った紙の束をひらめかせる。
「ようやくお前の正家、コルザ家に照会していた内容が届いた。一年ほど前、コルザ家の倉庫に保管されていた、門外不出の呪具が行方不明になった。そして、その呪具は先日の調査でロゼットの自室から見つかった」
「……! それって、魅了の呪いの……」
アリエル様が頷く。
「呪具の紛失がわかった直前の訪問者の名簿の中には、お前の名前もあった」
「…………コルザ家の呪具で姉さんが呪われていた? 本当だとしたら許しがたいね。だけど、それがどうして僕のせいになるんだ。コルザ家は僕の実母の実家で、僕の祖父母がいる。そりゃ出入りくらいはするさ。なにより、僕に姉さんを呪う理由なんかない」
「……そう、俺もお前は違うと考えた。本来ならコルザ家の血を引くお前は真っ先に疑うべき立場だったのにもかかわらずだ。お前を犯人とするには、決定的におかしい点があったからだ。お前が犯人なら、呪いが周囲のすべての人間に影響することを知っていたはずだ。なのに、お前自身は呪いに関して無防備だった。俺がロゼットに守り石を付けさせたように、その気になれば呪いの影響を防ぐことができたはずなのにだ」
「弁明する必要もなさそうだね。まさにその事実が僕ではないと証明しているじゃないか」
「……ああ、そう考えて調査が遅れたおかげで、この通りの情けない姿だ。そう結論を急ぐな。手負いの獲物が怖いことはこれからじっくり証明してやろう」
マリウスが面白くなさそうに床を靴で鳴らす。
「あの、アリエル様。家族は呪いにかかりにくいと、そうおっしゃっていませんでしたか」
「そうだ。魅了の呪いは相手への不足の感情を増幅させるものだ。家族に呪いがかかりにくいのは、相手をよく知る分、大きすぎる何かを求めることもないからだろう」
「ならば、マリウスが呪いにかかりにくかったのも、私を本当の家族と思って接していてくれたからなのでは?」
この後に及んで、私はマリウスを信じたかった。
本当にいい子だったのだ。いい弟だったのだ。
アリエル様は、眉尻を下げて静かに言った。
「マリウスは呪いにかかっていたよ。だけどこいつは知っていたんだ。呪いが発動しても、自分に影響がないことを」
マリウスに向ける視線は、氷のように冷たい。
呪いの影響がないとは、どういうことなのか。
ううん、それよりも……私は、マリウスについて良く知っているつもりだった。だけど。
「ねえ、マリウス。あなたは私を、家族と思っていてくれたのではないの? あなたにとって私は、どういう存在だった?」
マリウスは、しばし黙り込み、どこか救いを求めるような切なげな表情で言った。
「家族、だと思っていたよ。一年前までは」
一年前?
「姉さん、楽しそうに見た夢の話をしてくれたよね。王太子との婚約がなくなって、そうしたら自分のやりたかったことを自由にやるんだって」
私が、前世を思い出して、嬉しくてマリウスに話したときのことだ。
「姉さんはずっと、王太子妃になることを疑問にも感じず、そのまま王妃になるんだって思ってた。でも、本当の姉さんは、そんなこと望んでなかったんだね。……僕は知ってしまったんだ。未来に選択肢があるっていうことを」
やめて、と私は悲鳴を上げそうになった。
私の、私のせいでこの子の人生を、歪めてしまったの?
