夜の動物園の異変 ~見えない来園者~

メイナ

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第2章

第7話『帰るべき場所へ』

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「……邪悪な影は、まだ動いてる。」

 透子が険しい顔で言った。

「じゃあ、あの"それ"は……?」

 えまの問いに、透子は小さく頷く。

「……仲間の霊よ。ロイが守っていたのは、きっと"それ"の魂が宿った遺骨。」

「"それ"は……ロイに助けを求めていたんだ……」

 えまは、封印のプレートをそっと撫でた。

「……まもって……あげて……」



 あの声が、耳の奥で蘇る。

「……きっと"それ"は、邪悪な影からこの動物園を守ろうとしていた。」

「……じゃあ、“もう一つの影”の正体は?」

「“それ”とは別の存在よ。邪悪な存在。」

「……じゃあ、ロイが本当に戦わなきゃいけない相手は……」

「……今夜、再び来るわ。」


 ---

 ◆【“邪悪な影”の正体】

 夜。

 えまは、ロイの檻の前に立っていた。

「ロイ……"それ"はもう大丈夫だよ。今度は、本物の敵が来る。」

「グルルル……」



 ロイが低く唸り、檻の奥を睨む。

「えま、来るわ!」

 その時だった。

「ザザザッ……」



 檻の奥から、再び“何か”がにじり寄ってきた。

「……昨日の“それ”と違う……」

 “それ”は、ぼんやりとした煙のような形をしていた昨日とは異なり、明らかに動物のような鋭い輪郭を持っていた。

「……違う……。これは……」

「……ガルルル……」



「……ロイ、気をつけて……!」


 ---

 ◆【ロイと邪悪な影の対峙】

「グアァァァッ!!!」



 “邪悪な影”がロイに飛びかかった。

 ロイはすかさず後ろに飛び退き、鋭く爪を振るった。

「バチィッ!」



 衝撃が闇を揺るがし、影が大きくのけぞる。

「ロイ……頑張って……!」

 えまの声に応えるように、ロイがもう一度飛びかかる。

「グルルルル……!」



「……透子さん、ロイが押されてる……!」

 えまが焦りをにじませたその時、えまの耳に──

「……ありがとう……」



 優しい声が響いた。

「……今の……」

「えま、見て!」

 えまが目を向けると、封印のプレートの上に、ぼんやりとした白い光が浮かんでいた。

「……"それ"が……?」

 その光が、すっとロイの背中に吸い込まれるように消えた。

「……ロイが……」

 次の瞬間、ロイが鋭い咆哮を上げ、影に向かって勢いよく飛びかかった。

「ガァァァッ!!」



 影が震え、空気に溶けるように**スゥッ……**と消えていった。


 ---

 ◆【守護者の遺言】

「……終わったの?」

「……ええ。」

 えまは、封印のプレートの上に残された小さな骨にそっと触れた。

「……ありがとう……」



 再び、耳の奥で優しい声が響いた。

「……あなたが守ってくれたんだね。」

 えまは、骨のそばにそっと花を添え、静かに手を合わせた。


 ---

 ◆【ロイの安らぎ】

 翌朝。

 ロイは、檻の奥で安心したように体を丸めていた。

「……ロイも、きっと疲れてたんだね。」

 えまが呟くと、ロイはちらりとえまを見て、のんびりと目を閉じた。

「……ありがとう、ロイ。」


 ---

 ◆【次回予告】

 第8話『影の残したもの』
 ・ "邪悪な影"が動物園に現れた理由とは?
 ・プレートの封印にまつわる過去の秘密が明かされる……!

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