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★9、発見

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この3日間は、それまで一緒に暮らした4年間を上書きするような発見ばかりだった、とカリタは思う。
セヴェリの知らない顔を、たくさん見れた。

ーーお嫁さんになったからかな。

台所の床にしゃがみ込んで瓶の整理をしながら、そんなことを考える。くすぐったいような、誇らしいような気持ちになって、思わず頬が緩む。

と、隣の部屋で調べものをしていたはずのセヴェリが、いつの間にか台所に来ていて、カリタを呼ぶ。

「カリタ」

カリタはすぐに立ち上がって、駆け寄る。

「なんですか?」
「うん、用事はないんだけど」

そんなことを言って、カリタをぎゅうっと抱きしめる。

「ほんとにカリタがいるか確かめたくなって」

カリタは思わず笑う。

「旦那様、苦しいです」

セヴェリも笑いながら、それでも力を緩めない。

しかし、こうしていても、王都に行く日は近づく。
こんなに愛しいセヴェリに、2ヶ月も会えない。

カリタは、これまでとは違う種類の寂しさを感じる。
気持ちだけでなく、カリタの髪や皮膚までが、セヴェリと離れるのを寂しがっているのだ。
だから。

「カリタ、上を向いて」

そう言われたら、素直に上を向いてしまう。
潤んだ目を閉じて、降ってくる接吻を受け止める。

「2階に行こうか」

昼間だと言うのに、そんな提案に、すんなりうなずいてしまう。

手を繋いで木の階段を登るだけで、体が火照ってくる。昨日の夜も、その前、求めあったのに、まだ欲しくなる。
そんな自分がいることを、カリタは今まで知らなかった。

陽が差し込む明るい部屋で、カリタは脱がされるまま、全裸になる。

「すごく、綺麗だ」

セヴェリは初めて見るかのように、カリタを褒める。カリタはそれがすごく嬉しい。

「旦那様」

だから、待っていられなくて、腕を伸ばす。
早く抱きしめてほしい。
セヴェリも、それに応じる。

口づけの応酬だけで、お互いの息遣いが荒くなる。
セヴェリはカリタを背後から抱くように座り、カリタの乳房を両手で揉んだ。

「ん、ん……」
「これがいいの?」

乳房の先端の尖りを、わざと焦らすように、ゆっくりとつまむ。

「あ……」

快楽を覚え始めた体は、それだけで痺れが走る。

「もっとかな?」

乳首をつまむ力がだんだん強くなる。

「あん……あっ……旦那様」
「何?」
「ん……」

カリタはセヴェリに快楽を伝えようとするが、言葉にならない。
セヴェリの動きにいち早く反応する体で、すでに伝わっていることも知らずに。

カリタが反応すればするほど、セヴェリは執拗にそこをいじめる。先端の尖りはどんどん固くなる。

「は……もう……んんん」

大きな手のひらで乳房を包まれ、指で先端を弾かれ続ける。快楽と同時にもどかしい感覚が足の間に込み上げてくる。

「気持ちいい?」
「は……い」

頷きながらも、カリタはそれだけじゃ足りないと思うようになっている自分に気づいていた。

ーーこんなふうになっちやうんだ。

カリタは自分の変化をぼんやりと受け入れる。

「カリタ、こっちを向いて」

セヴェリはカリタを振り向かせ、接吻する。
セヴェリの手が、足の間に伸びる。

いつの間にか、そこはするりとセヴェリの指を受け入れらるようになっていた。

「あ……ん」

快楽の波が、また大きくなる。

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