「もし姉さんの夢の通りになったとしたら、どうだろう。王妃になるはずだった姉さんが、誰も知らない場所で、穏やかにひっそりと暮らす。きっといつか、それを知るのは弟の僕だけになる。そのまま見守っていくのもいい、後ろ盾のなくなった姉さんを、僕のものにしてしまってもいい。すべては僕の采配次第だ!」
ガタガタと椅子を揺らすマリウスを、兵士が制止する。
「魅了の呪いなんて、僕に言わせれば慎ましい。だって見えてしまったんだ。全部を欲しがったとしても、すべてが叶えられる未来が。うまくいっていたんだ。コイツが姉さんを僕から引きはがそうとするまでは」
私はアリエル様の方を見た。
「もしかして、私をマリウスから引き離すよう、動いてくださっていたのですか」
牢獄に閉じ込めたのも、マリウスの外出中に逃げ出すよう指示したのも。
「……あの時点では疑いに過ぎなかった。それに王太子も妙な動きをしていたからな。君が冤罪を被ったのがこの男のせいとまでは言えないが、状況に乗っかって周囲の心を乱し、足を引っ張ろうとしたのは間違いない」
「本当に忌々しい。何度殺したって足りない」
剣呑な言葉を吐くマリウスに、悲しくもどかしい気持ちがこみあげてくる。
「マリウス。あなた、このやり方で本当に良かったと思うの。この先、何があっても後悔はしない?」
私の問いかけに、マリウスはふと怯えたような表情を覗かせた。
「私はとても後悔してる。どうしてメロディ様にひどいことをしてしまったのか。どうしてレオニード様ともっと向き合えなかったのか。マリウス、あなたのことも……私はあなたの家族になれなかったかもしれない。だけどっ、私にとっては……大切な弟で……っ、もっとたくさん、話をすればよかった。あなたに謝りたい。だけどそんなこと役に立たないってわかってる……ねえ、マリウス。私は正しく生きたい。もう後悔はしたくないから。この先また間違った道を選んだとしても、胸を張って生きるために。だからマリウス……」
あなたにもそうあってほしい。嗚咽がこみあげて最後まで言葉にできなかった。
「泣かないで、泣かないでよ姉さん……僕は、違うんだ。僕は本当は、姉さんに……わああああああああん!」
マリウスは、子供のように声を上げて泣き出した。
まだ体が辛いのだろう。気だるげな様子だが、眼光は鋭くマリウスを見据えて言った。
「なぜなら君に呪いをかけたのは、この男だからだ」
マリウスは乾いた笑いを零す。
「呪い……? 姉さん、彼あいつは何を言っているんだ」
「おや、俺を手にかけようとしたことは認めても、そこは否定するのか」
アリエル様は手に持った紙の束をひらめかせる。
「ようやくお前の正家、コルザ家に照会していた内容が届いた。一年ほど前、コルザ家の倉庫に保管されていた、門外不出の呪具が行方不明になった。そして、その呪具は先日の調査でロゼットの自室から見つかった」
「……! それって、魅了の呪いの……」
アリエル様が頷く。
「呪具の紛失がわかった直前の訪問者の名簿の中には、お前の名前もあった」
「…………コルザ家の呪具で姉さんが呪われていた? 本当だとしたら許しがたいね。だけど、それがどうして僕のせいになるんだ。コルザ家は僕の実母の実家で、僕の祖父母がいる。そりゃ出入りくらいはするさ。なにより、僕に姉さんを呪う理由なんかない」
「……そう、俺もお前は違うと考えた。本来ならコルザ家の血を引くお前は真っ先に疑うべき立場だったのにもかかわらずだ。お前を犯人とするには、決定的におかしい点があったからだ。お前が犯人なら、呪いが周囲のすべての人間に影響することを知っていたはずだ。なのに、お前自身は呪いに関して無防備だった。俺がロゼットに守り石を付けさせたように、その気になれば呪いの影響を防ぐことができたはずなのにだ」
「弁明する必要もなさそうだね。まさにその事実が僕ではないと証明しているじゃないか」
「……ああ、そう考えて調査が遅れたおかげで、この通りの情けない姿だ。そう結論を急ぐな。手負いの獲物が怖いことはこれからじっくり証明してやろう」
マリウスが面白くなさそうに床を靴で鳴らす。
「あの、アリエル様。家族は呪いにかかりにくいと、そうおっしゃっていませんでしたか」
「そうだ。魅了の呪いは相手への不足の感情を増幅させるものだ。家族に呪いがかかりにくいのは、相手をよく知る分、大きすぎる何かを求めることもないからだろう」
「ならば、マリウスが呪いにかかりにくかったのも、私を本当の家族と思って接していてくれたからなのでは?」
この後に及んで、私はマリウスを信じたかった。
本当にいい子だったのだ。いい弟だったのだ。
アリエル様は、眉尻を下げて静かに言った。
「マリウスは呪いにかかっていたよ。だけどこいつは知っていたんだ。呪いが発動しても、自分に影響がないことを」
マリウスに向ける視線は、氷のように冷たい。
呪いの影響がないとは、どういうことなのか。
ううん、それよりも……私は、マリウスについて良く知っているつもりだった。だけど。
「ねえ、マリウス。あなたは私を、家族と思っていてくれたのではないの? あなたにとって私は、どういう存在だった?」
マリウスは、しばし黙り込み、どこか救いを求めるような切なげな表情で言った。
「家族、だと思っていたよ。一年前までは」
一年前?
「姉さん、楽しそうに見た夢の話をしてくれたよね。王太子との婚約がなくなって、そうしたら自分のやりたかったことを自由にやるんだって」
私が、前世を思い出して、嬉しくてマリウスに話したときのことだ。
「姉さんはずっと、王太子妃になることを疑問にも感じず、そのまま王妃になるんだって思ってた。でも、本当の姉さんは、そんなこと望んでなかったんだね。……僕は知ってしまったんだ。未来に選択肢があるっていうことを」
やめて、と私は悲鳴を上げそうになった。
私の、私のせいでこの子の人生を、歪めてしまったの?
「もし姉さんの夢の通りになったとしたら、どうだろう。王妃になるはずだった姉さんが、誰も知らない場所で、穏やかにひっそりと暮らす。きっといつか、それを知るのは弟の僕だけになる。そのまま見守っていくのもいい、後ろ盾のなくなった姉さんを、僕のものにしてしまってもいい。すべては僕の采配次第だ!」
ガタガタと椅子を揺らすマリウスを、兵士が制止する。
「魅了の呪いなんて、僕に言わせれば慎ましい。だって見えてしまったんだ。全部を欲しがったとしても、すべてが叶えられる未来が。うまくいっていたんだ。コイツが姉さんを僕から引きはがそうとするまでは」
私はアリエル様の方を見た。
「もしかして、私をマリウスから引き離すよう、動いてくださっていたのですか」
牢獄に閉じ込めたのも、マリウスの外出中に逃げ出すよう指示したのも。
「……あの時点では疑いに過ぎなかった。それに王太子も妙な動きをしていたからな。君が冤罪を被ったのがこの男のせいとまでは言えないが、状況に乗っかって周囲の心を乱し、足を引っ張ろうとしたのは間違いない」
「本当に忌々しい。何度殺したって足りない」
剣呑な言葉を吐くマリウスに、悲しくもどかしい気持ちがこみあげてくる。
「マリウス。あなた、このやり方で本当に良かったと思うの。この先、何があっても後悔はしない?」
私の問いかけに、マリウスはふと怯えたような表情を覗かせた。
「私はとても後悔してる。どうしてメロディ様にひどいことをしてしまったのか。どうしてレオニード様ともっと向き合えなかったのか。マリウス、あなたのことも……私はあなたの家族になれなかったかもしれない。だけどっ、私にとっては……大切な弟で……っ、もっとたくさん、話をすればよかった。あなたに謝りたい。だけどそんなこと役に立たないってわかってる……ねえ、マリウス。私は正しく生きたい。もう後悔はしたくないから。この先また間違った道を選んだとしても、胸を張って生きるために。だからマリウス……」
あなたにもそうあってほしい。嗚咽がこみあげて最後まで言葉にできなかった。
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マリウスは、子供のように声を上げて泣き出した。
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